森のかけら | 大五木材


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今日のかけら・♯016【イブキ/伊吹(貝塚伊吹)】ヒノキ科ビャクシン属・針葉樹・岐阜産

本日、店舗の看板を探しに来られた方が、倉庫の中を探し回って見つけられたのが『カイヅカイブキ』の耳付き板です。この名前だけを聞くと、木の姿が思い浮かばない方もいるかもしれませんが、実はほぼ毎日見かけているといってもいいぐらい身近な木なのです。その名前に覚えはなくとも、街路樹、公園樹、生け垣として、天に向かって火炎状に勢いよく葉を茂らせた木の姿に見覚えはあるでしょう。それこそが、ヒノキ科ビャクシン属の常緑針葉樹『カイヅカイブキ』です。


漢字では『貝塚伊吹』と表わします。和名の『伊吹』は、滋賀と岐阜の県境にある伊吹山に産するビャクシン(柏槇)という意味だというのが定説ですが、伊吹山にだけこの名前が当てはまるのも考えれば妙な話しなので、何か深い理由があるのかもしれません。むしろここは、その音から類推して、古代に土器の底の穴にこの木の枝葉を敷いて食物を蒸したので、湯気を吹く木から、息吹き木(イブキギ)とされ、その後末尾のギは省略された語源説の方が説得力がありそうです。

先の『貝塚』という言葉についても、大阪の貝塚市に因んでいるという説もありますが、その貝塚市そのものからして地名の由来が明らかにされてないのでこれもまったく不思議。貝塚といえば本来は、食料などに使った貝殻の塚というのが一般的なのですが、いまだ当地においては貝塚遺跡も発見されてもいないという事で、地名の由来も謎なのです。貝は海の底にあるものですから、もしかしたら壮大で感動的な名前の由来物語が海の底で眠っているのかもしれませんが・・・。

さらに輪をかけてややこしいのが、「イブキ」と「ビャクシン」という2つの名前が浸透していること。江戸時代には別物の木とされて、それぞれに桧柏園柏という漢字が使われていたりとかなり混乱してます。柏という漢字は本来、コテノガシワという木の漢名なのですが、鱗片状の葉をつける木(ビャクシン類、ヒノキ類、コテノガシワ類、アスナロ類、イトスギ類)にも一般的に付けて使われてきた「伝統」があるので、扱いにくく、正直避けて通ってきた木の1つでもありました。明日に続く・・・




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