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★今日のかけら番外篇・E27 【野胡桃/ノグルミ】 クルミ科モクルミ属・広葉樹・愛媛産
本日は、【森のかけら】に加えてあげることの出来なかった負い目から、ずっと気になっていた「もうひとつのクルミ」の話の続きです。ノグルミこと、『ノブノキ』について。ノグルミの名前の語源については昨日説明しましたが、(愛媛、高知あたりで)方言として使われる『ノブノキ』の語源については明らかではないようですが、高知県出身の植物学者の牧野富太郎博士によれば、漁網の染色防腐用のタンニンの原料として樹皮や根皮を利用していたため、野に生える渋みから。
つまり、「ノシブノキ(野渋の木)」が省略される形で「ノブノキ」になったのではないかというもの。愛媛県内では地域によっていくつかの呼び名があって、肱川町では「ミヤマグリ」。これは、樹皮にタンニンが含まれていることと、薪に使うと割裂しやすいことからクリの代用とされたためではないかと。また、わが故郷の西予市野村町では、「イヌセンダ」とも呼ばれますが(私は直接その名前で呼ばれるのを聞いたことはありませんが)、これは葉の形がセンダンに似ているからだとか。
高知県の一部の地域でも同様の方言名が使われていますが、梼原町では「ノブノキ」、あるいは「ノブ」と呼ばれていました。愛媛の南予一帯では「ゲタギ」とも呼ぶそうですが、それはこの木がかつて下駄に使われていたためだとされています。下駄に使われるということは、下駄の主材料のホオやキリなどと同じようにある程度軽軟であることが求められると思うのですが、弊社で現天然在乾燥させているノブノキは結構な重さがあります。しっかり乾燥すればかなり軽くなるのかしら?
調べてみると、その用途はサワグルミ同様に、マッチの軸木や薪炭、椎茸のホダ木など(樹皮は染料など)のようで、あまり実用的な木ではなかったようです。どういう用途があるのか考えずにとりあえず仕入れて乾かせている段階なので、しっかり乾燥するまでには出口も考えておくつもりですが、山の方に訊いてみても、「出会った時伐採の催促なし」という状況なので、安定的な用途には据えれそうにもないため、得意技である『レアな限定商品』という冠を与えてあげる事になるかも。
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