森のかけら | 大五木材


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少し前に、今年も地元の中学生の職業体験の話を書きましたが、実は今年はその他に2つの中学校からも同様の依頼がありまして、内宮中学校津田中学校から中学生が材木屋に体験学習にやって来ます。いずれの学校とも職業体験を受け入れるのは初めてですが、内宮中学校は会社から数百mの所にあるもっとも近所の中学校。その間がちょうど校区の境なので、うちの子どもたちは数百m先の内宮中ではなく、校区の端っこにあたる数キロ先の鴨川中学校に通いました。遠いと随分と泣きも入りましたがお陰で足腰は鍛えられたみたい。

今回は中学二年の男子ふたり。鴨川中学の生徒はは、うちのこどもたちも卒業生であることや、住んでいるのが同じ校区ということもあってまったく緊張感もありませんでしたが(これは今年に限らず毎年)、内宮中のふたりはかなり緊張していてガチガチ。話を訊いてみたら、ふたりはクラスも違って、話をするのもこの職業体験が初めてという事でした。緊張感あるのも無理はない。鴨中の子たちは、同じクラスの仲の良い友達が来ることが多いのでリラックスしているもの当然なのですが、この緊張感溢れるふたりがとてもまじめに仕事に取り組んでくれて好感が持てました。

今まで沢山の子どもたちがやって来てくれましたが、まだ中学生ですから将来の仕事に対して漠然として思いしかなくて、材木屋になろうなんて思って大五木材を選んで来たのはわが愚息ぐらい。中には軽いイベントぐらいの感覚で来ている子もいますが、今回のふたりはそもそも互いが親しくないことや、材木屋という場所や環境に慣れていないこともあってか、終始無言で仕事に取り組んでいました。それでも最後は緊張感も解けて木の仕事を楽しんでくれてようです。この後数週間後にまた2日間来てくれます。

流通系の材木屋で一体何を体験させているのだと思われているかもしれません。実際に子供たちに訊いても、チェーンソーで木を伐るとか、家を建てると思っていたようだし、確認にやって来られた先生も作業風景を見て初めて大五木材の仕事を理解されます。子どもたちに体験してもらうのは、従来の『材木屋』としての仕事ではなく、『木のもの屋』としての仕事で、体験する子どもたちも戸惑いがあるかもしれません。きっと今の方向に向かっていなかったら、体験してもらう仕事もなかったし、そもそも職場体験をお受けできていなかったと思います。ここまで辿り着くのに随分遠回りしましたが、いま材木屋としてとても心地いい場所にいます

 




広島からの帰りは、久しぶりのフェリー。平日だった事もあり船内は人もまばら。子どもが小さかった頃は、船という日常とは違う異空間が楽しかったらしく、よくフェリーに乗ったものですが、最近はほとんど利用することがなくて本当に久しぶりでした。平日の遅い便という事あってさすがに船内に人影はまばらでゆっくり休むことが出来ました。四国が本州と繋がるひと昔前は、すべてこうしてフェリーで海を渡ってきたものです。逆に我々が本州に出る際もフェリーが必須。

到着時間の関係で夕方から深夜に船に乗って、翌朝早くに目的地に着くことが多かったため、おのずと船内では酒盛りが行われたりしたものです。展示会などだと、行き時は「全部売ってくるぞ~!」と威勢はいいのですが、帰りはションボリと意気消沈する事も多くて、行きはよいよい帰りは怖いを地で行くフェリー旅でした。まあそんなフェリーでの行商も仲間がいれば、気分転換のミニ旅行みたいなもので(まだまだ景気も良かったので)、売り上げ云々よりも道中の話の方が楽しくて、今ではいい思い出です。

久しぶりにフェリーで横になったと思ったらもう到着。当初はそのま帰るつもりでしたが、善家君の高校時代の友人がやっている寿司屋が近くにあるというのでそこで晩御飯を食べて帰ることに。看板はよく見かけていましたが、入るのは初めて。三津浜の「次男坊寿司」さん。フェリーの発着する港に近いこともあって外国の方が多いようで、その日の私の隣の席の方も中国の方のようでした。そういえば昔はよく遠洋漁業で愛媛に立ち寄った(当人たちがそう言っていました)外国人が動物の毛皮の敷物とかを買ってくれと会社に訪ねて来ていました。

もちろんそんな怪しいもの買ったりはしませんでしたが、丸太ん棒のようなでっかい腕にビッシリとタトゥーの入った髭もじゃの外国人が、熊やら虎やらの毛皮を担いでやって来たら腰が引けます。まあ当時は買いたくとも買えるようなお金も持っていなかったので、シドロモドロで本当にお金が無いと伝えたら、諦めて帰っていきました。もしかしたら彼らの国では材木屋はいずれもお金持ちで格好のお得意様だったので、日本でも材木屋を狙ったのかも(笑)。残念ながら材木屋にも大小いろいろありまして大きな見当違い。

久しぶりのフェリーに乗って、港の近くで外国の方にあって、そんな昔話を思い出したりして、折角美味しいお寿司をいただいたのに料理の事は疎くて、その美味しさをうまく伝える筆も持っていないため申し訳ないです。で、お店を出たらその前にたまたま、以前こちらに引っ越してきた際にテーブル用の木材を求めて弊社にやって来られた設計事務所さんの事務所でした。遅い時間でしたのでもうお店は閉められていましたが明かりがついていて中の様子は伺えました。最後の最後まで木にご縁のある広島の旅でした。

 

 




このところずっと工場に閉じこもって作業することが多くて、ほとんど外に出れていなかったのですが、その反動なのか県外に出る機会が続いています。という事で本日は、弊社の懐刀である家具職人の善家雅智君(ZEN FURNITURE)と一緒にステップワゴンに木材を積み込んで、道中の配達も兼ねて一路広島へ。その目的は、特殊加工の鬼こと『特鬼』の㈲トミタさんに特殊な加工をしてもらうための打ち合わせ。工場に着くやいなやズボンのポケットからノギスを取り出し厳しい目で木を測る冨田徳明社長。どやしつくられるのではと不安そうにそれを見つめる善家・・・

今回初めて直接会うことになる善家君には、道中の車の中で、会っても絶対に直接目を合わせるな(敵意があると思われるから)、無言で懐に手を入れるな(飛び道具を出すと思われて先制攻撃を受けるから)等の、基本的な危険動作についての説明はしておきましたが、何か粗相がないかとハラハラドキドキ。そんな私の心配をよそに、木の加工職人同士、平和的に私には理解不能な専門用語を繰り出しながら、サクサクと打ち合わせが進んでいきます。こうなってしまうと、リスクヘッジ要員の私としては出番がなくなり、おとなしくふたりの様子を見つめるのみ・・・。

善家君があまり無理なお願いをして、ブチ切れた冨田君が「おどれ、そないなもんが簡単に加工できるとでも思うとるか~!甘い事ばっかり言いよったら裏の木材港の海に沈めちゃろか~!」的な事を言い出す事態になってはと、一応シャツに下には厚い電話帳は入れておきましたが、その心配もすっかり杞憂に終わり少々拍子抜け。こうやって人のイメージが作られていくのは怖い事です(笑)。しかしこういう特殊加工のスペシャリストがいると本当に助かります!県外からの依頼も多いようで実に多彩な加工をされています(内容は極秘!)

今回の訪問の主目的である特殊加工の打ち合わせも無事終わりましたので、ようやく懐の弾除けの分厚い電話帳も取り出しリラックスして、工場の中を見学させていただくことに。正直私は機械にはとても弱くて、その機能やら精度とかは聞いてもチンプンカンプンなのですが、善家君は興味深く見入っていました。私の方はそれよりも、そんな特殊な機械から生み出されるモノに興味があって、目を引いたのは工場の片隅に作りかけて置いてあった『市松柄のりんご』。『森のりんごの市松柄』をいつオーダーしてたかと見まがうほど!

こういう加工がさりげなく出来るのがうらやましい。図面や建築の事を一切勉強せずに業界に入りここまで来てしまった私は、家具の制作についてもいつも善家君とボディランゲージ並みのやり取り。理屈や構造がちゃんと理解できていれば、自分の漠然としてイメージをもっと正確に伝えられるのにといつも悔やんでいますが、いやだからこそ誰かの助けが必要になって、その結果こういう素敵な仲間とチームプレーが出来るのだとポジティブシンキング!冨田君、忙しい中お付き合いありがとうございました。仕上がり楽しみにしています。

 




LLP-SAL 空間芸術研究所』の大阪オフィスには、パートリッジウッドの他にもいくつかの木を使っていただいたのですが、その中に恐らく弊社史上最大サイズの幅剥ぎテーブルがあり、それがこちらのブラック・チェリーの幅剥ぎの巨大テーブル。サイズは2800×1500×30㎜。あまりの幅ゆえに8枚も幅を剥ぎ合わせねばならないほど。右写真の手前がパートリッジウッド、こちらも2850×900㎜のビッグサイズゆえに、奥のブラック・チェリーの大きさが今ひとつ分かりにくいかもしれませんが、同時期にこれだけのサイズが並ぶなんて事は初めて。

あまりの大きさゆえ、いつも塗装している場所にまでは運び込めず、急遽倉庫の正面を使って塗装作業。開いててよかった~。納品までの数日間、お客さんが来られるたびに、それまで掛けていた毛布をめくって、「おお~っ!」という驚きに満ちた声を聞くのが癖になっていました。家具材を求めて来られたわけでもない方にもサービスお披露目(笑)。大きな事が必ずしも優れている要件ではありませんし、巨大一枚板というわけでもありませんが、存在感という点では圧倒的!大きいという事はそれだけで価値があるのは間違いない。

ブラック・チェリーは、ブラック・ウォールナット、ハードメープル、ホワイトオーク、レッドオーク、イエローポプラ、ホワイトアッシュとともに北米を代表する広葉樹で、色味が赤くて光沢があり、かつやわらかい雰囲気があることから女性の方に人気があります。右の写真の中央部の黒い線に見えるのは、反り止めの金物ですが、それを挟んだ左右の板は木目を見ればお分かりの通り同材です。それがオイルを塗るだけでこれほど変わってきます。勿論オイルは植物性のクリアーで着色はしておりません。これがブラック・チェリー本来の色です。

仕上がったのがこちら。写真に撮ると光の反射で、塗装ムラがあるように映りますが実際に見ると写真のようなムラは感じません。実に塗装映えのする木だと思います。ただしこの時期、注意しないといけないのはブラック・チェリーはすぐに日焼けしてしまうので、保管したり配達するときに極力日にあてない事が大事。中途半端な養生とかしていると、養生しきれなかった部分にクッキリと日焼けの跡が残ります。これぐらいならいいだろうと思うような短時間でも夏の日差しはブラック・チェリーにはご法度。

 




祭りの今年の夏はおかげ様で忙しく働かさせていただきました。特に非建築分野での仕事が同時多発的に舞い込んで来て、大五木材史上最大のボリュームとの葛藤の日々でした。最後の方は納期との激しいデッドヒート、この2年間毎月『万単位』の注文をこなしてきたスタッフのチームワークと献身的な頑張りでどうにか紙一重の差で納期をかわして無事にゴールインすることが出来ました。数年前ならば、数量と納期を聞いただけで「少数のスタッフでそんな数がこなせるわけがない!」と土俵に上がる前に腰が引けていたことでしょう。

常に『出来ない理由』を探しまくって挑むことに背を向けていたでしょうが、老いても人は変われるもの!ボリュームが大きくなるに比例して、単価は下がっいくものですから、シンプルなものであればあるほど量をこなさないと旨味はありません。弊社には特別な技術がありわけではありませんが、優れた技術を有する取引先には恵まれています。その技術力を頼りに、200種を越える多様な樹種を扱えるという弊社の強みを生かして、ちょっと他社ではまとめにくいような仕事とかが理想なのですが、いつもそういう仕事ばかりがあるわけではありません。どうしても大きなボリュームとなると、供給が安定しているスギやヒノキといったスタンダードな樹種が選ばれますが、いずれ大五木材らしい樹種のセレクトが出来るようになれればと考えています。

そのためには単なる価格競争でなく、さまざまな木のそれぞれの物語をいかに魅力あるものとして伝えられるかという事がカギとなってきます。その木でなければならない必然性、その物語が商品と関連づけられたら面白い、そういう視点で木をご提案できるようになることが大命題。そのためにもまずは240種の物語を整理してまとめておこうと思い、過去に書いた『今日のかけら』の編集作業に猛烈な勢いで取り組んでいます。物語の深度にはどうしても経験が必要になるので、そこは今後書き足すとして、とりあえず扉だけは開きたいと思います

話は戻りますが、そういう事で今年の夏はいろいろな非建築のお仕事をさせていただきました。それぞれ単位が大きかったもので、試作やら予備もそれなりに作りまして、テーブルの上に残ったそれらがまさに『祭りのあとの静けさ』。レーザーでくり抜いた残りの型や、幅剥ぎ合わせして丸く削ったものの失敗した凹み丸、通常の弊社の倉庫では見かけないような『夢の轍(わだち)』は、普通ならばゴミとなるものですが、彼れらとてあの夏を共に戦った仲間。戦いが終わったからといって見捨てるなんてことなど出来るはずがないっ!戦いは終わったものの、ここからは彼らの「救出」&「出口」を探すための旅が始まる。ここにトム・ハンクスはやって来ない。ならば私がライアン兵卒を探しに行こう!

 




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