森のかけら | 大五木材


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材料が限定された中で、材の特徴を出来る限り活かして、その用途(なるべく身近なところで使ってもらいたい)や価格(12か月のそれぞれの商品にあまり開きがないように)などを考えながら毎月新作を作るというのは、私にとってはかなりの負荷のかかる命題なのですが、こういう事でもないと1つ1つの樹種に対して改めて掘り下げて考えることもないので、今となってはこの商品開発がいい機会だと考えています。

さて、『11月の誕生木・イチョウ』についてですが、その木言葉は「長寿」であり、秋の野山を鮮やかな錦繍に染める「黄葉」する木の代表格です。その絶対的な特徴は独特の匂いです。ギンナンの実を踏み潰した時の匂いは決して爽やかで清々しいものではないでしょうが、個人的には木そのものの存在をはっきりと認識させてくれるその自己主張は決して嫌いではありません。では、その特徴的な匂いを活かす方法はないものか?

今回の商品開発にはその匂いが大きな足かせとなりました。自分の中で、匂いを活かした商品を作るという大前提を先に掲げてしまった事で、思いもよらぬ時間を費やしてしまいました。その匂いそのものが決して歓迎されるものではないのですから、匂いを全面に出すことがアダとなってしまうのです。そこでまずは原点に返って、イチョウという名前の由来についてもう一度振り返ってみることにしました。

ほとんどの植物を死に追いやった過酷な氷河期を耐え抜いて、中国大陸から日本に伝来した貴重な植物なのですが、その名前について面白い逸話があります。葉が1枚であることから一葉(イチヨウ⇒イチョウ)に転化したという説もありますが、私が支持したいのは次の話。昔、中国ではイチョウの葉の形が、鳥の鴨の足の形に似ていることから、鴨脚を意味する「ヤーチャオ」と呼ばれていました。

鎌倉時代から南北朝時代に日本の多く僧侶が大陸へ渡ったのですが、彼らがその言葉を「イーチャウ」と聞き覚えた事から、帰国後に周辺に聞き伝えたものが後にイチョウに転化したという説。つまり、イチョウの葉の形が鴨の脚に似ていたことから、鴨の脚を表す言葉がその名前となったというのです。そこから名前の由来となる鴨のキャラクターが決まりました。次はそこにイチョウの材としての特徴を重ねる作業。

 




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