森のかけら | 大五木材


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091125_1640~0001ようやく朝晩が本格的に寒くなってきたかと思えば、日中急に温かくなってたり、最近季節感がどんどん分からなくなってきてます。それに合わせて、紅葉も遅くなっているようです。このままだと紅葉の本格的なシーズンは冬になって、季語も12月に変えなければなどど、いらぬ心配をせねばならないような・・・。数年前の改修工事の際に材料を納品させていただいた道後の常信寺さんでも、中庭の紅葉が鮮やかでした。かの時は、玄関付近の工事だったので奥の間に入れていただいたのは初めてでしたが、絵画のような素晴らしい景色に圧倒されました。

091125_1633~0001以前の工事では、『アカマツや『土佐栂』などの床材などを使っていただきました。久し振りにお邪魔すると、どちらも鈍い光沢が出て更に深みが生まれ、しっかりと常信時での時間を刻んでいました。『アカマツ』は、【信州カラ松の鬼】こと㈲ナチュラルウッド南波健一社長が作り出される渾身の床材で、使うほどに飴色になります。南波さんのアカマツの特徴は、しっかりした大胆な赤身と大柄な節とのコントラストです。在中にたっぷりと脂分を含んでいるために、時が経つほどに脂分が全体に行き渡り、飴色のような照りを生み出します。『土佐栂』は、踏みしめられるほどに冬目が締まって更に緻密な杢目が際立ちます。画像(左)のように少し黄身色に変化し、落ち着いたシックな雰囲気になっていました。素朴で柔らかみのある『アカマツ』に比べて、凛とした孤高の美しさが魅力です。お手入れが行き届いていて、大切に使っていただいているのが一目瞭然。ありがたい事です。

091125_1637~0001また、その後の改修工事でもご用命をいただき、トイレの造作にも木材をふんだんに取り入れていただきました。数年も前の工事なのに、まるでつい最近仕上がったように隅々までお掃除が行き届いていて、感心させられました。ここの床材も『土佐栂』ですが、本来『土佐栂』のフローリングは、素材そのものが貴重であるため、鰹の1本釣りのように節のあるなしに関わらず、きちんと仕上がったものは同梱されています。節も無節も合わせて使っていただく事で、洞や腐りなどの多い栂の原木を有意義に製品化できるのです。一般的には、それを混在させて貼られるのですが、ここでは節の大きな部分を水周りの足元に使われています。節の多い材は芯に近く、辺材に比べて赤身が多く耐湿性が高い事と、目の届きやすい客室に木目の密な無節材を意匠的に配置するという狙いです。それもあまり極端に配すると嫌味が出ますので、ほどよいバランスが大切だと思います。

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トイレの手洗いのカウンターには、岩手県産の『』の耳付板を使っていただきました。ご覧の通り、砥部焼の大振りの鉢を置かれる事が決まっていたので、陶磁との組み合わせで空間の雰囲気を損なわない物、また水周りに使用することから耐水性のある物という事で『栗』をお勧めしました。『』は素朴で落ち着いた雰囲気を醸し出し、自己主張の少ない控え目な木です。耳付材でありながら、極端な凹凸も少なく使い勝手も良いというのが何だか泣かせます。水には比較的強い木ですが、化粧で見せる場合は、材中にタンニンを含んでいるため鉄分に触れると赤茶に変色しますし、生地のままだと水にでも薄茶に変色しますので、しっかり塗装する必要はあります。それにしても、改めて砥部焼きの鉢が配された姿を見ると、木と陶磁との相性の良さには惚れ惚れします。やはり自然素材同士、気(木)が合います!




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