森のかけら | 大五木材


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まあ絵に描いたような「雲ひとつない晴天」でした。標高が高いので空気が清々しくて、空の色に深みがあります。どこにレンズを向けても画角にそれなりの構図がきっちり収まってくれます。そこに暮らしていると、当然の日常の一風景になってしまうのかもしれませんが、田舎生まれの私でさえ郷愁の念を抱かずには入られなくなりますから、都会の方だとたまらなくなるロケーションだと思います。大野ヶ原に来るといつも、風景も貴重な観光資源であることを再確認させられますが、本当に価値のある原風景ですが、そこに暮らす人の手が入って維持されていることも忘れてはいけません。心地よい観光資源と手付かずの原風景とは大きな隔たりがあります。人間にとって心地よく感じられる風景は、人間の手によって加工されているものだと思うのです。それが良い悪いという訳ではなく、〔自然=善〕という短絡的な思考では、人の暮らす自然は維持できないということだと思うのです。

ポニー牧場の隣のペンション『もみの木』というお店の傍には、文字通り【樅/モミ】の木が幾つもそびえ立っています。枝を大きく広げて立派な樹形で佇んでいます。樅は高地を好みますので、松山市内でその立派な姿を見かけることはほとんどありませんが、この辺りでは道路沿いにもたくさんその姿を見かけます。杉、桧、松の中に樅が混ざってくると、かなり登ってきたことが実感できます。上に向かって枝を伸ばす杉や桧に比べて、両腕を広げたように枝を伸ばす樅は華やかな雰囲気があります。

以前にも『クリスマスツリーの木』として、樅の事を取り上げましたが、樅は〔マツ科モミ属〕の針葉樹です。建築材としても癖のない淡い乳白色が人気で、壁材などに使われています。床材としてはやや柔らかいものの、張り合わせてア圧縮加工してフローリングにも利用されています。マツ科の木らしく、触った時に松独特のシットリ感はありますが、松そのもののような脂っぽさはありません。樅は葉の先端が二股に分かれて鋭く尖っているので、葉先を握るとやや痛みを感じます。もっと痛いのが【カヤですが、こちらは二股ではなく葉の先端が鋭く尖っています。

弊社にもテーブルに使えるサイズの、樅の大きな板があるのですが、樅そのものはたくさん在庫を持っているわけではありません。樅は物語性の強い木なので、端材も使える要素はあるのですが、材が揃わないという、弊社にとっては非常に珍しいパターンでした。それが、縁があってうまい具合に樅の端材が入手できましたので、現在商品化を進めています。いくら企画を眠らせていたからといっても、相手は自然の物です。加工してみないとどれぐらい精度が出せるか試行錯誤の連続です。樅で見る夢は、もうしばらくお待ち下さい!こういう環境にいると、面白いアイデアもひらめいてきます。ただ、荒削りすぎて、ある程度加工・修正しないと物にはなりませんが、着想は大切です。さて、いつもはこの後『ブナの原生林』コースが定番なのですが、今回はこの青空が我々を更なる高みへと導いていくのでした!




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