森のかけら | 大五木材


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昨日の続きです。

e29885e382a4e38381e382a4e382ace382b71森のかけら】に加工している【イチイガシ】は、三新機械大成君から分けてもらった愛媛産の物です。昨日アップしたような巨樹は、使うものではなく見るものだと思います。そこまで大きくなくとも、そこそこの大きさの丸太はあるのでしょうが、特定の用途(薪とかクラフト細工とか)でもないと伐採したものが、なかなか廻ってきません。ブナ科は大別すると、ナラ類とカシ類に分類されますが、カシ類にはシラカシやアカガシ、ウバメガシ、そしてイチイガシなどが含まれています。この名前は知らなくても、『どんぐり』のなる木といえばなんとなく想像出切るかもしれません。

森のかけら】は35㎜角なので、直径150㎜もあれば何とか取れます。大きいのに越した事はありませんが、なるべくある物、手に入った物を使うようにしています。今回分けていただいたのが、200㎜ぐらいの大きさだったので、4つ割りにした後で角材に製材してじっくり半年ほど天乾させます。製作するときには、大体40㎜強に荒割りして乾かすのですが、イチイガシは収縮が激しく35㎜以下に縮んでしまって使えなかった物もありました。あらかじめもっと大きく割っておけばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、大きく割ると取れる数が減ってしまいます。ケチ臭い話ですが、この商品自体『ケチ根性』から生まれたものですし、なるべく無駄をなくしたいので、いつもギリギリを狙って失敗も多いです・・・。イチイガシのかけらを見てもらえれば分かりますが、端に芯の名残があります。これは、芯のところまでギリギリで加工した証です。芯が近くても使えるものは使っていますのでご了承下さい。

イチイガシは、他のカシ類と同様に粘りも強度もある硬い木です。成長すると樹高が30メートルにも及ぶ高木に成長し、幹もまっすぐに伸びます。その威風堂々とした姿から、神社や境内などに植えられご神木として崇められてきました。用材としては、そういう立派な大木ばかりを伐採するわけではありませんので、径の小さな物だと製材しても節の少ない良質なものが取れず、乾燥も難しく反りや割れが多く発生します。そのため住宅で建築部材として使われる事はほとんどありません。

20090711-e995b7e38184e6a78dしかし、使い方によってはその特徴を最大限に生かす事も出来ます。もっとも評価の高い用途としては、舟の櫓長槍の柄だといわれます。硬く強度があるうえに磨り減りにくいという理由によるものだと思われます。他にも鋤(すき)鍬(くわ)などの柄にもよく使われます。やはり長期間使っても摩擦や負荷に強いという事で好まれたようです。また火持ちがよい事から他のカシ類同様、としては重宝されています。

 カシ語源は定かではないようですが、木が硬いという事に由来しているのは間違いないようです。もともとは橿原神宮などの『橿』(かし)の字があてられていたようで、数あるカシの木の中でも取り分け信仰の対象とされたのは、やはり立ち木の荘厳さにあるのでしょうか。自社仏閣の多い奈良市ではこの木が市木に指定されているのも、信仰と関係があるように思われます。『イチイ』を『一位』と表記するのは当て字のようです。名前の由来は、最火樫(いちびがし)からきていて、意味はもっとも良く燃える木という事で、この説が有力とされているようですが、他にも諸説あるようです。

e6a3aee381aeefbc95e3818be38191e38289e291a1e381a9e38293e38190e3828ae381aeefbc95e3818be38191e38289いまのところ具体的な用途は思いついていませんが、癖の出ない程度の大きさに製材したもので、あるクラフト製品が出来ないか漠然と考えています。ただ材が安定して入ってくる見込みがないのと、乾燥に恐ろしいほど時間がかかるので気の長い話になりそうです。材の特徴から『握る』あたりがキーワードになりそうな気はするのですが・・・。何はともあれ材あってこその話ですが。ついでに商品PR、イチイガシは含まれませんが仲間の『どんぐりが出来る木』を集めた、【森の5かけら・どんぐりの5かけら】も好評発売中です。5種のミニ解説書付です。今後いろいろな5かけらを発売していきますので、ご期待下さい。




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