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愛媛県内には同世代の材木人が結構いまして、その多くが愛媛木材青年協議会(以下、木青協)にも所属していて(45歳で卒業のため、今はOB)、共に会の運営に携わってきたので、今はそれぞれが会社の社長や専務といった立場ではあるものの、長い木青協での活動で戦友のような連帯感が生まれ、卒業後のその深い絆はつながっています。そんな同世代の木材人の一人が、伊予市の㈱日野相互製材所の日野猛仁社長。法政大学でラグビー部の主将を務めたスポーツマンにして市会議員。
その血を引くご長女の日野未奈子さんは、立命館大学の3回生ですが、父親譲りのスポーツウーマン。今回、リオで開催されているパラリンピックの視覚障がい者マラソンに出場される近藤寛子さん(滋賀銀行)の伴走者として出場されます。直接の関わりはないものの、友人の娘さんがオリンピックに出場されるなんて凄いことです。そこに到達されるまでにもの凄い練習や苦労を重ねてきたことだと思われます。本番のレースは今月の19日ということですが、ご活躍を祈念しています。
そんな日野君のところは、オペレーター不要の製材機「ノーマンツインバンドソー」を備えた機械化の進んだスギ・ヒノキの大量生産製材工場です。主に愛媛県産材の柱材や板材を生産されていて、過熱蒸気式乾燥機と全自動高温木材乾燥機によってしっかりと丁寧に乾燥された製品を、弊社も分けていただいているのですが、県内はもとより遠くは東北の方にまで出荷されています。身近なところに高品質の木材を提供してもらえるところがあるということは非常にありがたいこと。
弊社では主にスギの下地板を分けていただいています。地域や工務店さんによって違うのでしょうが、このあたりで弊社がお取引をさせていただいているお客さんは下地板はほぼ100%スギを使われます。南予地域では一部ヒノキを使われるお客さんがいらっしゃいますが、スギに関してはすべて日野君にお世話になっています。下地板については未乾燥材をもらって、弊社で1枚ずつ桟を入れて天日で1~2ヶ月程度乾かせてから、12㎜にプレーナー加工して販売しています。この話明日に続く・・・
それはへ理屈だろうと仰る方もいます。加工賃やら人件費を考えるともっと個数はいるだろうとか、わざわざそんな小さなモノにしなくとももっと方法はあるだろうとか。確かに計算は机上の空論かもしれませんが、現実としてもうすぐ20,000個にならんとする『森のしるし』が作られ誰かの手にわたり、それに対する対価はいただいてきました。私はこういうやり方しか出来ませんが、百万円の木を作ることは夢物語ではありません。いくら立派な理論も実践なくばただの夢物語にすぎず。
「大きな木はなるべく大きく使うべし」というのが材木屋の暗黙のルールで、折角立派な大木があるのであればそれを活かすように、一枚板のテーブルにするとか、尺越えの大黒柱に挽くとか、相応の使い方をしてやらないと木に対しても失礼だという考え方でした。それはそれで、生きている素材・木を扱ううえでの材木屋としての大切な心構えの1つであると思っています。なので私も決して巨木でも何でも切り刻んで小さくしてしまうおうなんて考えているわけではないのです。
木のサイズや品質、特徴に合わせて「眠れる価値」を見出すことが肝要なことだと思っています。その上で、例えば愛媛においては柱の取れるサイズの丸太は重宝されるものの、それより小さなサイズはかなり価値が下がりますので、そういった価値が定まり切れていないようなサイズのものや、用途が確立されていない広葉樹、街路樹などのように伐採後廃棄処分されるようなモノに光を与えれればという思いで、材質の影響をほとんど受けない「小さき商品」の開発に取り組んでいます。
本当は『森のしるし』のスタンプがうまく押せるようになったのだ~!という小さな自慢話(本当にささやかな)をするつもりで書き始めたのですが、少し話が脱線して『森のしるしが出来るまで』の話になってしまいました。いくらもうすぐ20,000個になるといっても金額ベースで考えればしれたもので、材木関係者にしてみればそんな手間暇かけていたんでは日々の作業の邪魔になると言われても仕方がないレベルです。それでも安価で手軽に買える商品を作ってよかった事は沢山あります。
全国各地の企業のノベルティとして使っていただき、通常の木材製品だとあり得ないようなところにまで話がつながったことや、日本からの手土産として海外にまで持っていっていただいたこと、異業種ともコラボしやすく様々な異分野の舞台にも立たせていただいたことなど。失敗したB品にも活路が見出せるようになりましたし、なによりも木を無駄にしてはいけない事を日々思い知らされるのです。そんな『森のしるし』が、また県外でスポットライトを浴びる機会をいただきました!
それだとセンターは出るものの、動きが制約されるため微妙な力加減が出来なくなってインクのノリがよくないのです。相手が木なので、綺麗に磨いたつもりでも表面にわずかな凹凸があったりして、押した後左右上下にハンコをこねてインクをまんべんなくつける必要があるのです。枠があるとそれが出来ず、インクがかすれてしまうのと、いちいち枠をつけたり外したりと作業効率がすごく悪い。それでやっぱり指先の感覚でいこうと、今は枠なしのフリーハンドでスタンプを押しています。
気が付けばその数も、作り始めから数えるともうすぐ20,000個になろうという勢い!そもそもこの『森のしるし』を作り始めた動機は、小学校での出張木育の授業の中で、今山に生えているスギ・ヒノキがいくらするか?という質問を子供たちに問うたことです。子どもたちは「1万円」「10万円」と思い思いの金額を口にしますが、それは私がイメージさせた樹齢が30数年生の木という姿を頭に思い浮かべてのこと。子どもたちとっては巨木が目の前にドンと屹立するイメージでしょう。
それほど大きくて自分の親と同じくらい生きた木の価値と問われれば、自分の年齢では到底手にすることのできない数十万、いや百万円ぐらいの価値があるに違いないということで、最終的には1本百万円ぐらいではという結論が出ました。しかし悲しいかな実情は、わずか千円にも満たないような値段(しっかり手入れされた選木や銘木の類は例外と話してます)にしかなりません。いわばそれが木の経済価値、しかし子どもたちの考えたのは木という生き物に対峙して考えた生命価値。
木って本来はそれぐらい尊いものであるはずなのに、私たちの仕事がその価値を貶めているとしたら悲しいことではないか、どうにかして数千円にも満たない木を百万円の価値あるものに出来ないものかということで考えついたのが『森のしるし』です。これだと小さな木からでも数千~数万個取り出すことが可能。仕様によって多少のばらつきはあるものの、理論的には大体1個¥200~300程度ですので、200円とすると5000個で1本100万円の木が生まれる事になります。続く・・・
人間、馴れとはえらいもので日々の小さなことの積み重ねが考えられないような能力を身につくることもあります。ちょうど先日、マーリンズのイチロー選手が、大リーグ通算3000本安打の大記録を達成したばかりですが、私が言っているのはそんな偉大な業績のことではありません。決してメディアで華々しく取り上げられることもなく、何の役に立つのかも分からないような地味で、市井の名も無き職人が黙々とこなす作業のルーティンの中からも人知を超えたような能力が生まれるもの。
ひたすら毎日金属を同じ微妙な形に研磨・成型したり、フリーハンドで精密な円を書き入れたり、㎜単位以下の微調整を掌の感覚だけで見極めたり、日本のものづくりの現場を支えるのは小さな町工場の熟練された技術力に他ならない。ハイテク商品の小さな部品のひとつが実は町工場の職人技に裏打ちされたものであることも多い。日々繰り返される作業は頭ではなく体に染み込まれて、通常では考えられないような卓越した感覚が生まれる。そういう技術を職人技と呼ぶのだと思う。
そんな高度な職人技と比べようもないものの、ひとつの事をやり続けることで身につく感覚ということでは、少なからず私にも心当たりが・・・それがこの『森のしるし』のスタンプ押し。丸い台木に家紋などをスタンプしていく作業なのですが、相手が紙ではなくて木であるということもあって、それなりに力がないとインクが乗らないため、こういう単純力作業は私の担当。当初は円のセンターを見極めるのが出来ずに、家紋が中心からずれたりインクにムラがでたりと失敗ばかり。
成功品とほぼ同数の失敗品が生まれてしまうほどてこずりました。簡単な事じゃないかと思われるかもしれませんが、枠や囲みのないデザインなら難しくもないのですが、家紋の場合その多くに丸枠がついていて、丸い台木に丸枠のスタンプを押すと微妙なズレでもすごく目立つのです。なので丸柄が続くとかなりプレッシャーになり、微妙な指先のバランスを崩して今までにどれほどの数の失敗作が生まれてしまったことか。それでセンターが出せる木枠の治具を作ってみました。続く・・・
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こうして松山俳句甲子園の俳句ストラップが生まれたのです。台木には愛媛県産のクスノキを使用。ちなみにクスノキの木言葉は『忍耐』。鼻孔をくすぐるその香りも楽しんでいただきたいので、今回はあえて無塗装にすることにしました。歴代の最優秀句18句とその作者名の学校名とレーザーで彫り込みました。木という素材の限られたスペースの中に緻密な文字が彫れるのもレーザーならでは。今回初めて過去の優秀句を見ましたが、さすがは全国から勝ち上がったつわものたちの言葉。 |
| この商品の販売は大会当日を予定していますので当然今年に最優秀句はありません。そこで、今年の最優秀句や自分が好きだった句、あるいは自分の作った句なども大会後に申し込みを受けて作成させていただくことにしました。大会当日会場での販売は甲斐先生はじめ学生さんたちが受け持っていただくことになっています。企業と学生による「愛媛」という地域イベントを介在させたモノづくりの第一号商品、どのように受け止めていただけるか楽しみです。大会は20日、21日の両日です! | ![]() |
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