森のかけら | 大五木材


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一体どれぐらいの時間をかけて試し尽くしたんだろうと呆れるぐらいに、さまざまな樹種から個別の特性を引き出してきたのが日本人の暮らし。連綿と継承されてきた「トライアイル&エラー」は時代を追うごとに研ぎ澄まされて、この用途にはこの木でならなければならないというルーティンが確立されてきましたが、それは同時に日本人の情緒が生み出した「木の出口」でもあったと思います。私は木の工業的な指数にはほとんど興味がありませんが、先人たちが育み語り継いできた木の物語は大好きです。そこに木の魅力が詰まっているから。

その物語は遠い昔に大陸から日本に木が伝わって来た時に一緒に伝播した話などに基づくものもありますが、その後日本風にアレンジされてすっかり根付いたものもあります。その用途を更に細分化させてマニアックなまでに活用方法を確定させてきたのは日本人の気質。そのDNAが私にも受け継がれ【森のかけら】を作らせたのだと思います。まあそういう考え方なので、出口を探る際にもヒントにしているのは昔からの用途です。桐といえば中国の古い伝説では、空を飛ぶ竜が天から舞い降りて寝そべった姿が琴になったと言われています

そのため、琴の部位には「竜角」とか「竜尾」、「竜足」、「竜舌」、「竜甲」など竜の名前がつけられています。という事は琴の音色は竜の鳴き声か?そんな竜の鳴き声を聴いてみたいというピュアな発想で作ったのが、『カラコロ木琴』。8角形の台座に10㎜刻みで長さの違う8種類のキリの板をボンドで貼り合わせると完成です。この中に木の玉を入れてクルクル回転させると可愛い音色がします。今までにもホワイトオークヨーロッパビーチなどで作ってきましたが、それらの硬質な木に比べると軟性なキリは軽くて軟らかい音色(竜のささやき)がします。

台座はミズナラですが、これはたまたま台座に合うサイズの短材のミズナラがあったからで、決して大きな材から木取りしているわけではありません。いずれ台座も適サイズが集まったら何種類か樹種を増やそうかと考えています。ボンドで貼って簡単に作れるのでワークショップなどで好評を博しているカラコロ木琴ですが、以前からいろいろな種類の木で作ってみたいと思っていたのですが、少しずつそれ用に貯めていて端材が揃ってきたので、今後いろいろな種類のカラコロ木琴を作って、それぞれの音色の違いを楽しみたいと思っています。




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