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昨日何気なくテレビを見ていたら、「お江戸ミステリー!家康が最も怖れた仕掛け人」という番組のCMが流れていて、その日の15時から放送とありましたので、これは観ておかねば!と気合を入れて視聴しました。私、こういう掘り下げ方とキャッチコピーに弱いのです。内容は、江戸時代に活躍した天才的クリエイターたちのダイナミックな人生にスポットを当てたもので、中井正清という大工、松尾芭蕉の別の姿、栗山膳四郎という料理人などを取り上げ再現ドラマ仕立てで紹介したものです。
以前に、わずか3年で灰燼に帰した幻の名城・安土城を築城した棟梁・岡部又右衛門の事を描いた山本兼一作の『火天の城』の小説と、それを原作とした映画の事を取り上げさせていただきましたが、その安土城を遥かに凌ぐ規模の白亜の江戸城が実在した!などと聞いては観ないわけにはいかないでしょう。この幻の江戸城の事は、歴史的な事実だったのかどうか知りませんが、私としては驚き。なぜ今まで表に出てこなかったのでしょうか?新発見という訳ではなく「切り口」の巧さなんでしょうね、きっと。
城には膨大な数の瓦が使われ荷重の関係で、それまでの工法では不可能とされた超巨大城の築城をどうやって建てたのか?結論を大層に膨らませていくあおり過剰の演出も嫌いでなないのです、私。結論から言うと、木片に鉛を塗って仕上げることで、従来の瓦の1/4以下の重量の瓦を作り上げ、それを屋根全体に葺いたのです。白い瓦は時を経て銀色に輝き、峰に雪をいだいた富士の姿を連想させる事から「白亜の城」の異名を得たとか。この鉛瓦はあまりにコストがかかるため、現存している城としては唯一、石川県の金沢城に一部現存しているだけとか。瓦が軽量化できた事で、安土城の倍にもなる超大型城を可能とし、江戸の市井の町民が見えあげた江戸城の高さは実に80mにもならんとするものであったとか!全国から集まった巧みの数25万人にして、施工期間は驚異の1年間!
その陣頭指揮を執ったのが、法隆寺の門前で生まれ、名古屋城や伏見城ほか数々の世界遺産の建築に携わってきた名棟梁・中井正清。家康の信頼を得、大工でありながら大和守(やまとのかみ)の位を授けられ、家康の前で大酒を飲み大言壮語を許されたとか。家康はその後数年で亡くなり、中井正清は久能山東照宮を造り家康を祀ったのですが、荘厳にして重厚なその建物は昨年国宝の指定を受けています。その後、江戸城は幾度も厄災に見舞われ、秀忠、家光によって建て替えられます。
太平の世となり城造りは急速に衰えていくのです。権力と威厳の象徴でもあった城が姿を消し、庶民の文化が花開き、今で言うところのグラフィック・デザイナーである葛飾北斎などが登場し、うどん一杯の値段で(今では国宝級の浮世絵が)買えたという展開で番組は続いていくのですが、大工だけでなくこちらの方にも興味津々。 今までであれば無関係に思えて見過ごしてきたものが、ヒントを帯びて見えてくるようになりました。ああ、これも木でいける!ああ、これも木で作れる!ちなみに浮世絵の版木は【桜】が使われてきました。
桜は磨耗性にも優れ耐久性もある事から、何百回と版を重ねる浮世絵の版木に用いられたのです。他にも和菓子の型木にも使われたりしています。江戸城の瓦から、浮世絵の版木まで、番組では木というキーワードのくくりはありませんでしたが、日本の文化は木材が支えてきたのは間違いありません。先日の「四國村」にも古い和船が展示してありましたが、『森の出口』は歴史を紐解けば、用途の原点も含めてもっと見つかりそうに思います。是非次回は「家康が最も愛した木材」とかいう切り口の番組を期待したいところです。


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