森のかけら | 大五木材


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漫画『ちはやふる』の話を出しましたが、漫画のタイトルとなっているのは、小倉百人一首の撰歌「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくる」に基づいています。意味は、「世の中には不思議なことが多いものだ、神様が治められていた昔の時代にも、聞いたことがない。紅葉の名所である竜田川では、紅葉を散らして鮮やかな紅色に水を≪くくり染め≫にしているとは。ということらしく、≪くくり染め≫というのは、布を染めるための絞り染めという技法の事。つまり川の水が紅色に染まるほどの紅葉を表現しています。

作者は、非常に美男子で『伊勢物語』の主人公だとされている、『六歌仙』のひとりである在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)。漫画の作者である末次由紀氏は、漫画のタイトルの由来を、「本来は≪勢いが強いさま≫を表す、≪ちはやふる≫の意味を知った主人公が、それをかるた競技の中で体現していく物語なのだ」というような事を仰っています。紅色に染まるその情景を思い浮かべながら材木屋である私が気になったのは、その句の中に『紅葉』と『神代』という2つの木に関係するキーワードが含まれている点。

『紅葉』はさておき、気になるのは『神代』という言葉。在原業平朝臣の句では「かみよもきかず」と、神代を「かみよ」と読ませていますが、材木業界では「じんだい」の方が通ります。意味は同様に「神が治めていたほど悠久の昔の時代」ということで、昔に地中深くに埋もれてしまった土埋木(どまいぼく)の中でも、品質のいいものに冠せられるプレミアな言葉です。今では土埋木全般に対してその呼称が使われるため、いいものも悪いものもごちゃまぜにして神代と称せられて、ややプレミア感が薄れてしまっていますが。

そういう私自身も【森のかけら】では、『神代』を乱発し過ぎで申し訳ないと思っているのですが、一般の方に太古の浪漫を感じてもらうための分かりやすい入口として、あえてインパクトのある『神代』という言葉を使わせていただいています。【森のかけら】では、ケヤキ、スギ、タモ、ナラ、ニレ、ホウの6樹種について神代の冠を付けさせていただいています。その中の5種類を揃えた『神代の5かけら』は、マニアに喜ばれています。『ちはやふる』の話を書いていて、木はどういう形からでも絡んでいける稀有の存在であることを確信




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