森のかけら | 大五木材


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折角長い時間の中で刻まれた証なので、無くしてしまうのは忍びないし、この趣や味わいが好きだというオーナー夫婦のご意向で、表面の削り直しなどはせずに、全面の再塗装を施すことにしました。カウンターとテーブルに使っているには目の詰まった『秋田杉』ですが、たまたまその当時に秋田杉に強い材木屋とご縁があって、まとめて仕入れていたというだけで特別に秋田杉の仕入れに強いとかそういうルートがあるというわけではないのですが、長くて幅広の良質な大径木が揃うというのは魅力です。

その後、なかなか秋田杉とのご縁がなくて今は大きな秋田杉の板は入っていません。場所が場所ですから運送費だけでも結構な金額になってしまうので、余程ご縁がないと巡り合いは難しいかも。その当時、ブログでも秋田杉について触れています。自分でも当時の記憶を手繰り寄せながら読み返してみると、秋田杉の転換点は関ケ原であったと・・・。関ケ原に戦いに加わらなかった常陸の佐竹義宣が秋田への国替えを命じられ、それまで手つかずであった秋田杉の開発に着手。江戸城の改築などにも多く使われました。

その後、良質な秋田杉は秋田藩の財政を支えていくのですが、無計画な乱伐の影響で天然林は徐々に姿を消していきます。そんな中で将来を憂いた秋田藩九代目藩主佐竹義和は言います、「いま杉の苗を植えても茂木になるまでには少なくとも四、五十年後。急場の救いにはならぬ。しかし目先のことにのみとらわれていては、当藩百年の大計は成らぬ。余の代に役立たずともいつか”国の宝”となるときがくる。」と。そして本格的な植林に取り組み、日本三大美林(青森ヒバ、木曽ヒノキ)に数えられる礎を築くのです。

そんなドラマチックな背景を持つ秋田杉は、通直で節がなくて杢目が整っているといった特徴を生かして天井板などに活路を見出したものの、バブル崩壊後高級材が売れなくなり、再び秋田杉は大きな岐路に立たされています。そんな事を書いてから9年、秋田杉だけでなく日本の木材を取り巻く環境は大きく変わりました。当時はまだ声の小さかった『非建築分野の開拓』がすべての木に対して至上命題となりつつありますが、凸凹舎さんの新たな顧客の開拓にこの秋田杉たちが一助となれば幸いです。

凸凹舎 〒790-0003 愛媛県松山市三番町5丁目3−8 1F  営業時間 : 11時00分~20時00分 定休日:木曜日 電話: 089-986-6638 https://www.facebook.com/decobocosha/



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