森のかけら | 大五木材


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20151231 3現地での木の情報や材の特性等については商社の担当者に尋ねてみたりするものの、伝言ゲームのようになってしまうのと、実際には現地でもそれらの木についての詳しい情報そのものが無いのかもしれません。それだけ中国は広く、樹種も多岐にわたり、名前の正式な名前すら分からないような木がいくらでもあって、その詳しい研究すらも行われず、またそこまで木に対する執着も関心もないまま、単に「売れるマテリアル」としか認識されていないのかもしれません。

 

そんな正体の怪しいものなのかと思われるかもしれませんが、例えばアフリカやアメリカ、ロシアや中国などすべての材についてその生産地にまで行って情報を確認することなど出来ません。そこは介在する商社や問屋を信用するしかないのですが、当然それが違法なものなどではないという最低限の情報はあるものの、私が欲しいのはそういう情報というよりは、その木にまつわる現地での伝承や用途についての話。それについては中国産に限らず、不明なものが多数。

 

20151231 2そういう状況なので、現地の工場の製造事情で突然にその種の商品が生産中止に陥ったり、急にまた再開したりすることも珍しくはありません。また使うほうにしても、絶対的にその樹種でなければならないという必然性があるわけでもないので、ようやく流通が安定して世間でその存在が認知され始めた頃になると、心変わりしやすく飽きっぽい設計士さんは、次々に新しい樹種を追い求められる傾向もあって、新しい樹種の『賞味期間』は驚くほどに短いものなのです

 

20151231 4 まあそういう大人の事情もあって、チャイニーズメープルのラスティックグレードは入荷が不安定となり遂に取り扱い中止に憂き目に。建築工期が短くなった現在、供給の安定は生命線であり、いつ入ると入らないとも分からないような商品を提案するリスクを追うことはできません。入り皮や大節、ヘアークラックなどがありながらも、表情豊かで堅牢でリーズナブルであったチャイニーズメープルのラスティック・フローリングには随分と世話になり助けられました。

 

20151231 5地域によってはマンシュウイタヤ(満州イタヤ〔カエデ〕)と呼ぶこともあるそうですが、扱い慣れた商品の突然の取り扱い中止宣言は心苦しいものがありました。しかし背に腹は代えられません。倉庫にまだわずかにその名残が少量だけあるものの、今後は事務所の床に貼られたその姿を見ながら、懐かしく往年の輝きを思い浮かべることになりそうです。年末大掃除で、最後にオイル塗装をして今年1年の労苦をねぎらいましたが、私の足元ではこれから長い付き合いとなりそうです。




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