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鰊の大群が消えた理由のひとつに、森林破壊も関与しているのではないかという説もあります。明治以降、北海道の開拓が急速に進み、木材の大量伐採が行われ道内の森林環境が大きく変化したところに、洞爺丸台風が発生し(昭和29年)、森の生態系が崩れ、大量の土砂が海に流入し、沿岸部での植物性プランクトンが激減し、それを食べる動物性プランクトンも減少。そのため動物性プランクトンを餌にしていた鰊が減った、あるいは産卵場所の減少が原因とする説。
森から流れ出た栄養分が豊かな海を作ることはよく知られていて、現在多くの地域で漁師さんが植林活動を行われています。最初、この説を聞いたときは、材木をなりわいとする者のはしくれとしてドキッとしたものです。しかしこの説には懐疑的な声も多く、確かにそれも原因のひとつかもしれないが、根本的には乱獲によって絶対数が減ったことが主原因だろうと言われているようです。それでも森が弱ることで海を弱ることに違いはなく、大きな戒めとして自覚せねばなりません。
盟友・井部健太郎君とも最近、このことについて話をしていたところですが、林業の疲弊は山側だけの問題にとどまらず、多方面に影響を及ぼす大きな問題です。森と海との関係を簡単に説明すると、木の落ち葉(特に広葉樹)や落枝は微生物によって分解され、鉄分などと結合してフルボ酸鉄という物質ができます。プランクトンや海藻は、生育に必要な鉄を直接取り込むことができませんが、フルボ酸鉄であれば可能です。そのフルボ酸鉄は河川によって海に運ばれます。
河川には海の100倍とも1000倍ともいわれる鉄が含まれていて、海にまで運ばれたフルボ酸鉄はプランクトンや海藻が吸収し、そこから始まる食物連鎖によって豊かな海が出来上がるのです。また沿岸域に流出した落ち葉は稚魚の貴重な保育場所にもなるなど、文字通り海は森の恋人なのです。中でも広葉樹は、針葉樹に比べて樹脂成分が少ないため腐食にかかる時間が短く、すぐに腐植土となることから、海に栄養分を供給する機能が高いのは広葉樹と言われています。
また、腐植土は水を蓄えておく保水機能にも優れていて、地中に大量の水を蓄えておくだけでなく、土砂の流出を防ぐ機能も備えています。そのため腐植土が無くなってしまうと、大雨などが降ると、土砂が海に流れ込んで、海底の生物たちを覆ってしまうのです。その点からも、森が海に果たす役割はとても大きいのです。異業種とのコラボ商品の開発を安易な考えで行うことが多かったのですが、森との互換関係など背景をもっと深く切り込んで考える必要あると猛省。
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