森のかけら | 大五木材


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★今日のかけら・#063 【神代朴/ジンダイホオ モクレン科モクレン属・広葉樹・宮崎産   20140609 1特別、土埋木ばかりを集めているわけではないのですが、長い事この仕事をしていると、こういった歴史の遺産に出会う事も多く、ついつい手を出してしまい気が付けば知らず知らずのうちに手元に集まっているという状況です。木が腐る条件の『適当な温度』から考えても、一般的には北海道東北などの寒冷地で発掘されることが多いとされています。実際にも弊社にある土埋木の多くも北海道産、東北産が中心です。以前旭川に行った時にも、製材所の土場にズラリと並べられた土埋木に圧倒させられました

 

20140609 2ここ愛媛県においても稀に土埋木が発掘されることがありますが、かなり朽ち果てた状態で掘り出されることが多く、用材としての利用価値は少ないようです。もっとも土埋木そのものは、長年地下に埋まり数百年ぶりに大気に触れるのですから、急激な乾燥によって収縮変形が発生し、想定外のねじれや暴れ、クラックが発生してしまうため、精度が求められる建築・家具用材としては不向きではあるのです。むしろ歴史のタイムカプセルとしての味わいを楽しむ装飾的用途で使われる場合が多いようです。

 

 

20140609 3温暖な地方では土埋木は出ないのかというとそうでもなくて、弊社には宮崎などで発掘された土埋木も幾つかあります。条件次第では全国各地で発掘されていますが、ものがものだけに一般的な市場に流通しにくく、マニアックなルートで流れるという傾向にあります。弊社の在庫の中でも、その用途がかなり限定されるであろうと思われるのがこちらの宮崎産の『神代朴』。 いかにも土埋木らしく、立木が押し倒され弱い白太部分が腐食し、赤身の部分とその周辺が残ったというマニア垂涎の変形もの。

 

 

20140609 4腐食により古地図のような趣きが出て来て、これはこれで面白いものの、かなり劣化も進行していて用途が限定されます。ちなみに土埋木の中でも、特に杢目や色合いなどに趣きがある材についてのみ、神の代(みよ)から眠りについていたという意味で『神代』という冠言葉が付けられるわけですが、私はその忍耐の歴史に敬意を表し、なるべく神代という言葉で形容するようにしています。材木屋が『語ることでこそ価値の出る木』だと信じているからです。こんな神代朴にも先日お声がかかりました。

 

20140609 5いろいろな神代木からお箸を製作されていらっしゃる方からご注文をいただき、このうちの1枚が箸になるべく倉庫から旅立っていきました。どういう仕上がりになるのか楽しみですが、なかなか使い道を見いだせなかった材にスポットライトが当たるのは嬉しい事です。ポンペイの町には木が少なかったのかもしれませんが、それでも幾らかの木も埋もれたはずでしょう。ローマの美術品に比べれば取るに足らない価値しかないと思われたのかもしれませんが、ポンペイの神代木、見て見たかった・・・。




今日のかけら・♯156【ササフラスSassafras クスノキ科・広葉樹・北米産

本日は『ササフラス』を加工しました。余程北米材に精通された方でなければ聞き慣れない名前かもしれません。クスノキ科の広葉樹で独特の芳香がある木として知られています。ササフラスという名前は、近縁関係のない種々の木材にも使われていて、有名なのはオーストラリア産の『タスマニアン・ササフラス』。『サッサフラス』と表記されることもありますが(発音上はその方が正しいのかもしれませんが)、弊社では『ササフラス』に統一させていただいています。

弊社が在庫しているのは、北米東部原産のもので、その強い芳香から『シナモンウッド』の別名もあります。木目の雰囲気はホワイトアッシュに非常によく似ていて、色あいはアッシュよりもくすんだ灰褐色、私には淡くにぶい緑色も混じっているように感じます。雰囲気はアッシュに似ているものの木目そのものは凡庸で、アッシュよりもやや柔らかく、あまり強度を必要とする用途には使われない傾向にあります。ただ加工性は非常によくて扱いやすい木の1つです。

ササフラスについては、クスノキ科に多い傾向ですが、その材よりも香りの方で有名かもしれません。原産国のアメリカにおいては、乾燥した根皮から抽出されるササフラス油が、香料として利用されています。また、その葉を粉末にしたフィレ・パウダーは、アメリカの伝統的なケイジャン料理にも使われています。他にも薬用とかアロマセラピー用のフレグランス、エッセンシャルオイルなどにも生成されていますが、加工するだけでも工場に妖しげな大人の香りが漂います。

製材したおが屑やプレ―ナー屑からも、鼻にツンとする香りがして、捨ててしまうにはモッタイナイ!ただ今のところそういったいい香りの木粉を利用できるアイデアがないので仕方なく焼却処分していますが、特にクスノキ科やバラ科の木を加工した時は、そのおが屑やプレ―ナー屑すらなんとも愛おしく感じてしまうのです。かといって、いつか何かに使えるだろうとビニール袋に溜めた「香りのいい材」も既に数10袋にもなっていて、結局香りは煙になってしまっています(汗)。




先日、四国では柏餅を包むのに「カシワ」ではなく「サルトリイバラ」を使っている事をアップしましたが、本日はそのサルトリイバラについての話。日本では古来から『食物を包む素材』として植物の葉が使われてきたのは周知の事実。身近な里山で簡単にかつただで手に入ったということ、使いやすく処分も容易、木の根や幹に含まれていて葉から放出されるフィトンチットの効果で殺菌作用や消毒作用があることから衛生的であることなどが主な理由に挙げられます。

葉を使った伝統的な料理としては、朴葉味噌柿の葉寿司、桜餅などがありますが、柏餅もその1つ。その柏餅は、文字通りカシワの葉で包むのが元祖で、カシワの葉が少ない西日本ではその代替としてサルトリイバラの葉が使われてきたのだとばかり思っていましたが、実はこれ大きなが勘違い!本当は、西日本一帯で容易に入手できるサルトリイバラの葉が使われていたのだが、関東では入手しにくいのでカシワの葉で代用するようになったのが真相らしいのです

前回、葉が枯れてもほとんど落葉せずに新芽が出る春先まで残ることから、『葉森(はもり)の神さまの宿る木』として庭に植えられると書きましたが、その様を上司に対する忠誠心や縁起の良さとオーバーラップさせ、カシワの葉で餅を包もうと喧伝したのが始まりで、それが武士の世界で受け入れられ、今ではそれがすっかり広まり「柏餅=カシワの葉」というイメージが全国に広まったというのです。これも商品の背景を深読みするのが好きな日本人らしい話でしょうか。

朴葉味噌の『ホオ』の項でも以前に書きましたが、『古来より、食物を盛るための器として使われた大ぶりの葉の事を総称して、カシキハ(炊葉)と呼んでいたようで、これが転じてカシハになったのだとか。つまり、古来カシハを名乗る植物の大部分が、その葉で食物を盛るのに用いられたのではないかという説』 があるように、カシワやサルトリイバラに限らずたとえどの木の葉で餅をくるんだとしても、歴史的にはそれを柏餅と呼んで間違いではないのだそうです

最後に、愛媛ではほとんど見ることの出来ないカシワですが、古い愛煙家には馴染みのある方も多いかもしれません。北海道美瑛町にあるこのカシワの木が、昭和51年にセブンスターのパッケージに使われたことから『セブンスターの木』として観光名所にもなっています。以前北海道の旭川に木を見に行った時に是非行って見たいと思っていましたが、北海道の広さをなめていてとても時間が足りず断念した過去があります。いずれ是非訪れてみたい場所の1つです。




今日のかけら・#029【柏/カシワ】ブナ科コナラ属・広葉樹・北海道産

弊社で発行している通信誌『適材適所』で、5月になったら必ず書こうと思い温め続けておきながら結局未だに書けていない5月にまつわる木のネタがこの『カシワ(柏)』です。そう、柏餅を包む葉として日本人なら知らない人はいないカシワですが、実は以外と思われるかもしれませんが、「カシワは、四国では数か所で自生もしくは自生状態のものが報告されている」程度で、カシワの葉どころかそのカシワそのものの木を目にすることすらもほとんどないのです。

じゃあ、柏餅の葉っぱはどうしているのかというと、愛媛においては定番のカシワではなくて『サルトリイバラ』の葉を使っているのです。子供の頃は、中身の方が大事で、葉っぱになど目もくれませんでした(昔は、葉にも木にもほとんど関心の無い子どもでしたので・・・)が、いつ頃からかなんで自分が口にする柏餅とTVなどに出てくる柏餅の印象と違うのか不思議に思っていました。それが愛媛だけの習慣なのかカシワ貧困地域の定番なのかについては 後日改めて。

森のかけら】のカシワについては北海道から分けていただいていおるのですが、わが愛媛ではあまり自生してない事を知ってちょっとがっかりしてしまい、『適材適所』で5月の代表樹として取り上げる気持ちも減退していたのですが、少し前に実家に帰った時に山林を歩いていたら、この葉っぱを偶然見つけたのですが、これって『カシワ』では?!とドキドキしてよく観察してみると、足元に見たことのあるどんぐりの残骸が・・・。そう『コナラ』の葉っぱでした。

日本に自生するナラ類には、ミズナラコナラ、ナラガシワそしてカシワなどがありますが、用材で流通しているのはほとんどがミズナラで、それ以外のナラ類についても樹種ごとに詳しく区別せずに『ナラ』として取り扱われるので、市場などで『カシワ』の材を特定して買うのは難しいのではないかと思うのですが、カシワが多い地域などでは選別しているのかもしれません。全国各地のいろいろな知り合いに聞いてみたのですが、今までご縁がありませんでした。

【森のかけら】サイズ程度の大きさとボリュームであれば、伐採段階で仕分けしていただけるのですが、家具などに使えるような大きなものになるとなかなか難しいようです。カシワの葉っぱは、葉が枯れてもほとんど落葉せずに新芽が出る春先まで残ることから、『葉森(はもり)の神さまの宿る木』として庭などに植栽されることも多いそうで、柏餅に始まりエピソードも多彩なのですが、大きなサイズの実物が入手出来たら、改めて詳しく解説させていただきます。




20140505 1私は数値やデータに弱い人間で、木の話をする際にも数値よりも民間伝承や逸話などを紐解き、本当のような嘘の話や嘘のような本当の話をする方が好きなのですが、公共工事や住宅など長い期間にわたり安心・安全を担保する場面においては数値やデータという裏付けが重要な意味を持ってきます。カラマツの持つ驚異の耐久性や摩耗性などについては、多くの産地や研究機関でも実験・検証がされていて、だからこそこうしてカラマツが土木資材・建築資材として全国に普及しているわけです。

 

20140505 2そういう背景があるからこそ私も自信を持ってカラマツを薦めることが出来るわけですが、情報としてのデータ以上に確信を持てるのは実際に自宅で使って体験・体感しているという事。それと数十年にわたり、ものづくりの現場でカラマツに携わらてきたプロフェッショナルなオッサン達の熱意と誇り。ああ、私が惚れ抜いたこの人たちがそこまで言うのなら、もう何も言うまい!そこまで熱くなれるものを私も持ってみたい、と思いながら関わり始めたカラマツとも20数年の仲になりました。

 

20140505 3先日ご紹介した木工枠は、一部ではその姿形からゴリ枠、ゴリ檻(つまりゴリラをいれておけるほど強固で頑丈という意味!)とも呼ばれているそうですが、そんな事を耳にしてしまうと、ズラリと居並ぶ木工枠の中に咆哮するゴリラの姿が見えてしまうではないですか〜?!そういえば、映画「猿の惑星」で、サルたちに捕まえられたチャールトン・ヘストンが閉じ込められていたのは木の檻(ゴリ檻)ではなかったかと思い調べてみましたが、残念ながら鉄製。日本が舞台ならゴリ檻だったことでしょう。

 

Exif_JPEG_PICTUREそのカラマツですが、経年変化で美しい飴色に変身するフローリングとしてだけでなく、優れた耐久性や水にも強いという特性を活かして、外部の壁板としてもよくご利用いただいています。こちらの画像はワンズ㈱さんで使っていただいたもの。 マホガニー色に着色してあります。外部に使用する場合は、耐水性に優れた樹脂分を残すためにあえて天然乾燥にこだわっています。本来もっと早い時期に『今日のかけら』で触れておきたかったカラマツでしたが、ようやくその思いが叶えられました。

 

Exif_JPEG_PICTUREその分、異例の長期になってしまいましたが、私に無垢内装材の面白さを教えてくれたのもカラマツであり、ものづくりの背景やそれを作るひとの思いなどについて深く考えるようになったのもカラマツがきっかけでしたので、思い入れもたっぷりありました。今にして思えば、20年前のあの日、木童の木原さん南波さん、そして長野のカラマツとの出会いがなければ、今こういう形態の材木屋になってはいませんでした。愛媛でひとりでも多くの『南波カラマツ』のファンを増やすことが私なりのご恩返しだと考えています




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