森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

先日、町の木』の面白いところは、そういう小枝から葉っぱまで素材がまるまる手に入るという事を書きましたが、そうであればこそしっかりと骨の髄までしゃぶり尽くして使わせていただきたい。通常であれば手にはいらない、もしくは入ったとて手に余して結局処分してしまう小枝葉っぱですが、一般的に流通していない街路樹灌木などの『町の木』のそれであれば、何とかして使ってみたくなるというもの。というのも扱える機会が少ないから、折角手に入った時には自分で切断したり削ったりして材質や触感、匂いなどを体感しておきたいのです。

という事で、通常ならば歯牙にもかけない小枝も輪切りにしたり、小割して、材質を味わいながらもどうにか生かせないものかしらと『出口』を探ります。そうこうしていると自然発生的にたまってくるのがおが屑。小枝など樹皮がついたものをそのまま切断したりするので、その木のおが屑だけを集めても結構いろいろなモノが混じってしまって見た目にもよろしくない。という事で、『篩(ふるい)』にかけて多少なりともおが屑をより分ける事にしました。早速近所のスーパーに材料を買いに走りました。といっても枠部分の木材はいくらでもあるので、目細の金網だけ購入。

結構な量のおが屑をふるいにかけなければならないので、大きめの『ふるい』が必要だったので自分で作ることにしたのですが、そうなると腕が疲れないように枠材には軽い『キリ(桐』を選択。たっぷり入るように深さにも余裕を持たせて、金網をキリで挟み込みました。単純構造ですがこれで完成。本当はこれで金網の目の粗さが違うタイプのものを幾つか作ればいいのでしょうが、あまり凝った事を始めるといつも『森の砂』を作ることになって、本末転倒な事になるのが予想できるので、まずはこれぐらいの緩さで始めてみることに。

こちらは、近くのお宮で伐採された『ヤブニッケイ』のおが屑。小割した際に出た木粉を採集して天日で2週間ほど自然乾燥させたものです。すっかり水気も飛んでサラサラになっています。写真では分かりにくいかもしれませんが、結構「不純物」が混じっていて、ちょっとこれでは草木染めやサンドアートならぬウッドアートするにも不適。この網目で果たしてどれぐらいふるい分けられるのか?何事も体験です。やはり1度では少し大きめの木の皮などは網目をすり抜けてしまいます。ちょっと金網の目が粗すぎたのか?

何度かやっているうちにコツがつかめてきて、モッタイないといつまでもふるっているとすり抜けてしまうので、少し早めに見切りをつけて、それを何度も繰り返すことに。そしたらかなり不純物がこされてサラサラした木粉になりました。量は減ってしまうものの、見た目にも触った感じもかなり理想に近いものになりました。これもあまりやり過ぎると、何が主役で何のためにやっているのか、本末転倒になってしまうので、ほどほどのところで切り上げる事に。まずはいろいろな木の種類を増やすことが先決と、調子に乗ってその日のうちに4種類も仕上げてしまいました。

 

本当は、端材がモッタイナイと言うよりも、匂いの強い木、あるいは匂いの個性的な木、色目の面白い木のおが屑が何かに使えるのではないかという発想から始まったおが屑を採集ですが、いろいろな樹種のそれが集まってくると、多樹種異常反応症候群が強く刺激されます!とりあえあず今のところ20種類ぐらいのストックは出来ているのですが、きちんと商品と流通させるためにはもう少し味付けが必要。ただの『篩にかけたおが』という素材だけで売ってしまうのはあまりにモッタイナイ。もう少し先の出口を探ってみたいと思います。




手に入った丸太は速やかに「解体作業」します。寒伐りなのでこの時期だと少々ほったらかしておいても大丈夫なんですが、水分が抜けると製材しにくくなるので、なるべく水分が多くて刃が通りやすいうちに製材するようにしています。というのも油断していると次から次に丸太が入って来て、狭い土場だとどれがいつ頃伐った何の木なのか分からなくなってしまうから。という事で、今回も『サカキ』をチェーンソーで短めにカットしてから、手押しで少しだけ面を取ってから芯でザックリと割っていきます。少々節は絡んでいても十分な大きさ!

以前は、何を作るか決めてなくて、とりあえず芯を外してなるべく長いままで精一杯大きなモノを取っておこうという考えで製材していました。しかしそれだと結局出口も定まらずいつまでもそのままで、やがてねじれたりして使い物にならなくなった事もあったので、今は【森のかけら】用とか、少し大きなモノは『森のりんご』用、薄いモノは『ストラップ』用などと具体的な出口を設定して短めにカットしてねじれのリスクも軽減させながら製材するようにしています。木の質や杢を見て瞬時に何にするか判断しながら製材。自分で挽くからこそ思い通りのサイズに挽けます。

そして角材、板材いろいろなサイズに挽いた後は、急速な乾燥による割れを避けるために小口にボンドを塗って、桟を入れて風通しのいい日陰で天然乾燥させます。後日ボンドが乾いたところで、忘れないうちに小口に伐採した日付と樹種名、伐採場所などをマジックで書き込みます。この時、小口がザラついているとマジックで書きにくいので、両小口ともスライド丸鋸で切断しています。数があると結構面倒な作業なのですが、これが大事。ここまでしておけば混乱することもないし、なにより粗末に扱えなくなります

材の方はここまでやれば、後はじっくりと乾燥するのを待つばかり。目安としては1年ぐらい先に使えればいいなと考えているので気の長い話。その頃にはどこでどうやって手に入れたのか記憶が曖昧になるので、こうしてブログに書き残しておくのも大事なことなのです。今回はサカキという事もあったので、枝葉もいくらか残ったままもらってきました。枝葉は捨てることなく事務所の神棚に。市場とかで仕入れれば枝葉などありませんので、こういうのはビーバー救出隊ならでは。お陰で最近は葉っぱにも目がいくようになってきました。

長さをカットするときに発生するおが屑だって無駄にはしません。今までも大量に発生したおが屑ですが、モッタイナイと思いながらも活用方法を見出せず結局廃棄してきましたが、今では『森の砂』という大義名分が出来ましたので、堂々と採集することも出来ます!特にサカキのおが屑は匂いに特徴があるので、染色材としてだけでなく、香料として使えそう。小枝も輪切り丸太にして名札やコースターにする(その際のおが屑も)と、ほぼ捨てるところなく使うことが出来ます。折角ご縁のあった神様に近い木、しっかりと骨までしゃぶり尽くして使わせていただかねば不謹慎!

 




本日も『サカキ』の話。漢字で書くと『』あるいは『栄樹』と表わされますが、これは文字通り繁栄を祈って神に捧げる木という意味で榊は国字。字画も多くてちょっと難しい字ですが、私には子供の頃から馴染みがある字でした。というのも、私が小学生の頃の阪神タイガースの内野手榊原良行という選手がいたので、野球ゲームに夢中で自分でスコアまでつけていた私は、榊という漢字をそれで覚えました。愛媛県にも榊原さんはいらっしゃると思うのですが、私の住んでいる地方では聞いた事が無かったので、子ども心に格好いい名前だな~と思ったものでした。

 

榊原といえば、『森のしるし』で戦国武将の家紋シリーズを作っている時のこと。戦国大名シリーズも名のある戦国武将を10人ずつまとめて第二弾、第三弾と作ってくると、さすがに歴史や武将にある程度は興味が無いと分からないような武将も混じってきます。私は戦国武将大好きで子供の頃からそういう関係の本を愛読していましたが、あまり知名度が無い武将を含めると、「誰?」ってことになるので人選に悩んでいました。武将によっては同じ紋、あるいは似た紋を使っている事もあって、それは避けたいところ。

第三弾の際に10人の中に加えようかどうかで迷ったのが「榊原 康政」。徳川四天王・徳川十六神将・徳川三傑に数えられる武将なのですが、歴史好き・武将マニアとかでないとご存じないかも。その榊原康政が使っていた家紋が、『榊原源氏車』というもので、それは平安時代の貴族たちが乗る車(のタイヤの部分)」をデザインしたものをアレンジした榊原家特有の紋。かぶりが無い紋は魅力だったものの、メジャーではない榊原康政が果たして通じるかどうか?それと丸い紋というのがネックでした。

『森のしるし』の場合、コストを下げるためにスタンプで紋を押しているのですが、丸い台木に丸い紋を押すと少しのズレでもよく目立つので、なるべく丸い紋は避けたいという心理も働き、結局榊原 康政は外すことにしました。次に第四弾を作るとなった時にも恐らく悩みどころとなりそうです。サカキの木はすぐに製材して【森のかけら】や『森のりんご』が取れるサイズに転身しましたが、製材しながら榊原 康政の事を思い返していました。折角神様からいただいた木ですので、このサカキで何か名前に由来する商品考えてみようかしら。サカキの話、明日も続く・・・

 




いろいろなモノづくりをしていると、はからずも生み落としてしまうB品。それをB品と呼ぶのにも抵抗はあるものの、話が面倒になるのでとりあえずB品として話を進めます。中でも【森のかけら】のB品は、『夢のかけら』として(30種セットで税別の¥4,000)、割れせんべい並みに本家を凌ぐような人気を得ているのですが、問題はそれ以外。それらもオンラインショップでは『アウトレット』として細々と販売はさせてもらっているものの、試行錯誤していた初期の頃のB品が大量に在庫として山積みされていて、ちょっとやそっとでは山が低くならない・・・

毎年決算月である3月が近づいてくると、その在庫の山を見て憂鬱になったしまうのです。作ったこと(出来てしまったこと)への悔いはないのです。それよりも、表舞台へ出してあげられなかったこと、誰かに喜んでもらえるモノにしてあげられなかった事に対する懺悔の念が強い。端材を活かしたモノづくりを、なんて謳ってみたって、それが最終的に誰かの手元に行って役に立つとか、喜んでもらえてこその話で、それが出来ていないならば絵に描いた餅。そういう事もありましてどうにかして彼らにもうちの倉庫以外の風景を見せてやりたいと思いまして新商品を企画。

そうです、こういう時こそ詰め合わせセット!『夢のかけら』☓1セット(写真はサンプルです。中身は異なります)、森のりんご』☓1個・クロガネモチ(樹種限定、座面の番号はありません)、森のこだま』☓4個・・・山桜、ブラック・ウォールナット、桧、赤松(樹種限定)、木言葉書』☓2枚・桂、サクラ(旧仕様)※写真は桂2枚ですが実物は桂とビーチ、円き箱』☓1枚・タモ(樹種限定、旧仕様)、森のしるし』☓5個・戦国家紋からランダムに5個、円い森』☓4・・・ビーチ、メープル、ミズナラ、カツラ(樹種限定)

すべて加工中に少し傷がついたり、磨きムラができたり、旧仕様品などで仕様が変更されたものなど、なにかしらの訳あり品です。A品の上代ならば総額で¥19,000相当の商品ですが、すべて訳ありのB品という事で、『森のかけら』シリーズを知っていただく入口として¥9,500の特別価格で販売します(消費税と送料は別途)。まだうち倉庫の中しか知らぬ彼らに外の世界を見せてやろうと思われる奇特な方いらっしゃいましたら是非お願いします。ご注文の場合はオンラインショップの『アウトレット・OUTLET』からお願いします。

 




さて、『椿三十郎』の時代背景の根拠のひとつとして、第二代将軍であった徳川秀忠は諸国から変わった椿を集めて吹上花壇で栽培させた様子が屏風などにも描かれていて、『園芸好きの将軍』として知られている事もあります。映画では、名前を訊ねられた三十郎が、屋敷の椿の花を見て「名前は・・・椿三十郎、まぁもうすぐ四十郎だが」と名前をでっちあげてしゃっれけを見せる台詞があります。また奇襲攻撃の合図として椿の花を川に流すシーンもあり、タイトルだけでなく実際の椿も登場してきます。用心棒の時は桑畑三十郎と、いずれにも木の名前がつくのが私としては嬉しいところ。

 


この映画自体はモノクロなのですが、川に沢山の椿が流れる場面では椿だけ赤くパートカラーにしようという案もあったのですが、当時の技術的な事情で実現できませんでした。もしも椿の花だけが赤く染まっていたら、更にインパクトのある場面になっていたと思われます。この場面に関しても、沢山の椿の花が流れる=沢山の首を取る、という事が暗示されているようで、もうすぐ四十郎だとおどけた際の椿からは一転して、椿が死をイメージさせる小道具として使われ、作品に緊張感をもたらせています。そういう意味でも椿が深く印象に残ります。

 

モノクロの中で部分的にカラーを使うという発想は翌年の『天国と地獄』で実現するのですが、その話はいずれ改めて。『椿三十郎』は三船敏郎演じる三十郎のキャラクターからしてどこかユーモラスで、どこか間の抜けたような人のいい若侍達(加山雄三田中邦衛など)の描写などからも作品自体は明るく『痛快時代劇』という雰囲気なのですが、その雰囲気が一変するのがラストシーンの三船敏郎仲代達矢の一騎打ち。向かい合った二人が動いたと思った瞬間、勝負は決して吹き上がる血飛沫する。映画史に刻まれた名場面です。

 

 

まだ観たことが無い人にはネタバラシで申し訳ないですが、古い映画なのでご容赦いただくとして、この場面では仲代達矢の体にホース繋げられていて、ポンプ仕掛けで血を飛ばす事になっていました。カメラに映らないところから、合図でスタッフがポンプのスイッチを入れるはずが、加減が悪く血が想定以上に噴出したらしいのですが、それを見た黒澤明監督が迫力があっていいと、OKを出したため生まれた名場面であると、ラジオで武田鉄矢さんがラジオで語っておられました。怪我の功名というやつでしょうか。

公開当時は、例え動脈を斬られたからといって、壊れた噴水のような勢いでそこまで大量の血が噴き出すかという事で論争になったそうですが、真面目な時代だったんでしょう。野暮な事を言ってはいけませんと思ったりしますが、映画に対する信頼性もあった時代らしい話だと思います。という事でツバキについていろいろ書いてきましたが、大きめの材が得にくい事もあって、木材そのものよりも物語としてのツバキに終始してしまいました。材質は緻密で滑らかで光沢もあり、材としては非常に優れています。自分の住む市の木でもあるので、小さなモノでも何か商品化していきたいと思っています。

 




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2026年1月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
Scroll Up