森のかけら | 大五木材


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20150704 1橘商店明夫君と待ち合わせ時間まで結構余裕があったので遠回りしながら工場へ近づいていったのですが、その途中の土佐堀2丁目付近で偶然こんな史跡に遭遇。それは明治時代の反骨のジャーナリスト・宮武外骨(みやたけがいこつ)の碑でした。自分の名前が大相撲の横綱の名前にちなんで命名されたことから変わった人名の由来とかが妙に気になるのです。「外骨」というおよそ心ある親ならば絶対つけないであろう衝撃的でインパクトにある強烈な名前からその存在は知っていましたが、まさか大阪の地でゆかりの碑に出会うとは。

 

20150704 2改めて宮武外骨について振り返ってみることにします。宮武外骨は香川県生まれ(現綾歌郡綾川町)で幼名は亀四郎。さすがに自分の子供に外骨なんて名前をつける親はいないでしょう。ちょっとホッとしたようながっかりしたような・・・。そういえば最近子供たちの将来を案じたくなるような珍妙奇抜なキラキラネームなる名前が増えていますが、他人事ながら歳をとった時に己の名前の事で自暴自棄になりはすまいかと心配になるほど。昔なら珍名としてクイズになったであろう名前をただ語呂や雰囲気、当て字で命名するのもいかがなものか。

 

20150704 3外骨の場合は、17歳の時に自ら本名を「外骨」に改めました。それは昨今のキラキラネームのような空疎な単に奇をてらったというものではなく、彼の生き様ともいえる強い反骨精神が溢れていました。中国の古い書物『玉篇』の中に、「亀外骨内肉者也」(亀は外骨内肉ノ者ナリ)という言葉があり、そこから自身の亀四郎の亀が「外骨内肉」の動物であることに因んで、骸骨(旧カナでは、ぐわいこつ)と改名。亀四郎という親につけられた名前を拒否することで何事にも屈せず新たな人生を切り開こうとしたのです。晩年、呼び方を「とぼね」と改名。

 

20150704 4木にもいろいろな名前や別名があり、本来の名前とは別に商業名やブランド名などいくつもの名前が乱立しているケースも珍しくありません。外骨ほどの主張はなくともそれぞれの名前の裏にはそれなりの歴史や意味が込められています。改名した外骨の存在が世に知られるようになったのが、大手新聞に対する強い反骨性と反権力に徹した政治批判を貫いた『滑稽新聞』の出版によってです。明治憲法の戯画をはじめ、政治家や政商などの風刺などを描き続け生涯10数度にも及ぶ禁固刑を受けるも決して屈せず、滑稽新聞本社の置かれた大阪においては圧倒的な支持を受け、のちにその地にこの碑が建てられたという事でした。外骨のモットーは、『威武に屈せず富貴に淫せず、ユスリもやらずハッタリもせず、天下独特の肝癪(かんしゃく)を経(たていと)とし色気を緯(よこいと)とす。過激にして愛嬌あり』。そんな外骨の名前を冠するような気骨ある木がないものかしら、『骸骨樹』とか『スカルツリー』とか・・・




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