森のかけら | 大五木材


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本日も㈲カントリーウッドガーデンさんが新しく出されたカフェの話ですが、名は体を現わすで、室内外にたっぷりと木が使われています。個人の住宅だとメンテナンス等を考えるとつい二の足を踏んでしまうような使い方が出来るのも、オーナー自らが腕を振るって施工しているからこそ。こういうタイプの商業店舗が沢山増えたら、うちの倉庫で出番を待ちあぐねている変わりモノたちにも出番が巡ってくるのに。そう考えると、菊野君には早いとこ、たっぷり木を使うカフェ2号店、3号店も出してもらわねばなりません!


カフェと言っても、それは店に入りやすいための入口であって、本業は木の家具やドールハウスのミニチュア家具がメイン。店内にもテーブルや椅子が沢山展示販売されています。ひと昔前だと、カントリー家具というと、俗に言うパイン(ロシア産のオウシュウアカマツや北欧産のレッドウッドなど)が主流でしたが、最近はパインからもっと硬質で木柄がクッキリしている『ホワイトアッシュ』などに変わってきているようです。弊社でも以前はよくロシア産のマツを仕入れていましたが、最近は挽き板としての輸入が激減していて、安定的に確保できなくなりました。

ちょうどお客さんの嗜好も変化していた時期なのでソフトランディングでホワイトアッシュやホワイトオークなどの北米産の中・硬質な広葉樹にシフトさせていきました。そのホワイトアッシュに、総被害量立木で1億本とも言われる大規模な甲虫の食害が北米で出て価格が高騰するのではという憶測が流れたという話を以前にブログで書きましたが、その話に急展開がありました。どこまで確実な内容なのか定かではありませんが、この冬北米を襲った10数年来の記録的な大寒波によって、その甲虫(エメラルドアッシュボーラ―)が死滅してしまうのではないかという話。

低温に加え強風が吹いて感温度が-50℃以下に達するとこもあるらしく、あまりの寒さでエメラルドアッシュボーラーの幼虫たちも乗り越えられず一掃されてしまうのでは(しまったのではないか)という推測がされています。これが本当だとしたらエメラルドアッシュボーラ―には可哀想な話ではありますが、木材業者にとっては大きな危機が回避できたようです。地上で無双だと思われていた存在が自然環境によって全滅しリセットさせられる。大きな痛みを伴いながらも自らの力で治癒させてバランスを取ろうとする見えざる力を感じずにいられません。自然は偉大で恐ろしい・・・




すっかりご紹介が遅れてしまいましたが、日頃から仕事でお世話になっている㈲カントリーウッドガーデンさんが2月1日にオープンさせたカフェに行って来ました。伊予市の高速道路のインターチェンジのすぐ傍、「KAGU」と書かれた大きな看板が目印です。以前に使われていた店舗の改装に着手されたのは確か秋頃だったような・・・。内部にも弊社の木をいろいろ使っていただきましたが、開けてみればここもあそこも直さなければいけない状況で、材料も次々に投入。納材する立場としては、このまま永遠に仕事が続いてくれたらいいのに・・・(笑)なんて思うほど。

ちょうど工事の記事が弊社のロングセールと時期と重なったこともあって、本当にいろいろな材を使っていただきありがたかったです。本人の店なので、自分がいいと思ったら即決で採用してもらえるので話も早い!取り扱いアイテムの中に変なモノ(自分で言っちゃった!)が多い弊社としては、これこそ商業店舗で使っていただきたいという木も多いのですが、実物を見ていただかないと伝わらない事が多くあります。実際に実物を見ていただかないと分からないものが多いので、オーナーに実物をご覧いただきたいのですが、なかなか時間の都合がつかないケースが多いのが実情。

今時なんで、画像をメールで送ったりはするものの、変わったモノって癖も強いので、私も自分の口から説明しとかないと不安になります。折角のブラックコーヒーも途中で、使わせ難くてリスクを回避したいがための甘言というクリームやらシロップが入れられて、すっかり毒抜きされたアメリカンになってしまって、本質が湾曲したり伝わらず不採用になる事も多い。そんな時はもうご縁が無かったと諦めるしかありません。その点、カントリーウッドガーデンの菊野君は自身も家具職人で木材にも精通しているので、いろいろな木材を楽しくアレンジして使っていただきました。

例えばショートカットサイズの『ケンパス』も、その特徴を活かして水回りや玄関足元などに敷き詰めていただきました。線路の枕木などに使われる事知られるケンパスですが、最近はあまりその名前を聞くことも少なくなりました。木ではなくコンクリートや合成樹脂などで出来た枕木に代わってきているようで、ケンパスの代名詞でもあった枕木という用途もいずれ消えてしまうのかも。そんな木ですから外部でもよく耐えてくれます。木目や色合いの濃淡なども楽しまますが、実例の写真が少なかったのでこれぞとばかり写真も撮らせていただきました。在庫はまだまだあります!!ご注文はオンラインショップからどうぞ♪




昨日に続いて一枚板の話ですが、弊社では材に合わせて、光沢や艶を保つために気長に時間をかけて乾かせる天然乾燥と、短時間で効率よく乾かせる人工乾燥を使い分けています。天然乾燥モノだと、長いモノでは私が入社して直後に買った30年モノもあります。これは念には念を入れて乾燥させているというよりも、ただそれだけの歳月売れなかった(陽の目を見せてあげることが出来なかった)というだけで、特別に時間をかけて乾かせているわけではないのです(汗)。木は生ものみたいに腐るわけじゃないから別にそれでもいいじゃないかと思われる方もいらっしゃいます。

木の出会いも人の出会い同様に、出会うべくして出会うという事もあって、昨年も20年ぐらい置いていた(売る力が無かった)板が、そういうモノを望まれていた方に売れたという僥倖を体験したばかりですが、やはり経営としてはあまり長すぎるのは問題。弊社が博物館で展示用として仕入れたのならそれでも構わないですが、あくまでも販売するために仕入れたわけですから、気に入っていただいた方の手元で家具として使われてこそのもの。そういう意味で昨年から、あまりに長い在庫の板は少し無理をしてでも出番を作っているところです。

もっと倉庫を片づけて木馬さんみたいに綺麗な場所で展示できるに越したことはないのですが、狭い倉庫ゆえなかなか展示・加工分離が出来ず、在庫の板の上に埃を積み重ねてしまっています。出来ない言い訳としては、『大きいところ、小さいところ、いろいろなスタイルの材木屋があっていい』ですが、やはり見やすく分かりやすい展示方法は考えないといけません。そういう点でも大変参考になりました。木馬さんも昨年末に横浜と福岡店を閉められましたが、異様なほどに活気を呈していた一枚板業界もここに来てどうやら勢いが落ちて来て一時の過熱ぶりが嘘のよう

あくまで私が仲間の材木屋から聞いた情報での肌感覚で、中にはバンバン売れてる~という店もあるとは思います。木馬さんも何かの戦略として2店舗を閉められたのだと思います。こういう昔から一枚板を扱っている店というより、一時のブームに便乗して、それまで一枚板など見向きもしなかった店が新規参入して、我先にと買い漁ったりしたものの、すぐにそれが売れるわけなどなく、それぞれの流通の末端で在庫がだぶつき腹一杯になってしまったのではないかと考えています。貴重な一枚板だからといってそう簡単に売れるものではありません。ブームが去ってからこそが本当の実力が試される

 




六甲アイランドの中で迷いながら高橋家が探していたのはこちらのATELIER MOKUBA(アトリエ木馬)さん。家具の街・福岡県大川市に拠点を置く㈱関家具さんが運営する一枚板専門ギャラリーで、業界関係者で知らなければモグリとまで言われる超有名店です。東京青山、新宿、五反田、横浜、大阪、神戸、福岡天神、博多、大川に直営のギャラリーを出店されています(昨年末に横浜と博多店は閉店)。と言いながらも、実際にギャラリーに入ったのはこの神戸ギャラリーが2店なのですが。具体的な住所は、兵庫県神戸市東灘区向洋町中6-9 神戸ファッションマート1Fです。

お店の方に、「決して買いに来たわけではない(帰るようなお金も持ち合わせていない)のですが、見せてもらってよろしいでしょうか」と事前にお断りをいれると快く了解いただきました。合わせて写真の撮影もご了解いただきました。こんな立派なところと比べるべくもありませんが、弊社にも時々「買いに来たわけではないのですが・・・」と申し訳なさそうにご来店される方がいらっしゃいます。きっと木が好きで見たくてたまらなくてご来店されたのだと思うのですが、ドライな対応をしていたと我が身を反省。

ちょうど店内には私たち家族以外誰もいなかったので、目を皿のようにして一枚板を見ていた私たち家族に対してもスタッフの方は丁寧に分かりやすく説明していただきました。自分がそういう立場になってこそ分かる事もあります。木馬さんのギャラリーでは、一枚板を仕上げて塗装までした完成品を展示販売されているので非常に分かりやすい。弊社は加工前の埃をかぶった荒材の状態で置いているので、削ったらどうなるか、塗装をしたらどうなるか、かなり想像力を働かせてイメージしてもらえねばなりません。そりゃあ木馬さんみたいなスタイルが分かりやすいのですが・・・

きちんと整理できていないというのはただただ私の怠慢でしかありませんが、このように板を仕上げて塗装までして立て掛けて展示するという事が出来ないのは物理的な理由。木馬さんでは特殊な乾燥技術によって、この状態でも板が反ることなく、かつ表でも裏返してもリバーシブルで、鉄足の上に乗せれば完成という事が可能なのですが、通常だといくら人工乾燥機に入れても広い板は時間が経てば反ってしまいます。そのため裏面に鉄や木で反り止めを入れる必要があり、両面使いは出来ませんし、それでも収縮はするので売れた際にもう一度仕上げ直ししなければならなくなります。明日に続く・・・

 




私にとって今年最初にして(今のところ)最大の(正月2日目にして!)衝撃を与えてくれたラ・コリーナ近江八幡ネタもいよいよ本日最後(予定)。実際の滞在時間は2,3時間だったと思うのですが、見るモノどれもが新鮮で濃密な時間でした。娘たちは美味しいバームクーヘンやお菓子に満足と、家族でたっぷり楽しませていただきました。ところで、1000本ものクリ(栗)の丸太を使われていましたが、使われている木はすべてがクリというわけではなくて、用途に合わせて適材適所に木が使われていました。

カステラショップから中庭への通路の天井部分には、『カラマツ(落葉松)』の木が意匠的に使われていました。クリの木も岐阜と長野の県境辺りにまで行かれて探してこられたということだったので、この落葉松もその辺りのものかな?個性的な随所に木をたっぷり使われているのに、木がでしゃばりすぎずに、周辺の風景に自然に溶け込んでいて素晴らしいです。自然だから曲がりくねったり、割れたり、節があったり、虫に喰われているのだって当たり前。そうは分かっていても、ここまで出来るのは施主側の理解あってこそ

このラ・コリーナも構想から実現に至るまで、いろいろと紆余曲折もあり、何年もかかったそうですが、そりゃあここまで気持ちを固めて、覚悟を決めるのは時間もかかることでしょう。湧き上がってくるイメージや構想の中から時間が経っても沈殿しない上澄みだけを救い出して、更にそれを蒸留させて残った強くて揺るぎない濃い信念なければ出来ません。100の言い訳よりも1つの実行だなと、つくづく我が身を恥ずかしい。それでも大きな刺激を受けて、実際に出来る事を具体的に考える機会となったのはありがたい事です。

ラ・コリーナの構想はこれが完成ではなく、今はじまったばかりだそうで、あくまでも今は種蒔きの段階だそうです。本当の意味で完成するのは50年後、100年後。その頃には木々も成長してきっと鎮守の森のような光景になっているかもしれません。お菓子屋さんが、喜々として100年後の森を夢描く。本来スパンの長い仕事であるはずの林業、材木業は100年後の未来を笑顔で語ることが出来るであろうか。受け身で仕事が来るのを待っている身では100年後の構想などイメージすら出来ない。自分で刈り取る糧は自分で蒔こう!

敷地のざまざまな場所に沢山の幼樹が植えられています。まだまだこれからもいっぱい植えていかれる予定だそうです。クヌギとかどんぐりの木はビックリするぐらい成長が速いので、きっと数年後に来ればこの辺りも全然違う風景が広がっていると思います。1つや2つ枯れようがその何倍も植えていく。仕事とか商売とかを越えて、『生きざま』を感じました。山本昌仁社長の著書の最後の方に、先代からかけられた言葉があります。「いまは気張ってやってるけど、あんまり飛ばすなよ。商売にスタートはあってもゴールはないんや。」気張りすぎず、慌てず、急ぎすぎぬように一歩ずつ。肝に銘じる。




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