森のかけら | 大五木材


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20111119 1弊社が毎月発行している通信誌『適材適所』も今月でNO.161。この最近、発行が月遅れになってしまっていて申し訳ないのですが、それでもなんとか毎月発行は続いていて、足掛け14年になります。発行開始以来、初めてお会いした方へは挨拶も兼ねて、家具や内装材をご購入いただいた方には、その材をもっと深く知っていただくためのツールとして、木のイベントや本などを楽しみにされている方にはイベントなどの告知として、また塗料や自然素材のノウハウの紹介としてお届けしてきました。

 

20111119 2それが最大で月700部に及ぶに至ってさすがに完全無料化を泣く泣く断念。アナログな通信誌として送料をご負担いただく形となりました。長く続けていると、『適材適所』にまつわるエピソードも生まれてきます。初号を発行した時、まさかここまで続くとは自分自身も想像していませんでしたが、NOがひと桁の頃は発行数も微々たるもので、請求書に添える程度のものでした。なので、初号からずっと読み続けていただいている(送り続けさせていただいている)方はごく僅かだと思います。

 

20111119 3それでも中には、大切にファイルしていただいている方もいらしたりして、そういうお話を伺ったり、実際にそのファイルをお持ちしていただいたりすると嬉しくなります。先日も5年ほど前に、『桂のベンチ』を作らせていただいたお客様が、子供も大きくなったのでベンチをテーブルにリメイクして欲しいとご連絡をいただきました。当時まだ幼かった息子さんがベンチに座った姿を写真を撮らせてもらい、『適材適所』で家具特集の1枚に使わせていただいたのですが、その号をお持ちいただきました。

 

20111119 4変形の耳付板の桂を使ったベンチは、テーブルとして生まれ変わったのですが、打ち合わせの時にお預かりしていた息子さんの映った『適材適所』も返して欲しいと・・・。折り目のついて少し色ヤケのした5年前の『適材適所』でしたが、それは大切な思い出であるからと・・・不覚にも涙が出そうになりました。リメイクしたベンチの納品時に、掲載号のオリジナル原稿を改めてコピーして、子供さんの姿を大きく引き伸ばしラミネートした写真と一緒にプレゼントさせていただきました。

 

20111119 5送料代とはいえ、まがりなりにもお代をいただいているわけで、いつもそれに見合うだけのモノをお届けできているだろうかと自問自答しながら筆を走らせていますが、そこまで言っていただいて本当に執筆冥利に尽きます。長く続ける事が最終目的ではなく、それによってたくさんのファンを作ることこそが最終目的。桂の木は、人間の体温にもっとも近い木だと言われ、その肌感は木綿の肌触りとも表現されます。なので、決して堅い広葉樹ではないのですが、余程大切に使っていただいていたとみえて、ほとんど傷もついていませんでした。背板をカットして脚を少し短くして、第三の人生はテーブルとして生きる事になりました。学校から帰った息子さんはどう思ったでしょうか。お母さんが大切にしていたのは、そこに映った幼きあなたの姿。『適材適所』や無垢の家具がそんな思いをつなぐ媒体になれたとしたら本望です。




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