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『オリーブウッド』の話は一応昨日で終わりなのですが、そもそものオリーブの出口として想定されていた鰊(ニシン)のオイル漬けの事を調べていて、つい『好奇心の深み』に足を踏み入れてしまいました。それで気になった事がいくつかあって、それが不思議と『木』に多少なりとも関わりがあることばかりなので、もう少しだけ鰊の話を続けます。気になるキーワードは『なぜ鰊の大群が消えたのか?』、『鰊を運んだ北前船』、『鰊御殿』、『ヘリンボーン』の4つ。
まず最初の疑問は、春になると産卵のため沿岸に押し寄せ、産卵で近海一体の海が乳白色に染まるほど群れて、地域の経済を支えた鰊の大群がなぜ姿を消したのかという事。獲っても獲っても獲りきれないとまで言われた鰊の大群は、昭和29年に小樽と余市で確認されたのを最後にその群来は見られなくなりました。鰊はの大群がいなくなった理由はいくつか考えられていますが、どれもが絶対的な理由か定かではないそうです。最大の原因に挙げられるのが、継続的な乱獲。
いくらでも押し寄せてくる鰯の大群に対して漁獲制限なく獲っていたわけですから、いくら産卵するとはいえ全体の個体数が減るのは当然のこと。ピークであった明治30年には30憶匹とも40憶匹ともいわれる鰊を獲ったというのですから減らない方が不思議。それでもその後も結構な期間、鰊の大群が押し寄せてくるのですから、獲られれば獲られるほどに子孫を残すために子供を増やそうとする自然の防衛本能が働いたもののその限界を超えたなんてこともあるのでは。
今にして思えば、それだけ獲り続ければ鰊も減るだろうと想像できるものの、無尽蔵に押し寄せる鰊の大群を前に「もうこれ以上は獲るな!」と声を挙げることなどできなかったのでしょう。事が大きく動き出すとそれに携わる人、モノの規模も大きくなって、いろいろな事情やしがらみが発生してきて、回り始めた歯車は容易には止まりません。企業も同じこと、拡大路線を選択した企業は人や裳のを減らせなくなるのです。鰊漁、なんだかバブル景気に似て切ない・・・。
鰊が減ったのは日本だけではなく、海洋大国ノルウェーでも同じような事が起こったものの、およそ20年にも及ぶ忍耐強い科学的な資源管理を実施して、見事鰊は戻ってきたのです。他にも海洋環境の変化が考えられています。海水温や海流が変化して海が暖かくなったため鰊が来なくなったというもの。しかしもっと北に位置するロシアでその時期に鰊の豊漁がなかったことから、この説に懐疑的な学者の方もいます。そして三番目の原因が、もっとも気になる森林破壊!?
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