森のかけら | 大五木材


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今日のかけら・#026【サザンイエローパイン】Southern  yellow  pine マツ・針樹・北米産

今日は松山市内でも30℃を越える真夏日でグッタリでした。今からこれでは8月が思いやられます・・・。温度が上がると倉庫の中は蒸し風呂状態で、ダイエットには最適ですが、汗かきの私としては汗と木屑と木粉とその他色々な物でビチャビチャ、ドロドロになってしまいます。そんな中、本日は『サザンイエローパイン』の端材を加工しました。キャラメルのような色合いが特徴です。大きな板の時はあまり気にならなかったのですが【森のかけら】のように小さく加工すると、他の多くのかけらの中でも一際そのキャラメル色が目立ちます。

本当に食欲を刺激するような色合です。折角なので、この色を利用して「食」に関係した商品が出来ないものか、いつも考えてはいるのですがなかなかしっくりいく物が浮かびません。製作に当たってはひとつ問題があります。この木は、板目部分が信じられないくらい割れやすいのです。割れるというと御幣があるかもしれませんが、浅いクラック(割れ目)がすぐに走ってしまいます。これがまた妙なもので、荒材で保管している時はそうでもないので、商社や問屋の方は「そうなの?」という感覚かもしれませんが、プレーナーなどで削ると、幅広の面に「ピシッ!」と浅いクラックが走ります。

ただ俗に言う『ヘアークラック』なので、材が完全に使えなくなるというほどの物ではないのですが、当然それが通用しない現場もあります。『ヘアークラック』というのは、文字通り髪の毛のような細さの割れ目というものです。これは木目の交錯したような広葉樹ではほとんど見られません。自分の経験で言うと、マツやスギなど通直に伸びる針葉樹、その中でも割と軽軟な木に多いようです。その板目部分に発生しますので、つまり『一番いいところ』に割れが走ってしまうのです

材の中で一番価値のあるところに発生するのですから、クラックもえらいものだと感心します。逆説的に考えれば、そういう傾向があるからこそ、割れの発生しなかった板目に価値があるともいえるのかもしれません。まあ全ての板目にクラックが出るというわけではありません。乾燥の程度や木目の詰まり具合にもよるのでしょうが、サザンイエローパインという木自体が『マツ科』ですから、多くの油脂分を含んでいるので、他のマツ同様に天乾ではなかなか乾きません

その用途が化粧(仕上がって見える部分)に使われる事が多いので、人乾で急速に乾かせると大きな割れが入ってしまって使い物にならなくなる物も出てきます。とは言え、天乾では時間がかり過ぎるので人工乾燥機でじっくり乾かせる事になります。厚みのある物ほど内部との温度差が生じて割れやすい傾向にあります。ですから、割れのない厚みのあるサザンイエローパインの材というのは、結構貴重なものです。ただしその需要はこの辺りでは多くはありませんが、前述したようにその鮮やかなキャラメル色は魅惑的です。

また材そのものも粘りがあり強度にも優れています。木製のジェットコースターに使われるほど信頼もあるようです。右の画像は、世界最大規模の木製ジェットコースター、ナガシマスパーランドのホワイトサイクロンです。私は絶対乗れません、乗りません!木の軋み感が伝わってスリル満点とのことですが、誰が好き好んでこのような恐ろしい事をするのでしょうか・・・まさに狂気の沙汰です、信じられません、南無阿弥陀仏・・・。

弊社の在庫でいえば、4.9mの250㎜幅、厚み40㎜ぐらいの板があります。メーカーにはもっと薄い物や短いものまでバリエーションは豊富にあります。今日は、階段や枠材を取った残りの端材を加工してセットにしました。サイズはバラバラですが、端材を捨ててはいけません!その必要部材を木取る時には、クラックに悩まされましたが、皮肉にも端材にはクラックは出ませんでした(これから出るかも・・・)。小さな事には気にしない大らかな心をお持ちの方、是非サザンイエローパインを使ってみてください。




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