森のかけら | 大五木材


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四国桂設計大野さんも盟友たる青木住巧青木さんも、そのような偏屈材木屋の嘘のような本当の木の話(ときどきは本当のような嘘の話も・・・)に興味津々で、ご来店された折には熱心に私の話を聴いていただいきます。本来は木はそうやって、特徴や品質だけだなく履歴や由来、伝承等のサイドストーリーと合わせて語りながら売られてきたものだと思っています。それが時代の流れの中で、語り部分が風化され。数値化された工業化木材が独り歩きするようになってしまいました。

 

2サイドストーリーが剥ぎ取られ無防備となった「木」は、実に無味乾燥なものとなってしまいました。洒落ではありませんが、人工乾燥の浸透により、古来より森と交わされてきた契約(長い時間かけて育った木は長い時間かけて乾かし長く使う)が破られ、伐採・乾燥・加工のサイクルが早まってきたことで、もったいつけて骨格に肉付けをして木を盛っていく「語り」という工程が省略されていき、「無味乾燥」したものになっていってしまったのなのかなあと思ったりもするのです

 

Exif_JPEG_PICTUREう言いながら自分自身も人工乾燥の恩恵を受けており、自戒の念を抱いているところです。その贖罪のためというような大袈裟な意味ではありませんが、小さな材木屋だからできること、小さな材木屋にしかできないこととして、しっかりと木を語りながら売っていくということを基本理念に置きたいと思っています。ただし最近は、このブログなどをご覧いただいたうえでご来店される方も多くて、話をしようかと思うと、「あ、ブログ読んでいるので知っていますよ」と遮られる事も。

 

事前にしっかり予習して事に臨まれるというのは素晴らしい心構えだし、ご覧いただいているということはとっても嬉しいことなのですが・・・知ってはいても、読んではいてもお話は聞いていただきたい・・・(涙)。そういう事もあるので、ご来店いただいた時にお話しさせていただくのは、なるべくこのブログとは別の話を、と心がけているつもりなのですが、いつもいつも喋っていないとネタや言葉を忘れることがあるので、最近は配達の車の中で独り語りが増えています。




日頃からお世話になっている四国桂設計さんが事務所を改装されということで、弊社の木材も一部使っていただきました。以前にこのブログでもご紹介させていただきましたが四国桂設計大野純平さんは、年代的にも近く感覚も似ていらっしゃる青木住巧青木英章さんと一緒によく弊社にも足を運んでいただきます。若い次世代の建築に携わられる方が、本やネットではない「リアル木材」の質感や本物の感覚や木にまつわる話を求めてご来店いただけるのは本当に嬉しいことです。

それに応えるべくこちらとしてもできる限り分かりやすく木の説明やお話をさせていただき、リアル木材を楽しんでいただこうと思っているものの、求められている肝心な話以外の逸話や伝承、などの小噺的な話に脱線してばかりなので反省しているところ。さて、事務所の移転に伴い、材のご提案をさせていただかねばならないのですが、ご自分で「」と名乗られているぐらいなのですから当然、カツラの木をお薦めしないわけにはいかないでしょう!それでまずはカツラをご提案。

ただ、その時弊社の手持ちのカツラの材は、長さ2m前後で耳付きの柾目のものが少ししか残っておりませんでしたので、幅を剥ぎ合わせて打ち合わせ用のテーブルに使っていただくことになりました。それで仕上がったのがこちら!多少「追い柾」も混じっているものの、カツラの柾目の幅剥ぎテーブル。先日からカツラの木の特徴についてはご説明してきましたが、人間の体温にもっとも近いと表現される通り、とても温もりが感じられる木です。ただし柾目なので板目よりやや堅い。

 

愛媛にもカツラは自生しているものの木材市場に出てくることは稀で(ほとんどなくて)、愛媛の建築の現場では馴染みの薄い木です。個人的に非常に興味のあった私は、北海道や東北からカツラの材を仕入れてきたのですが、愛媛では認知度が低く、1梱包を売り切るのに何年もかかりました。今回使っていただいた材で弊社のカツラの柾目もようやく底が見えたわけですが、そうなればそうなったで妙に寂しく感じてしまう・・・のは悪い癖。使っていただいてこそなんぼですから。続く・・・




木綿のような肌触りを持つカツラ(桂)の事をご紹介させていただいていますが、本日は具体的なカツラの木の使用実例についてのご紹介。愛媛にいては建築材や家具材としてでもほとんど使われる機会のないカツラですが、不思議と弊社ではカツラを取り入れていただいた現場が連続しています。そのうちの1つが、イシマルデザイン一級建築士事務所岸絹子さんが手掛けられた『ギャラリー隣花庵』さん(松山市小栗町)。庭の美しい瀟洒な日本家屋を改造してギャラリーにされました。

店内で砥部焼などの器を展示される展示台をご注文いただきまして、岩手県産のカツラの耳付き板を使っていただきました。両耳付きで、かなり耳に変化のある(凹凸の激しい)木ですが、弊社で眠ること10数年。恐ろしいまでに乾燥が進んでいて、長さ2m、幅950㎜ありますが、独りで軽く持てるほどに乾いています。実はこのカツラの板は、私にとっては思い出の一品でもあります。まだまだ広葉樹の魅力を理解していなかった当時、私に広葉樹の、一枚板の魅力を教えてくれた板です。

ほぼ全身赤みの木だったのですが、耳に近いところに数多くのピンホール(虫穴)もあります。仕入れた時には、直径1m近い大木を板挽きにした共木が7,8枚ほどあったのですが、1枚売れ、2枚売れて、いよいよ最後の2枚となっていたうちの1枚でした。それまで国産材というと愛媛産か四国産の木しか使っていませんでいたので、樹種もスギ、ヒノキ、マツ、サクラなどに偏っていました。売れるという見込みもなかったのですが、何かに呼び寄せられるように勢いで購入しました。

あれから10数年の時が流れて、お陰様で何百枚の耳付き板を扱わせていただきましたが、その方向に自分が歩みだすきっかけになった木の事は忘れません。当時はデジカメもなかったので、何度も何度も一眼レフで写真に収めていましたし、また当時は倉庫の中にも耳付き板がほとんどなくて、弊社においてもかなり珍しい存在だったので、ご来店される人にもしきりにお見せしていたので、その形も雰囲気もよく覚えています。それがこのたびご縁をいただいてようやく嫁ぐことに。

木のご縁って本当に不思議なもので、経験則ですぐに売れるだろうと思って買って板がなかなか売れずに倉庫の中で何年も眠ることもあれば、これは売るのに時間がかかりそうだけど面白そうだから買っておくかと思った材があっという間に売れたり・・・。ある程度は傾向とか流行りってあるものですが、そこはあくまでマニアックな嗜好品の事ですから、出会った時がご縁。一抹の寂しさもありますが、うちの倉庫で馴染んでいた時よりもずっとずっと隣花庵さんで馴染んでくれますように。




20160306 1昨年もこの時期に参加させていただいたのですが、今年も高い競争率を勝ち抜いて見事参加させていただいた『酒と和食のプロに聞く和食と日本酒の付き合い方』。といっても応募してくらたのは、大学からの旧友・伊予足場の岡慎治君。考えてみればもう30年以上の付き合いになるのですが、まさか将来同じような木の仕事をするようになろうとは・・・。まあ何あともあれ、お誘いいただき友とはかくもありがたいものとこういう時だけ感謝。会場は今年も道後の老舗旅館『ふなや』。

 

20160306 2今年の蔵元は『松山三井』で有名な栄光酒造(株)さん。「大分三井」を親に持つ、愛媛で育成された品種・松山三井を使って、50%まで精米して作られた純米吟醸酒からスタート。もちろん、その前には栄光酒造の清水健太郎社長から酒造りや米のお話を聞いているのですが、目の前に日本酒を並べられては気もそぞろ。お酒と一緒にとふなやの久保田昌司料理長が腕によりをかけて、テーマの日本酒に合うように調理された美味しい食事も味わうのですがやはりメインは日本酒。

 

20160306 3四国には、愛媛の伊方杜氏、越智杜氏と、高知の土佐杜氏の3つの職人集団グループがあって、栄光酒造さんは瀬戸内海が発祥の越智杜氏の流れを汲むそうです。何年か前のブログで書きましたが、小さな酒蔵で奮闘する女性の酒造りを描いた『夏子の酒』という漫画が大好きで、若い頃に何度も何度も、本当にページが擦り切れるくらい読みました。私の酒の知識の多くはそこで学んだものといってもいいぐらい。蔵元のしきたりや不条理な慣習など材木屋に通ずるものありと共感、慰めの日々。

 

20160306 4酒造りもかなり頑固な職種で、新しいことに取り組むには越えなければならない障壁の多い世界だと思います。作っているものが、個々人の味覚に訴える嗜好品であるというのも、杢や柄に希少性や美意識などの価値を見出す『銘木』の仕事にも似ていると感じるのです。さすがに私も馬齢を重ねて、若い頃のように一升瓶で馬鹿飲みするような無謀なことはしなくなりまして、ちびりちびりと盃を傾けながら銘木のようにワビサビを楽しもうと思っているのですが、このテーブルだけ酒が減るのが早い!?




20160304 1弊社の無垢の家具製作の看板を支えてくれているのは、お馴染みの善家雅智君(ZEN FURNITURE)。もちろん今回のbranch coffee tsubakiさんの什器もすべて彼にお願いしています。その技術には全幅の信頼を置いているものの、なにしろ独りですのでいくら残業をしようとも1ヶ月に出来る仕事の量にはおのずと限りがあります。しかも善家君は弊社の専属職人というわけではありませんので、他からもその腕を見込んでドンドン仕事が飛び込んできます。いかに調整するかが大事。

 

20160304 2松山周辺で家具職人として頑張っている若手は、この数人で一気に増えました。元々繋がりがあった人たちを慕ってとか、紹介でというわけではなく、それぞれが一念発起して愛媛の地で家具職人を目指したということなのですが、それが短期間で年齢的にも割合近いような者たちがこうも一堂に集まるものかと不思議に思うほど。しかしそれは弊社のように製作を外部委託している者にとっては嬉しい僥倖。いざという時には助け合えることも。ただし技術水準が同等というのが大前提ですが。

 

20160304 3今回は、堅牢にして雄々しく表情も豊かで、キング・オブ・フォレスト(森の王様)の異名を持つホワイトオークを使わせていただくことになったのですが、このホワイトオークという木は、森の王様の異名通り貫禄たっぷりで非常に重たい!長さ2m程度でも厚みが38㎜とかになると3,4枚でもかなりの重さ!それを6枚も7枚も並べてテーブルを作るわけですが、幅剥ぎするとそれはそれは結構な重量になりまして、独りで動かすのすらままなりません。こちらはオークの25㎜の薄物。

 

20160304 4善家君は私より身長が10センチぐらい高く大柄なので、私が持ち上げられる重さぐらいは苦も無く動かしたり運べるのですが、たまにお願いするブビンガなどのスーパーヘビー級選手の耳付きの1枚板のテーブルとかなどになると、どうやって独りでひっくり返したのかを想像するだけで腕が痛そうになります。軽そうな木ばかりを選んで仕事ができるわけではありませんので、無垢の家具職人はまず腕力が必要。家具職人、技術がなければ仕事が来ない、腕力がなければ仕事がこなせない




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