森のかけら | 大五木材


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20090715 夕焼け2ここ最近真夏日のような天候が続くせいか、夕焼けがとても綺麗です。綺麗というよりは夕陽の濃さに不気味ですらあります。日中もそうですが結構風が出ているので、雲がグングン流れていくので余計にドラマチックな画が次々と大空に展開されていきます。日が長くなったので、天体ショーはだいたい7時ぐらいから始まります。もっとも劇的なのは30分ほどですが、今日もなかなかの迫力でした。毎日撮っておきたいぐらい、日々の雲と夕陽のコラボは素晴らしいのですが、それでは『雲ブログ』になってしまうので、よほど面白い画像が撮れたときだけにします。

 

20090715 夕焼け3撮った時はうまく撮れたと思っていても、実際に肉眼で見るのとデジカメの画像で見るのとではだいぶ差があります。複雑な色が出ません。でも、本当はデジカメの色の方が正確で、私達の肉眼で見えるものの方が感情や情緒といった情報を受け、より扇情的な画として取り込んでいるのかもしれません。昔『夕焼け番長』という漫画がありましたが、何故だが夕焼けを見ていると泣いてしまう泣き虫番町の話でした。大空で繰り広げられるスケールのでかい天体ショーに我を忘れて没頭してしまい、綺麗な夕焼けを長い間見ていると誰でも妙にしんみりしてしまいます。

子供たちも一緒に見たのですが、肉眼で見ると山の方はもっと燃えるように真っ赤で、「お父さん、あの下で何か燃えてるん?」と心配するほどでした。目からいろいろな情報が入って、自分の経験に照らし合わせて、そこに物語性を作ってしまうものだと思いますが、木についても同じような感覚があるのではないかと思います。複雑な杢目の中に、動物の姿を見出して嬉々としたり、木目を何か別の物に見立てて銘木として珍重してきた文化があります。『葡萄杢』とか『鶉(うずら)杢』、『蟹杢』、『如鱗杢』、『孔雀杢』、『鳥目杢』などなど、こういう物の名前に関しては、先人達は造詣が深いだけではなく粋で遊び心に溢れています。木などのように歴史の長いものは尚更ですが、物の本質を捕えるだけでなく心をくすぐってくれます。

20090715 蟹杢

左の画像は、俗に『蟹杢』と呼ばれるものの不完全版です。もう少し形がいいと、蟹の甲羅のように見えるのですが・・・。高齢木のマツツガによく現れます。これは、【霧島栂】ですが、ツガは目が込んでいて厳しい環境で育つため、面白い杢目の宝庫です!いずれ、ツガの杢目だけで特集をします。この杢の妙味を活かせていないのが残念でたまりません。何か考えねば・・・。

 

 

雲にもいろいろな名前が命名されていますが、雲の形は10種類に集約されています。これは娘が去年、自由研究で雲の事を調べて教えてくれたのですが、国際的に10種類に決められているのだそうです。これは『積乱雲』など雲の形についてなので、『鰯雲』や『羊雲』といった情緒的な雲の名前とは別です。杢や雲も名前は、遠い昔一体誰が言い始めたのでしょうか。しかもそれが日本全国で大体通用するという事は、よほどその名前が的確に表現していて、いままさにその場面に立ち会った時に何の抵抗もなくスウーッと心に届いたのだと思います。粋な人がいたものだと思います。そういう事を考えるのが楽しめるような時代だったのかもしれません。机の前で頭をひねりながら出てくる名前だとは思えません。長く誰にも使われるという事は、賞味期限が長いということです。言葉にも命があります。やはり、物の名前は大切だと思います。心して名前は付けなければと感じます。




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