森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

その昔に南京からやって来たという『ナンキンハゼ』を製材してみた話。伐採された小口の色が『ハゼノキ』のようには黄色くなかったので、黄色い木肌は期待していなかったのですが、材質も全然違っていてかなり軽軟。『ハゼノキ』の名前がついているのが不思議なくらい。その名前の由来は、文字通り南京のハゼとい意味で、日本のウルシ科のハゼと同じように種子から「烏臼油(うきゅうう)」という油脂が採れて、蝋燭や灯用、塗料、石鹸などに利用されているそうです

ウルシと同じように油脂が採れることからハゼノキの名前が冠されたようで、材質はハゼノキとは似ても似つかない。根皮や果皮は「烏臼(うきゅう)」と呼ばれ利尿剤になるなど有益であるものの、種子には毒があるようです。材質が思いのほか軟らかいので、【森のかけら】以外の出口についてはちょっと頭を悩ましそうですが、実に毒があるので『森の毒りんご』に使えそう。まあ、しっかり乾燥した後のコンディション次第ではありますが。ちなみに烏臼というのは、ナンキンハゼの漢名

材としてあまり用途が明確でない木というのは、それなりの理由があるわけで、このナンキンハゼも材としても用途としては器具材程度ですので、種子や樹皮、根皮などに比べると材はほとんど利用されていないみたいです。細かく割って削ってみればそれも頷けますが、偏屈材木屋としてはそういう木の方が燃えたりするのです!この木の別名に『トウハゼ』、『カンテラハゼ』、『リュウキュウハゼ』などがあります。トウハゼというのは言葉通りに唐から入って来たという意味。

リュウキュウハゼも入国ルートが名前になっていて、中国から琉球を経由して日本に入ってきたためその名前がつけられたもの。カンテラギというのは、採れた油でカンテラ(携帯用石油ランプ)を灯すためだと思われます。別名とか方言名に、その木の特徴が込められている事が多いので、用途を考えるためには、こういう情報がとても大切になります。さあ、これから乾燥したらどういう表情になるのか。新たな出口はこれからゆっくり考えるとして、【新・森のかけら(仮称】にナンキンハゼ(南京黄櫨)加わるのは確定です!

 




先日、サワラ(椹)の話を書きましたが、ちょっと書き足りなかった事があるので補足します。以前にもブログで書きましたが、同じ響きのサワラ(鰆)について。春先になると産卵のために沿岸に近づくので、春によく見かけることから、「春を告げる魚」という意味で魚編に春で『』。これぐらい由来がしっかりしていると分かりやすいし覚えやすいのですが、木の名前は往々にして音の響きからその漢字があてられているだけで意味のない漢字や誤用したまま放置されているものがあります。

樹木のサワラもまさにそれで、漢字としての椹は本来「桑の実」を表わす漢字なのですが、誤用されて今に至っているのだとか。ではサワラという言葉はどうかというと、同じヒノキ科のヒノキに比べると枝葉がまばらで少なく全体的にスッキリしていることから、髪の毛がすけすけで少ない状態を表わす「爽(さわ)らか」という古語に由来しているのだとか。あるいはその材質もヒノキに比べると軽軟で粘りもないからとか、その香りもヒノキより薄く爽やかだからという説もあるようです。

サワラの木を手にする機会が少なくて、弊社にいまあるのも壁板に加工されたものなので、しっかり乾燥されていることもあって、ほとんど匂いはしません。産地の方に伺ってもヒノキほどの匂いは無いと言われていました。木を見るとほとんどの方が匂いを感じようと鼻を近づけられます。ひとは本能的に五感で木を感じようとしているのだと思いますが、そういう意味では匂いも木にとって重要なストロングポイントのひとつ。その匂いが弱いサワラって自己アピール力弱いのでは?!

ところがよくしたもので、匂いが弱いという事は考え方を変えれば食べ物に匂い移りがしないという見方にもなります。更にサワラが水質によく耐える性質があるため、飯櫃やかまぼこ板、経木など食べ物に直に触れる用途に使われているのです。先人たちの木の特徴を見極めてそれに合った用途に用いる目利きぶりとその感性、骨までしゃぶって一切無駄にすることなく使い切ってやろうというモッタイナイ精神と樹木に対する畏怖と感謝の心にはいつもいつも頭が下がる思いです。

 




今年も秋祭りの幟旗が無事立ちました。昨年は祭りの頭取を拝命しまして、頭取選挙から祭り当日、そして打ち上げまでのおよそ二ヶ月間は長く長く感じられましたが、今年は肩の荷も降りて、頭取選挙からあっという間でした。数年前にこの幟竿も新調することとなり、弊社で新しい丸太を納品させていただきましたが、その時と比べると随分と軽くなったように思います。毎年この時期は、天気予報と睨めっこしながらの幟立てとなります。過去には、台風接近で折角立てたのに危険防止で寝かした立て直したこともあります。

昨年は台風が接近していてかなり冷や冷やものでしたが、今年はどうやら大丈夫という事で予定通りに幟旗が立ちました。この幟に使われているのはヒノキの丸太です。長さは10mを越えていて、建築ではさすがにこのサイズの丸太は使うことはありません。ほとんどが祭りの幟用ではないかと思われますが、もうひとつの晴れ舞台が『鯉のぼりの竿』。さすがに昔に比べると10mを越えるような竿を使うような(使えるような)お宅は減ってきていて、端午の節句の頃に市内を走っていてもそんなに高くを泳いでいる鯉を見かけなくなりました。

我が家に男の子が生まれた際には張り切って10mを越える竿を仕入れて、ユニックを使って社員総出でどうにか立てました。その竿を立てるために穴を掘らなければならなかったのですが、頑張りすぎて、幼い息子がすっぽり穴の中にはまるほど深く穴を掘ったのも遠い昔の話。そんな息子も今年は大学受験を控え、背丈ももうすぐ私を超えるほどに成長。通常は幟を抱かせる土台を立てるのですが、私は直接丸太を埋めていたので、年中立ったままで風雨にも晒され、かなり朽ちてきていて倒壊の危険もあったので数年前に撤去しました。

たまたまうちは材木屋という職業柄、広めの土地があったので大きめの鯉のぼりを掲げることが出来ましたが、今後ますます狭小住宅が増えてくると思われるので、大きな鯉のぼりが大空を泳ぐ光景を見ることも減っていくと思われます。大きいからいいというものではないのですが、それ用の大きな幟丸太の需要も減っていくわけで、長尺丸太はますます出番がなくなっていきそうです。長尺丸太の貴重な出口である祭りの幟も毎年更新するわけではありません。時代とともに『森の出口』も変わっていきます。

 




話を埼玉県秩父のサワラから、埼玉出身のNHKアナウンサー金子峻アナウンサーに戻します。伐採後の街路樹の活用に非常に関心を持っていただき、最終的にそこにスポットを当てていただくことになりました。今後大きな問題となる『都市林業』の事に少しでもスポットを当てていただけるにメディアにアピールしていくことは我らビーバー雑木隊にとっての使命でもあります。ところで金子さんの食いつきがあまりにいいので、もしかして実家が材木屋の関係者なのではなかろうかと勘繰りたくなるほど。

そのあたりをもう少し掘り下げて尋ねてみると、アナウンサーになって最初の赴任地が宮崎県だったとの事。そうです、宮崎と言えば全国に名だたる林産地で、特にスギに関しては丸太の生産量27年連続日本一に輝くなど圧倒的な森林資源を誇っています。それだけでなく広葉樹の活用も旺盛で、都城周辺では鋤(すき)や鍬(くわ)、スコップなどの農具の柄(持ち手)も精力的に生産されています。金子さんはその辺りで木に関する取材もしてきたので、自然と木材に対する関心も高まっていかれたのでしょう。

その次の赴任地が愛媛県だったので、同じ林産地でありながら、気に関する熱量には違和感を覚えられたと思います。丸太素材の生産(川上)だけでなく、建築材のほか家具やクラフト細工、玩具、器具など端材まで有効に利用する職人(川下)まで大きな流れが出来ている宮崎に対して、丸太の生産量こそ全国でも有数ながら、川下が未熟で未整備な愛媛では市民レベルでも、愛媛が林産地であるという意識が低いように感じます。恐らく金子さんが感じられた違和感もそのあたりが原因ではなかろうかと思います。まあ、何はともあれ木材業界にスポットをあてていただけるのはありがたい話です。ならばより日陰のところに光を当てていただきたい!

という事で『都市林業』!今後ますまさ問題化されることになるであろう町の中から産出される樹木たち。街路樹をはじめ、庭木、神社木、公園木、校庭や広場など町の中にも沢山の木が植えられています。森の木との大きな違いは、成長して大きくなったら伐採して材木にするために植えられたものではなくて、町の景観や美観、緑化などのため植栽されたものということ。経済林との違いは、成長した後(皮肉な話ですが、大きくなり過ぎてしまった後)の「行き先」。伐採して製材所に行く森の木に対して、町の木の行き先は産業廃棄物処理場

町の中で汚れた排気ガスにまみれながらも、安らぎを与え続けてくれた街路樹など町の木が廃棄物扱いなんてあまりにも可哀想だし、なによりもモッタイナイ!町の木は建材にするために植えられたわけではないので、建築材に適した樹種でもなければ、それに適したサイズでもありません。曲がりくねっていたり、小さく枝が多かったり、ほとんどの材木屋・製材所は歯牙にもかけないでしょう。そんな一般的ではない、深海魚的な木の受け皿として我々樹種異常溺愛症候群』に感染したビーバー雑木隊がいるのです!・・・あ、ほぼカットですか(笑)大丈夫、また次の機会に!

 




今年の春先に岐阜の市場で『ウダイカンバ』の耳突板を少しだけ購入。何に使うというアテがあったわけではないのですが、その名前で買いました。カバについて【森のかけら】では、『シラカバ』と『カバ』の2種類があります。同じカバノキ科の『ミズメザクラ』の項で少し触れましたが、カバってちょっとややこしい木です。そもそもカバというのはカバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹の総称で、単にカバという木はなくて、本来はOO カバという風に細かく分けられています。例えばシラカバとかマカバとかウダイカバ、ダケカンバといった具合。

北半球の温帯から亜熱帯にかけて約40種があり、日本国内にはそのうち10数種類が分布しているとされていますが、【森のかけら】では、それらを『シラカバ』と『カバ』の2種類だけに区別しています。ここでもっときちんと分類すれば、一気に【森のかけら】の種類も増えるのですが、なんでそんなザックリした『カバ』なんてくくりにしてわざわざ出口を狭くしているのかと思われるかもしれませんが、そもそも建築業界ではカバに限らず、木に関してそれほど細かな分類を求めていないのです。なので川上側も原木レベルでわざわざ細かく分類して出材しません

カバ科の木については、ザックリと『カバ』として扱われてきました。これはあくまで私の経験ですが、少なくとも愛媛ではそういういう状況で、周囲がそうだったのでそういうものなんだろうと思いこんでいました。たまに久万の山に行くと木工作家さんが、これは『マカバ』だとか『オノオレカンバ』だとかいってカバの木を細かく分類して使い分けられていました。その時はまだ【森のかけら】も作っていませんでしたし、通常の仕事でそういった分類は求められていなかったので、特別にそのことについて深く興味が湧くようなことはありませんでした。

建築で使うような大きさのカバの原木にそれぞれ個別の名前が付けられていたのを初めて見たのは、北海道に行った時です。原木市場にズラリと並んだ丸太にはそれぞれきちんと『苗字と名前』の木札が貼り付けられていました。それが私にはちょっとした衝撃で、今にして思えばそうやって知らず知らずのうちに『多樹種異常溺愛症候群』に発症してしまっていたのかもしれません。もし【森のかけら】を作るのが後2,3年遅れていたら『カバ』はもっと種類が増えていたかもしれません。カバの木の話、明日に続きます・・・

 




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2026年1月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
Scroll Up