森のかけら | 大五木材


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かなり以前から倉庫で眠っている【パープルハート】を整理しました。長さ2.6m~2.7mで、幅は100㎜~200㎜ぐらいの24㎜の板材です。乾燥は充分ですが、加重を掛けて押さえていたにもかかわらず結構カップ反りが出ています。とても硬い木ですから、鋸もかなり挽きいがみが多く、刃が震えていて厚みも不均一です。まあこういう硬い木はある程度のロスは仕方ありません。ロスといっても絶対捨てたりしません。そういう材は【ちょこっと端材】へ。パープルハートそのものは文字通り紫色の色合いが魅力的でクラフトなどでもワンポイントに使うととても引き立ちます。

その人気ゆえ価格も決して安いわけではありませんが、厚みが薄くなったり、長さが短いと必然的に用途も限定されますので、【ちょこっと端材】はお手頃な値段に設定させていただきました。サイズは本当に端材ですがクラフト関係の方、是非ご覧になってください。評判がよければ在庫はたっぷりあるので、また少しずつ整理してみるつもりです。国産材では出会えないような鮮烈な色です。この木の最大の特徴は、まるで人工的に染色したのではないかと見まがうほどの紫(パープル)の色合いですが、実は荒材の時と加工してからではまったく別の表情を見せます。

右の画像は、何も加工をしていない荒材の状態です。左の板に黒い染みのようなものが点々と付いているのは、製材する時に抵抗を減らすための油が付着した跡です。光線の反射もあるので、実際に肉眼で見るよりは少し淡く写っていますが、はっきり『紫色』を意識できる色です。う~ん、ファインダーを通すとどうしても実際の鮮やかな紫色が伝わりません・・・もどかしい!下の写真は少し水で表面を濡らしてみたもの。太陽の反射があって白っぽくなっていますが、これだとかなり肉眼で見た雰囲気に近いかも。

紫色といっても、紙にポスターカラーで書いたような綺麗な紫ではなく、少し褐色がかった濃い紫色といったところでしょうか。これを削ってみます。「あれ?」思ったほど紫色ではありません。むしろ荒材の時の方が紫が強かったような気がします。削った直後はもっとどす黒いどどめ色をしていますが、空気に晒されると酸化して次第に鮮明な紫色に変化していきます。瞬間的に色が変化するというわけではありません。1~2日外部に置いておくとかなり顕著に変化が見られます。

室内でも変化するまでにかなり時間を要するのですが、変わるのは変わります。板が重なっていたりすると、焼けてある所とそうでない所で夏の日焼けぐらい見事に差が出ます。こんな感じです。まだ削って数時間なので差が顕著ではないですが。勿論個体差もありますので、綺麗な紫になるものや淡いままの物もあります。また、木そのものが木の交錯が激しい木なので、そういう部分は逆目になったり毛羽立ちが出て、綺麗な紫にはなりにくいです。いつまでも紫色が保持できるというわけでもなく、経年変化でやや落ち付いた褐色に変わっていきます。今回【ちょこっと端材】用に加工した物もまだ淡い紫ですが、数日で鮮明な紫に変わると思います。ということで、週末にでも改めて撮影して【ちょこっと端材】コーナーにアップしたいと思います。しかし、パープルハートとはよくぞ名付けたものだと思います。

『〇〇ハート』と『ハート』が付く木は、案外多くて木の他にも『シルバーハート』(ロンギ)、『グリーンハート』などがあります。色彩感覚は国もよっても違うとは思いますが・・・。首を傾げたくなるよな物もありますがそれも楽しい。こういう原色系の色調が強い木は、一般住宅などではバランスが取りづらく、使いたくても使えないという事情もあますが、うまく効果的に使えばこれほど目を引く木もありません。あまり大きなサイズや特殊サイズは、価格も高くなりますが、在庫サイズであればそれほど高額ではありません。この素晴らしい『紫の木』に光りを当てていきたいと思います。

蛇足ですが、本日のタイトルは、敬愛するF.F.コッポラ監督の『ワン・フロム・ザ・ハート』からいただきました。コッポラの『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』、『コットンクラブ』などの大作も大好きですが、たまに気まぐれのように撮った、『ペギー・スーの結婚』とかこの作品のようなメルヘンチックな作品も好きです。映画作家・大コッポラが、映画少年に戻ったかのように嬉々として喜びながら作っているのが伝わってきて、何だかホッとした気持ちになります。それにしても当時のナスターシャ・キンスキーはため息が出るほど美しかったです。

個人的には、昔やっていた『サントリー・レゼルブ』のテレビCM。与謝野晶子の『やわ肌の あつき血汐にふれもみで さびしからずや 道を説く君』という詩に官能的なメロディがついていたアレです。40歳以上でないと分からないかもしれませんが・・・。キンスキーが男性を残し、走り去る車の中で涙を浮かべる場面。キンスキー眩いばかりの美しさと映像+音楽の素晴らしさにドキドキしながら観ていました。昔のCMは心に残るような素晴らしい物が多かったなあ・・・。話の最後の締めがキンスキーというのも、大人の色気漂うパープルハートにふさわしい。




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