森のかけら | 大五木材


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最近、よく商業店舗の看板の問い合わせを受けることがあります。主に飲食店なのですが、以前とは少しその傾向が変わってきてます。昔は、設計士さんや工務店さん、大工さんから、今度これこれこうしたお店が出来るので、カウンターやら造作材などが必要になるから、という話があって、仕事が後半に差し掛かった頃に、そういえば店の看板も要るそうだから用意しといて、というような感じで、仕事の最後の締めとして店の看板を納めさせていただくというのが常でした。それが最近は、内装や造作は終わった(居抜きなので触らない)ので看板だけ欲しいという話が急増。

これも時代の流れだと思いますが、ネットなどで調べられてお店のオーナーが何か看板に使える木はないかと直接訪ねれ来られるパターンも増えてきました。なので、どういうお店なのかをオーナーの口から聴いて、店の雰囲気を想像しながらご提案することが多いので、どうにかして店のコンセプトや店名などに絡めたり、半ば強引にでも結び付けてプラスアルファ感を出したいと思うこちら側としては、そこは寂しいというかちょっと物足りないところではあるのですが・・・。先日も看板のお問い合わせがあり選ばれたのがこちらの耳付きの

ちょうどサイズと形が適寸だったということもあるのですが、喜ばれたのは辺材に現れた荒波のような杢。実は表面が黒く汚れていて、私も削るまではこんな杢になっているのに気づきませんでした。材の表面に無数の小さな凸凹があったようで、あたかも打ち寄せる小波のような模様を描き出しています。杢の言い回しってひとそれぞれですが、私には凍てつくような寒い季節の波(冬濤/ふゆなみ、あるいはこれから雷神様が登場しようかというおどろおどろしい雰囲気の雷雲の始まりようにも、はたまた水墨画の雲海のようにも見えたりします。

この杢が〇〇に見える、いや私にはOOに見えるなんて、果てしもなく言い合えるところが杢の面白さのひとつでもあります。オーナーもその部分を気に入っていただきこの板に決めていただきました。恐らくしばらくの間は、来店されるお客さんとの間でもこの杢が何に見えるかが酒の肴となることと思います。常日頃はサイズや価格に振り回されることが多いのですが、こういうところで盛り上がったりすると、やっぱりもっと丁寧に一枚一枚の木の表情を観察して眠れる要素を引き出す事に留意せねば木に対して訳ないと思ったりするのです

 




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