森の家 和桜と洋桜②

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森の家　和桜と洋桜②

3. 木の仕事 | 2014/08/07 PM11:56

少し間が空きましたが、ジョー・コーポレーション宇和島支店さんの『森の家』の続き。そのＳ様邸のメインコンセプトはサクラに決定。床材を国産の山桜にしましたので、天井材もサクラという事になりましたが、こちらは長尺材が必要という事でアメリカのサクラ、『ブラック・チェリー』を使う事にしました。こだわられる設計士さんの中には、何が何でも国産材でなければならないという方もいらっしゃいますが、量やサイズ、納期、価格の事を考えると、国産材では対応しにくい、対応出来ない事もあります。

それが材の特性に関わる事であれば、適性に欠けるものを無理矢理使う事は、材の特性を引き出すどころか過剰な負荷をかけたり、折角の持ち味を殺してしまいかねません。自己満足の追及のために、必要以上に無茶な提案をしないように心掛けているつもりではありますが、ギリギリを攻める冒険心や遊びも失くしたくはないという思いもあって日々葛藤中。今回は天井にもサクラという事で、２ｍを越える長さのものが１００数枚も必要になりましたので、アメリカ産のブラック・チェリーで対応させていただく事に。

やはり長い材を大量に揃えるという事になれば国産材では限界があります。当然コストと時間さえかければある程度は可能でしょうが、あまりに現実的ではなくなっては本末転倒。木材の調湿機能や視覚的快適性も考えると、高額な木をほんの少しだけ使うのではなく、高額な材でなくていいのである程度の量を使って材の特性を堪能していただきたいと考えています。まあ今回の場合は、ブラック・チェリーは外材だからといっても決して安価な材ではないのですが・・・それはあくまでもご予算やご都合次第。

階段にもブラック・チェリーを使用。段板は無垢の１枚板、廻り階段も無垢の幅剥ぎです。長さは短くとも、尺幅を越える節の無い幅広の材となると、やはりこれも国産材で揃えるとなると容易ではありません。後日改めてご紹介しますが、キッチン収納などもブラック・チェリーで作らせていただいているのですが、ここまで『サクラ』で揃えさせていただいたく事も滅多にあることではありません。照明の具合ではそれぞれ色合いが異なって見えますが素材はどれも同じ。これぞ正真正銘の『森の家・サクラ版』！