森のかけら | 大五木材


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明石を立ってもう何日も経ったように思われるかもしれませんが、この間実はわずか数時間の出来事。明石から数えても2日。ようやく目的地である橘商店さんに到着しました。工場では明夫君が汗びっしょりになりながら、急ぎの出荷品の梱包中。明夫君のところは、先日このブログでも紹介した大阪木材産業発祥の地でもある西区において明治43年に創業全国的にも珍しい名栗の専門店として、現在4代目の明夫社長まで連綿と社業を継承している老舗の材木店です。町の中にあるとは聞いていたものの、本当に都会の中過ぎてビックリ。

田舎の愛媛の弊社です昨今は周辺にビッシリと家が立ち並び、加工機の音ですら苦情が出ないかと過剰に心配せねばならないほどに材木屋は肩身が狭いのに、明夫君のところは本当に街の中。土地の坪単価を聞いたら、安価な並材などを置いておけるような場所ではありません。それこそ昔は材木屋が軒を連ねる材木の町だったのでしょうが(記録によれば昭和7、8年の最盛期には500社を超える材木屋が集まり、西日本はもとより旧満州、朝鮮にまで商圏を広げていたとか)、戦後の区画整備などで多くが平林に移転されたそうです。

今では当地に残る数少ない材木屋のひとつが明夫君のところだそうです。名栗加工という特殊な仕事がメインなので、間断なくプレーナーや帯鋸が唸りを上げるような事はないようですが都会の中で木の仕事をするというのはそれなりに苦労も多い事だと察します。1階に保管されている材を製材した後は、2階で名栗加工されますが、2階には材をロープで引っ張り上げ下げ出来る滑り台が設置。決して大きな工場ではないものの至る所に工夫がなされていて、効率よく仕事ができるように整備されていているのには感心させられました。

残念ながら花紀京似の親父さんは当日は体調がすぐれないという事でお休みされていたので、伝説の名人芸は次の機会のお楽しみとなりましたが、明夫君の仕事ぶりが拝見できただけでも来た甲斐がありました。木に対する思いや木の仕事に対する姿勢など、電話やメールだけではどうしても伝わりにくいものってあるものですが、それも実際に仕事場を見させていたければ一目瞭然。愛おしそうに栗の話をする彼を見ていて、嗚呼、明夫君もすっかり木の魔力に魅せられてしまった哀しき同種であるのだという事を強く納得したのです




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