森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

このところずっと工場に閉じこもって作業することが多くて、ほとんど外に出れていなかったのですが、その反動なのか県外に出る機会が続いています。という事で本日は、弊社の懐刀である家具職人の善家雅智君(ZEN FURNITURE)と一緒にステップワゴンに木材を積み込んで、道中の配達も兼ねて一路広島へ。その目的は、特殊加工の鬼こと『特鬼』の㈲トミタさんに特殊な加工をしてもらうための打ち合わせ。工場に着くやいなやズボンのポケットからノギスを取り出し厳しい目で木を測る冨田徳明社長。どやしつくられるのではと不安そうにそれを見つめる善家・・・

今回初めて直接会うことになる善家君には、道中の車の中で、会っても絶対に直接目を合わせるな(敵意があると思われるから)、無言で懐に手を入れるな(飛び道具を出すと思われて先制攻撃を受けるから)等の、基本的な危険動作についての説明はしておきましたが、何か粗相がないかとハラハラドキドキ。そんな私の心配をよそに、木の加工職人同士、平和的に私には理解不能な専門用語を繰り出しながら、サクサクと打ち合わせが進んでいきます。こうなってしまうと、リスクヘッジ要員の私としては出番がなくなり、おとなしくふたりの様子を見つめるのみ・・・。

善家君があまり無理なお願いをして、ブチ切れた冨田君が「おどれ、そないなもんが簡単に加工できるとでも思うとるか~!甘い事ばっかり言いよったら裏の木材港の海に沈めちゃろか~!」的な事を言い出す事態になってはと、一応シャツに下には厚い電話帳は入れておきましたが、その心配もすっかり杞憂に終わり少々拍子抜け。こうやって人のイメージが作られていくのは怖い事です(笑)。しかしこういう特殊加工のスペシャリストがいると本当に助かります!県外からの依頼も多いようで実に多彩な加工をされています(内容は極秘!)

今回の訪問の主目的である特殊加工の打ち合わせも無事終わりましたので、ようやく懐の弾除けの分厚い電話帳も取り出しリラックスして、工場の中を見学させていただくことに。正直私は機械にはとても弱くて、その機能やら精度とかは聞いてもチンプンカンプンなのですが、善家君は興味深く見入っていました。私の方はそれよりも、そんな特殊な機械から生み出されるモノに興味があって、目を引いたのは工場の片隅に作りかけて置いてあった『市松柄のりんご』。『森のりんごの市松柄』をいつオーダーしてたかと見まがうほど!

こういう加工がさりげなく出来るのがうらやましい。図面や建築の事を一切勉強せずに業界に入りここまで来てしまった私は、家具の制作についてもいつも善家君とボディランゲージ並みのやり取り。理屈や構造がちゃんと理解できていれば、自分の漠然としてイメージをもっと正確に伝えられるのにといつも悔やんでいますが、いやだからこそ誰かの助けが必要になって、その結果こういう素敵な仲間とチームプレーが出来るのだとポジティブシンキング!冨田君、忙しい中お付き合いありがとうございました。仕上がり楽しみにしています。

 




ちょっと用事があって久しぶりに久万高原町井部健太郎君のところへ。さすがに松山市内よりは少し涼しく感じましたが、今年は久万でもかなり暑かったようです。打ち合わせをするために建物の中に入ると、何やら動物の鳴き声が・・・近づいてみると段ボール箱の中に野鳩が二羽。もっと小さな時に巣から落ちてしまっていた雛を健太郎君が救出してここで育ててて、まだ飛べないもののかなり大きくなってらしい。昨日までブログでヒッチコックの『』の事を書いていたので、見た瞬間ギョッとしてしまいましたが、敵意はなさそう(笑)。

情けない話ですが、私は生の動物全般苦手でして、これぐらいの小鳩ですら気軽に触ったりは出来ません。恐らくかなり小さな幼少期に犬に噛まれたことがトラウマになっているのだと思うのですが、もしかしたら子どもの頃に見まくっていた映画の中の、『』や『黒い絨緞(蟻の大群)』、『グリズリー(熊)』、『ジョーズ(鮫)』、『テンタクルズ(蛸)』、『キラービー(毒蜂)』、『燃える昆虫軍団』などの影響で動物への恐怖心が増幅され刷り込まれていってしまったからなのかもしれません。それならそれで本望なのですが・・・

おそるおそる鳩と接していたら、その脇に色々と面白そうなものを発見。健太郎君も本業は林業ながら、早い時期から非建築分野の出口も探っていて、いろいろな商品開発を行ってきています。その中には、以前にご紹介したスマートフォンスタンド『杣響音(SOMA-BEAT)』もあります。他にも自社以外のお付き合いのある企業の商品なども展示されていましたが。その中に気になるもモノが。以前に、久万高原町産のヒノキの板を薄く削って天然木極薄突板シートにしてもらった事は知っていましたが早速製品になっていました。

それがこの天然木極薄突板シートを使ったブックカバーと栞。突板といっても裏地にもシートが貼ってあって少々曲げても割れたりしないようです。ブックカバーは切り株や木の形にレーザーでくり抜いて柄のある布を当てています。栞もレーザーで精緻な言葉が彫られています。ちょっと時間がなかったので詳しい話が聞かなかったので、こちらの商品についてはまた改めてご紹介しますが、着々と非建築分野への出口商品が整いつつあります。いずれこれらの商品群をまとめたプラットフォームを作れればと構想しています。もうあまり時間がない、急がねば・・・!

 




祭りの今年の夏はおかげ様で忙しく働かさせていただきました。特に非建築分野での仕事が同時多発的に舞い込んで来て、大五木材史上最大のボリュームとの葛藤の日々でした。最後の方は納期との激しいデッドヒート、この2年間毎月『万単位』の注文をこなしてきたスタッフのチームワークと献身的な頑張りでどうにか紙一重の差で納期をかわして無事にゴールインすることが出来ました。数年前ならば、数量と納期を聞いただけで「少数のスタッフでそんな数がこなせるわけがない!」と土俵に上がる前に腰が引けていたことでしょう。

常に『出来ない理由』を探しまくって挑むことに背を向けていたでしょうが、老いても人は変われるもの!ボリュームが大きくなるに比例して、単価は下がっいくものですから、シンプルなものであればあるほど量をこなさないと旨味はありません。弊社には特別な技術がありわけではありませんが、優れた技術を有する取引先には恵まれています。その技術力を頼りに、200種を越える多様な樹種を扱えるという弊社の強みを生かして、ちょっと他社ではまとめにくいような仕事とかが理想なのですが、いつもそういう仕事ばかりがあるわけではありません。どうしても大きなボリュームとなると、供給が安定しているスギやヒノキといったスタンダードな樹種が選ばれますが、いずれ大五木材らしい樹種のセレクトが出来るようになれればと考えています。

そのためには単なる価格競争でなく、さまざまな木のそれぞれの物語をいかに魅力あるものとして伝えられるかという事がカギとなってきます。その木でなければならない必然性、その物語が商品と関連づけられたら面白い、そういう視点で木をご提案できるようになることが大命題。そのためにもまずは240種の物語を整理してまとめておこうと思い、過去に書いた『今日のかけら』の編集作業に猛烈な勢いで取り組んでいます。物語の深度にはどうしても経験が必要になるので、そこは今後書き足すとして、とりあえず扉だけは開きたいと思います

話は戻りますが、そういう事で今年の夏はいろいろな非建築のお仕事をさせていただきました。それぞれ単位が大きかったもので、試作やら予備もそれなりに作りまして、テーブルの上に残ったそれらがまさに『祭りのあとの静けさ』。レーザーでくり抜いた残りの型や、幅剥ぎ合わせして丸く削ったものの失敗した凹み丸、通常の弊社の倉庫では見かけないような『夢の轍(わだち)』は、普通ならばゴミとなるものですが、彼れらとてあの夏を共に戦った仲間。戦いが終わったからといって見捨てるなんてことなど出来るはずがないっ!戦いは終わったものの、ここからは彼らの「救出」&「出口」を探すための旅が始まる。ここにトム・ハンクスはやって来ない。ならば私がライアン兵卒を探しに行こう!

 




ほとんどの材木屋、製材所さんはこれを見て、「廃棄処分すべきゴミ」あるいは「チップ」、なかには「バイオマスの原料」なんて思うひともいるかもしれませんが、いずれにせよ『必要部位を取った処分すべき残り物』という認識だと思います。実はこれ、弊社で『マツの木杭』を取った時の端材です。大五木材における木取りの優先順位の上位については昨日触れましたが、造作や家具を頂点に、その下には【森のかけら】や『モザイクボード』など30~35㎜角仕上がりの自社制作商品の貴重な原料という出口が控えています。

そうして【森のかけら】などの原料(40×40㎜の角材)を取るために更に細かく挽き割ると、残りはこんなペラペラなものになります。【森のかけら】では丸みは使えないので、耳のエッジの緩い部分などはどうしても使えません。そうやって残った、申し訳程度に樹皮に身(肉)がついた部分。これでもまだ焼却炉には行きません。ここから更に厚みが薄い商品、うちの場合だと仕上がりが厚み10㎜の『誕生木ストラップ』を木取りします。樹種によっては別のストラップに。

そうして残ったのがこちらの、触ればそれだけで折れてしまうような本当にペラペラの部分。さすがにここまで来ると、これを割ったり削ることの方が危険なので、これでようやく原料という名前が外れます。それでも少し肉付きよければ焼却炉ではなく、『ここ掘れワンワンお宝発掘』コーナーに移送。これはこの袋の中にあるもの無料なので、クラフトとかされる方どうぞご自由に発掘してもって帰ってくださいね、というコーナーです。残念ながら今の私の物差しでははかりきれなかったモノも、違う人の物差しだと生かせるかもしれないという大五木材の最後のセーフティーネットです。

それでも端材視点で見れば、「その上から目線が人間の傲慢さなんじゃ!まだまだ護摩木だっって、マッチ棒の軸だって、割り箸だって、取ろうと思えば取れるじゃろうが~!骨までしゃぶって使うというならせめてそれぐらいしたらどうじゃ~!」と怒られてしまいそうです。本当はここからもう一段階何かを取り出せればいいのですが、あまり行き過ぎると端材に軒先貸して母屋を奪われかねない(既に一部そうなりつつ場所もある)ので、心を鬼にして端材たちの声から耳を塞ぐか、体中にお経を書くしかないのです、合掌。

 




大五木材における木取りの優先順位としては、内装に使う造作や家具などがもちろん最上位。こういうモノは、昔は荒材のまま大工さんの作業場所に運ぶというのが常でしたが、最近はほとんど加工して現場納品となっています。私が大五木材に入社した頃から木を加工切削する基本的な加工機だけは置いていましたが、それはうちで使うというよりも、ここで手刻みに来る大工さんが使うためのものでした。なのでうちで木を本格的に加工するなんていうのは、私が入社してから10年ぐらい経ってからのことでした。それからは時代は移り、木は加工して現場に収めるものに

プレカットが主流となってからは、手刻みされる大工さんもほとんどいなくなり、加工されたものが現場に届くようになったため、弊社にも大工さんが来られることがすっかり少なくなりました。昔は図面を事務所の机の上に広げて、ラインマーカーで色付けしたりして、縁甲板には何の木を使って、この框は何にしようかと喧々諤々やり取りをしたものですが、今はそれもメールで済むし、大工さんのところに図面が来る段階で既に木材の使用は決まっている。あるいは大工さんのその決定権が持たされていないという現状。

まあそれはそれで仕方がない事で、それに合わせて弊社で木の事を打ち合わせする対象も、大工さんから設計士さん、デザイナーさん、コーディネーターさん、あるいは施主本人へと移り変わってきました。それでこれこれこの木を使いたいという事になると、うちにある加工機に入らないようなサイズのものや高度な技術が必要とされるものは、木工所や家具職人さんの工場に持ち込みます。簡単な加工についてはなるべくうちでやるようにしています。その場合かなりザックリした加工が多く、樹皮があることも少なくありません。

耳を生かしたいというのは、テーブルやカウンターのケースが多いので、そういうのは家具屋さんに頼みますが、シンプルに割るとか耳を落とす程度の作業はうちで行います。【森のかけら】や『モザイクボード』、『森のりんご』などはこうしてうちで適当なサイズに荒割りしたものを、それぞれの木工所に送って仕上げ加工してもらっています。すると写真のような少しだけ「身あるいは肉」のついた引き落としが発生します。私がモッタイナイの精神の権化みたいなものですから、当然まだこれで捨てたりなんかはしません。

 




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2026年1月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
Scroll Up