森のかけら | 大五木材


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スポルテッドというのは自然の気まぐれで生まれた副産物のようなものなので、アーティスティックな柄になっているものもあれば、腐食が進んでスポンジ状になってしまってただただ朽ちる寸前のものもあります。その中からコンディションのよいものを選び出して買うのは真性の変態ではありません。そんな分別のある人はインターネットで木を買えばよし。とりあえずあるだけ全部買う、これが真性の変態スポルテッドビーチが私の元を離れれから数か月。改装工事がほぼ終わったとの連絡はいただいたものの中々機会を得ませんでした。

先日、ようやく南予方面の配達も兼ねてお店にお邪魔する機会が巡ってきました。今回改装されたのは、今まで使用されていなかった元通路だった場所。そこに夜のみ営業するオシャレなバーが出来上がっていました。お邪魔させていただいた時間が昼間だったのですが、明るい時間帯でも見てもスポルテッドビーチの存在感は際立っていました。長さが2mの板を繋いで幅剥ぎにしてカウンターとして使うという事は図面で分ってはいたものの、こうして完成した姿を見ると、よくぞここまで仕上げていただいたものだと感慨もひとしおといったところ。

スポルテッドの柄もバランスよく配置されて、あれだけ癖の塊に思えたその風貌も、この店の中ではスッキリと納まっています。堀江君から夜のお店の様子の写真も送ってもらいましたが、夜になって薄暗い灯りの中に浮き上がるスポルテッドビーチは妖しい雰囲気を醸し出していて、まさに真骨頂発揮!堀江君イメージした空間がこれならば、確かにこの木でなければならなかった理由が分ります。これならば私が倉庫に数年寝かせて独りで味わい尽くすよりも数倍も価値がある。多くの人に愛でていただきたい。

一緒に買っていただいたブルースティンの入ったモミジバフウもまったく無駄にすることなく、あるものは棚板となり、あるものはレジ台となり、あるものは手洗いのカウンターとなって骨の髄までしゃぶり尽くしていただいておりました。さすが、私がその変態性を見抜いただけのことはある。よ~く、分っていらっしゃる!ところで、完成するまでに堀江君はその後も何度か弊社を訪れてくれました。その都度、木材も買ってもらったのですが、初めて来た時からどうしても気になる木があるという・・・。明日に続く




堀江幸治君は愛媛県大洲市で仕出し料理店「ほりえ」を経営する傍ら、ミュージシャンとしても活躍するなど多彩な才能を持った人物。そんな堀江君が大五木材にやって来たのは、お店を一部改装するにあたって何か面白い木を探していて、一緒に音楽活動をしていた清家ユカリさんがうちに誘って連れてきてくれたのが最初の出会いでした。それまでまったく面識がなかったものの、二言三言話しただけで同類だということはすぐに分りました。更に倉庫の中に案内して、木を見る姿を見たときに、ああ真性のそれだと気がついたのです。

その時には確かまだ店の改装の件は、設計段階だとかで、何の木を選ぶというような状態ではなかったと思うのですが、まあ普通の人なら足も止めないであろう木に視線を送るその背中に、必ずこれはまた来てくれるとの確信を得たのです。驚くかな、その確信は次の日にやって来ました。今近くに来ているのだけど寄ってもいいですか?まだ図面もできていないはずなのにどうしたのかと思ったら、昨日見た『森のりんご』が気に入ったので購入したいとのこと。そう、彼は危険を顧みず自ら進んで底なし沼に突撃するタイプの木フェチ野郎だったのです!

そしてそれから数か月が経って、正式に図面も出来たので材料を選びに、設計士さんと大工さんを伴って再び大五木材にやって来られました。それまでに数回、木の小物などを購入していただいていたので電話やメールなどでやり取りはしていて、まともな木材など得るために大五木材に来るわけではないということは互いの共通認識となっていました。探しているのはインパクトがあって、癖が強くて、普通ならば誰もが敬遠するであろう訳アリの木。倉庫の中を隅から隅まで嘗め回すように探す堀江君と、次から次へと曲者を紹介する私。

数ある曲者の中で堀君のハートを鷲掴みにしたのは、ビーチのスポルテッド腐朽菌によって筋状の黒い染みが出来たスポルテッドは、自然が偶然作り出したネガティブな芸術作品。実はこのビーチのスポルテッドの板材、仕入れてまだ日が浅く、本音を言うと私自身が楽しみ尽くしていなかったのでまだ売りたくはなかったのですが、堀江君の惚れ込みようを見た時に、恐らく彼以上にこの木に愛情を注いでくれる人はいまいと感じ、手放す決断をしました。ついでにブルースティンのモミジバフウの板もまとめて大量にお買い上げ!収まるべきところに収まった。続く・・・




昨日、つい調子に乗って自社のことを『変態材木屋』と書いてしまいましたが、あまりにも僭越でした。弊社ごときが変態材木屋を名乗ろうなどとは100年早い!変態に憧れる材木屋に、訂正・お詫びさせていただきます。最近、さまざまな分野で少しマニアックな商材を扱ったり、物言いをするとすぐに『変態』というフレーズをつけたがる傾向にありますが、『変態』などというのはそんな簡単に使っていい言葉ではないのです。木材関係でいえば、ただ多くの樹種を扱っているとかマイナーな木を持ってるとか、そんなのは論外で、変態呼べるにはそれなりの格が必要なのです。

誤解があってはいけないので、まずは『変態』という概念について私の考えを説明させていただきます。辞書によれば、〔変態とは・・・普通の状態と違うこと。異常な、または病的な状態〕とあります。私の中では、ある特定のものについて偏執的に、病的に執着して極めている、ある意味どうしようもない人という解釈です。もちろん最大級の賛辞であり、外道・邪道の世界を往くものとしては、目指すべき世界!常識人からすれば、なぜそんな事を?と思われるような事に異常なほどに執着してしまう木材フェチズムの極北。

以前に、日本の最高学府を卒業して染め物職人になった京都の変態から、「変態を目指した段階で、もはやそれは誰かのコピーであって、本来の変態とは似て非なるもの。ピカソやマティスのような決して真似の出来ないような異端の才こそが変態として崇められるものであって、その線を少しでも意識して狙った時点でそれは普通の人が変態をコピーしただけのもの。なりたいと思ってなるものが変態ではなく、周囲が自然とそう呼んで認めものこそが本物の変態。だから決して変態を目指してはいけない。」と教えられました。

だからあまり気軽に「変態」なんて言葉は使えないし、使うべきではないのですが、最近わざわざこんな材木屋を訪ねてやって来られる人の中には、畏敬の念を込めて「変態さん」と呼ばずにはおられないような方が急増しています。そんな変態さんのひとりが、初めて大五木材にやって来たのは今からおよそ1年ほど前のことでした。中学・高校の同級生で、DJや音楽活動も精力的にこなしている清家ユカリさんが、合わせたいひとがいるからと連れて来たのが最初の出会い。そのひとの名前は、Koji Horie(堀江幸治君。明日に続く・・・




森のかけら】で、国内外の木・240種をリストアップした時にも、まだ新たな木が増える可能性はあったものの、解説書等の印刷物を刷る都合もあったので、とりあえずキリのいい日本120種と世界120種でひとつの区切りとしました。それからボツボツとリストに加えれなかった木が手に入ってくるようになったのですが、もうそれは縁がなかったと諦めていました。それでもそれが20種類近くになると、目途もありませんでしたが、いつの日にか『追加版』か『改訂版』でも出せれればいいなと思っていました。

そんな漠然とした思いが、大きく動いたのは同族のビーバー・武田隊長にお会いしてからのことです。初めて訪れたビーバーハウスで、これでもかと積み上げられた板の山々には、初めて目にするマニアックな木の名前が小さな板にマジックで書かれ無造作に打ち付けられていました。それらは通常木材市場に出てくることはないような灌木であったり、街路樹であったり、庭木、公園木などさまざまでした。植物図鑑でかろうじて名前だけは知っていたり、植物園で見かけるような木ばかり。そんな木を集めている変態がいる!

 

しかも武田隊長は、集めたそれらの木に対して何の明確な出口も定めてはいなかったのです!集めたいから集めるという本当の、真正の、愚かなビーバーだったのです!世の中にはこんなとんでもない人がいるのだ。私は強い衝撃を受けました。その夜は隊長の自宅に泊めていただき、木の話を肴にお酒を酌み交わしました。隊長が引き出しから出して来られたのは、今まで自分が集めて挽いた木のリスト。そこには自筆で木の名前が書かれていました。これを書くときどんな気持ちだったかは容易に想像がつきます。私も同じことをしているから。

そのひとつの樹種名を書くたびに、遂に俺はこの木を征服したぞ~!という満足感に心は痺れていたことでしょう。よ~く、分ります。私もそうしてカーツ大佐のように『かけら王国』を築いてきた同族なのですから。そして思ったのです。隊長はいろいろな木を全部集めることに快感を得る『集めビーバー』ならば、私はその集められた木に出口を見つける『広めビーバー』になろうと!それから数年かけて徐々にマグマは溜まっていきました。そして遂にその時がやって来たのです!みんながやらないことをやる、誰もやらないから俺たちがやる!

 




プロ野球の世界は来る人いれば去る人もいる厳しい世界ですが、そのように新しい血を入れて循環させていかなければ淀んでくるのはどの世界も同じ。そういうわけで、製作から10年が過ぎた【森のかけら】にも本格的に新しい仲間を加えることにしました。最初は国内外で100種を目指してスタートしました。当時はその100種ですらかなり高いハードルで、木青連で築いた全国の木材ネットワークをフル活用してどうにかかき集めてようやく100種にこぎ着けました。しばらくは地元を中心に口コミで販売をしていました。

その後、ホームページも開設したのでオンラインショップでの販売も始めました。35㎜角の立体的な木材標本は珍しさもあって少しずつ売れてはいったのですが。しばらくすると私の中の他樹種偏愛症候群がムクムクと目を覚ましていったのです。ちょうど新しい取引先から、今まで取り扱ったことのなかった樹種も入ってきたりしたこともあり、100種ではどうにも物足りなくなり、もっと高いハードルを目指して、日本120種・世界120種の合計240種にまで拡大させてしまったです。レギュラーにするには高価でレアな30種に、レギュラーの中から選抜した6種を加えた『プレミア36』も加わり、合計270種の現在のスタイルが完成しました。自分の中ではこれで多樹種コレクションにひとつの区切りをつけたつもりでした。ビーバー隊長に出会うあの日までは・・・!

三重県大台町で木の大小に関わらず、ご縁のあった木を集めまくり挽きまくり、ただひたすらに溜め込んでしまう病的な製材所、それが武田製材所です。ひとはその姿を森でせっせとダムを作るビーバーに例えて、『ビーバー雑木隊』と呼ぶ。その人間ビーバー・武田誠隊長に出会って私は雷に打たれたような衝撃を受けたのです。わずか240種で満足して悦に入っていたわが身のなんと愚かな事か!そこには私が今まで見たこともなかったさまざまな種類の木が板に挽かれて山のように積み上げられていたのです。

決してメジャーリーグには上がれないものの、マイナーリーグでは無双とされる数々の木。街路樹や公園木、校庭木、庭木、ありとあらゆる場所からかき集められた木を、まるでわが子のように愛おしそうに製材する隊長の姿に刺激を受けて、私の中に眠っていたコレクター魂に再び火がついたのです。そして今まで顧みることのなかった街路樹・公園木などにも積極的に手を出すようになると、魅力溢れる『未知の強豪』たちが次々と集まって来たではないですか。元号も変わり【森のかけら】を増やせとの神の啓示に間違いない!明日に続く・・・




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