森のかけら | 大五木材


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さて今日は『キハダ』の材としての特徴について。昨日キハダの英語名が『アムールコルクツリー』であると書きましたが、その北限はロシアのアムール、ウスリー地方で、朝鮮半島、中国北部に分布する北方系の木ですが、いくつかの変種まで含めると、日本の九州地方まで分布が広がるようです。学名である『Phellodendron amurense(フェロデンドロン アムーレセン)』は、「アムール地方のコルクの木」という意味があるようです(Phellosがコルク、 dendronが木の意)。

私自身はそれほど大きなキハダを見たことはないのですが、比較的成長の早い木で大きなものになると胸高直径1m、樹高25mになるものもあるとか。私が扱ったことのある最大のものは、幅が600~700㎜程度の挽き材。見た目の印象は、少し柔らかなケヤキといったところでしょうか。内皮は黄色いのですが、材は単調な黄色ではなく芯に近い方は茶褐色で辺材は白身です。径級の小さな丸太でも白身部分はわずかです。時にケヤキに似たような『玉杢』も現れたりして、雰囲気のある材だと思います。

さて、キハダは昔からその色合いを利用して社寺建築の彫刻材や看板の彫材などに使われてきました。クワケヤキクリなどと同じ環孔材なので、その代替材という扱いが多いようですが、指物や茶箪笥、鏡台などにも使われてきて歴史があります。また杢目の面白いもは、床框や落とし掛け、床柱など和室の床の間材に意匠的に使われることもあります。ただそれほど多くの量が流通しているわけではないので、一般的にはキハダを目にする機会は薬用素材や染料ほどは多くはないと思います。知名度においては、材というよりも薬用としての方が高いかもしれません。

森のかけら】で日本の木が並んだ中においても、黄緑色のキハダは異彩を放っています。ケヤキやクワの代用としてではなく、キハダらしい用途を考えねばと思っています。私自身も今までには棚板やカウンターぐらいでしか活用していなかったのですが、今ちょど小幅のキハダも入荷していますので、その出口を検討中です。建築・家具材というよりも小物・クラフト分野で可能性が見えそうです。「薬」も切り口としては面白そうです!




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