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宇治には、お付き合いさせていただいている、おもちゃ作家の松島洋一さん(Mtoys・えむといず)がいらっしゃいます。家内の勉強会の後で、松島さんにお迎えに来ていただき自宅兼工房へお邪魔しました。『木のおもちゃ』については、私の家内が大五木材の事務所2階の【木のもの屋・森羅】にて扱っていて、いつもいろいろなイベントに出品させていただいています。最近では、事務所にまでお客さんがご購入にいらっしゃることも多くなりました。
木のおもちゃは、家内が独自のネットワークでつながりを広げ、全国から集めていますが、その中に『日本おもちゃ会議』という組織があり、木のおもちゃの啓蒙と普及に活躍されています。松島さんはそちらにも所属されていて、各種木工イベントにもよく参加されてご指導されています。松島さんの工房では、新作のおもちゃにわが子たちは夢中です。松島さんのおもちゃは、こどもたちが自分たちの工夫で自由に遊べるようなコンセプトで作られていて、飽きる事がありません。うちの子供たちは、松島さんが遊び方を示してもらうと先を競って遊んでいました。松島さんの作品にはその実直なお人柄が反映されています。主に使われる素材が『ビーチ(ブナ) 』という事もありますが、柔らかな曲線は子供の小さな手にぴったりです。松島さん、どうもお世話になりました。松島さんに宿まで車で送っていただき、宇治川の川のせせらぎを聞きながら眠りに就き、ようやく長い長い1日目が終わりました。
翌日は朝から奈良に移動しました。奈良は、長女の名前に奈良の一文字を入れたこともあり、一度は娘に奈良の街を見せてやりたかった場所です。娘は『奈月子(なつこ)』といいますが、古都・奈良のように、日本の伝統的な古き良き物を大切にして伝えていく心と、夜の暗闇をほのかに照らしてくれるお月様のような思いやりのある子どもに育って欲しいという願いから命名しました。まずは、大仏様を参拝に『東大寺』へ。さすがにこちらも世界遺産、京都以上に人が溢れています!まだ早い時間だったので、何とか駐車場は空いていましたが、どんどん車が増えていきます。参道は人で埋め尽くされています。これがユニバーサルスタジオだったら我慢も出来なかったでしょうが、『観たい』という一心が家族の足を前へと進めます。
結構手前の駐車場に車を留めたので歩いて、歩いて、歩いて・・・やっと到着。何十年ぶりかの東大寺です。すっかり記憶が薄れています・・・当時ほとんど関心もありませんでした。材木屋になってからは初めて来ました。少しは建築の知識も身につけての東大寺でしたが、圧倒的な巨大建築物を目の前にすると、子供たちと一緒に口を開けてボーッと見上げる事しか出来ません。当時はきっと凄まじい建築現場だったのでしょう、信仰の力の凄さを再確認です。いい感じに雲が広がっていて、見方によってはまるで鳳凰が飛び立っているような画です。
東大寺の大仏殿内では瓦の寄進を受け付けていました。東大寺の南大門の傍に東大寺総合文化センターが建設中で、その瓦に使われるようです。一口1000円で何でも描いて構いませんという事なので、しっかり【森のかけら】のPRと願をかけさせていただきました。行列が出来ていましたが、来年の1月までに5万枚の寄進を募集しているとのことでしたが、どれくらい集まったのでしょうか?屋根に乗ってしまえばもう二度と目にすることもないでしょうがいい思い出になりました。
大仏様もいいですが脇に従えた『日光菩薩』と『月光菩薩』も気品があって好きです。更に大仏様の奥に控える四天王のひとり、『廣目天』様、今の子供たちにも通ずる格好良さです!歴史を超越するスタイリッシュなデザイン!美と貫禄が同調してます。『廣目天』は、西を守る守護神で、千里眼が使え、右の手には筆を持ち、左の手には巻物を持ち、世の中の悪事を書き留めているとの事です。
南大門の『金剛力士像』は山口県産の桧が使われたという事が判明しているようですが、ただの桧ではないご神木のような高齢木でしょう。木材もここまでの物に形を変えて生き続けさせてもらえば本望だと思います。
当日は、修学旅行とかでもないのに結構若い人たちがたくさん来ていて少しびっくりしました。若者も日本の文化や伝統に興味があるじゃないかと嬉しく思った矢先に悲しいニュースが。『今月の23日に、東大寺南大門の中央部の敷居を保護する板にペンキのようなピンクの塗料がかけられているのが見つかった』という悲しいニュースが。この保護板は、敷居の破損を防ぐための物で20~30年前に設置された物のようですが・・・情けない話です。恐らく愉快犯の仕業でしょうが、本当の罰当たりです!こういう事も含めて、燃えたり朽ちる物を長らく引き継いでいくという事の難しさを痛感します。
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