森のかけら | 大五木材


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6年間ご使用になったクリ(栗)には多くの戦歴が刻まれています。輪染みも白熱した議論の末にコースターの存在すら忘れた結果に違いありません。ペン跡も急いでメモしなければならず下敷きを敷く間もなかったためでしょう。こぼれたジュースも、煙草の跡も、マジック跡も・・・でもご安心。無垢材ですからこの面を数ミリ削れば美しい元の姿に蘇ります。協議の結果、槍鉋仕上げには目をつぶり、表面を薄く削り直すことにしました。ここからは、門前の小僧(私)が腕を振るいます。

どこかで技術を習ったわけではありませんが、必要に迫られて仕方なくベルトサンダーを使い続けて20数年。自分なりにコツを会得して、簡単な加工なら自分でやってしまうようになりました。勿論鉋やホゾなんてことは無理ですが、ベルトサンダーならどうにか。それでベルトサンダーで番手を変えながら磨く(削る)こと数時間。元の新鮮な表情が板全体に現れてきました。槍鉋仕上げといってもそれほど深く削って凹凸をつけていなかったので、サンダーでどうにかなりました。

導管に粉が入ってちょっと分かりにくいのですが、かなりの美白です!木粉を丁寧に吹き飛ばして、この上に植物性オイルを塗り込んでいきます。元々オイルを塗っていましたが、ほぼオイルが切れた状態になっていたのでサンダーがほとんど目詰まりすることなく磨けましたが、オイルがまだ残っているとサンダーをかけてもすぐに目詰まりしてしまうのでご注意ください。オイルを垂らすと、黄金色にキラキラ輝くオイルがクリに染み込んでいって濡れ色になり、一瞬で表情が変わります

化粧して女優になる瞬間とでも言うか、まったく別人(木)になっていきます。テーブルなどの板を見てもらう場合に、材の一部を削ってオイルで試し塗りするのですが、その瞬間に施主さんの口から思わず洩れる「おお~っ!」という感嘆の言葉を聞くのが何よりも快感なのです!さあそうして全身をキッチリ塗装させていただき、最後に蜜蝋ワックスで仕上げとなります。槍鉋の跡がなくなったことで、随分印象も変わってきました。門前の小僧、どうにか習わぬお経を読み終わり。




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