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昨日の続きで、井部健太郎君の会社・久万造林の事務所の2階の物置から見つかった古い台帳について。大きめの段ボール箱一杯に、詰め込まれた古い台帳などが広げてありましたが、それが今から200年以上も昔の寛政年間の頃のものもあったのです。寛政時代といえば、11代将軍徳川家斉の時代で、学校で覚えた『寛政の改革』が思い浮かぶぐらい歴史の中の言葉ですが、その時代のものが目の前にあるというのは不思議な感覚。
さて、それだけ歴史ある古書だけに、シミの被害も結構なことになっていて、その時代時代の紙質によるところもあるのでしょうが、中にはすっかりシミの餌食となって、幾何学的な模様を刻まれているもののありました。久万の町史的にも貴重な資料なのかもしれないので、保管先も検討せねばということでしたが、個人的にはここにイチョウの栞を挟んでこれ以上シミの被害が広がらないかどうかを実験してみたいところ。
それらの資料の中に、古い山林地図もあったのですが、山主ごとに綺麗に色分けされてありました。それがどこのあたりを指示しているのか、久万の地理に疎い私にはさっぱりですが、見る人が見れば分かるようで、かなり小さな部分にも番地が割り当てられしっかり管理されていたことが伺えます。時代がいつ頃のものなのかよく分かりませんでしたが、当時はこの山がいずれ子孫たちにとって宝の山となると願っていたことでしょう。
残念ながら今のところ、先人達のその願いは結実したとは言えないような状況ですが、山の価値観が当時よりも低くなったというよりは、偏重しすぎた『森の出口』のつけがきていると言うべきかも。特に久万の場合は、スギ・ヒノキに偏った林業政策に舵を切ったことで、昔ながらの出口しか持たない者にとっては苦難の時代ですが、人の人生山あり谷あり。それよりもっと長生きの山の樹生にも苦あれば楽あり、先は長い。
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