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通常弊社では、製材品を仕入れるのですが、今回仕入れに来たのは珍しく原木です。愛媛木青協の会員でもある成川尚司君の成川木材店は、素材生産を主業務とし、山林の育成、間伐の促進等山林の整備に力を入れている会社ですが、杉・桧以外にも稀に樅(モミ)や栂(ツガ)も伐採すると訊いていたので、その際には連絡してくれと頼んでいました。すると、数日前に「樅の原木を伐った」と連絡があり、久万の貯木場にやって来たのです。結構大きな木があると聴いていたのですが・・・。 |
| これが、デカイっ!想像以上の大きさでした。弊社には再割用の小さな帯鋸しかありませんので、製材してもらうために井部健太郎君(久万造林)にも同行してもらいました。その多くは、高知県との県境近くの仁淀川上流の中津渓谷付近の山で伐採されました。その中でも、依頼を受けて伐採した社寺林は別格です!20数mの大木が雷の影響を受けて、先端が折れていて危険なので伐採したという事でしたが、そのあまりの大きさに相当手こずったようです。それがこの4本。横に立っている井部君との対比で大きさが分かると思います。 | ![]() |
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樹齢は200年を遥かに越える緻密なものです。1番玉の根元は直径が1200㎜にも及ぶ巨大さで、まるで外材の世界です。先端は激しく裂けて、落雷の凄まじさを物語っていました。それでも4mの材が4本も採れるほど立派な木だったようです。巨木になって年数を経た木は、内部に洞などが出来やすいのですが、この木は目だった外傷も見当たらない良質なものでした。本当は、幅剥ぎの家具やカウンター材とその端材で【森のかけら】や『木言葉書』などを取ろうと思っていたので、そんなに大きな木は必要なかったのですが、実際にこうしてその姿を見てしまうと、木が私を呼んでいる状態にはまってしまいます。それでも最初は傍観していただけなのですが、成川君から伐採時の苦労や作業の様子を聞いていると、うずうず・・・。あ~もうたまりません!山積みしている丸太グラップルで器用に摘み上げてはね出してくれます。さあ、どうする? |
世の中に木材図鑑の類は多かれど、熱帯アジア・アフリカ・中南米などの熱帯に育つ木材を専門的に取り上げたモノは幾つもありません。一般的に建築材・家具材として利用される木材に焦点を当てた図鑑はたくさん出ています。専門書といえども売れてなんぼの世界ですから、多くの買い手の見込めるマクロ的な木材にスポットが当たるのは当然の事だと言えます。しかし、その構図では漏れる木材がたくさんあります。特に熱帯の南洋材などはその典型で、専門的に取り上げたものは実に稀有です。
更に、木材の場合は現地の商習慣や呼称など実に複雑で、日本では理解しにくい事も多くあります。特に積み込み産地で、同じ木でも名称が変わるなどのややこしさ(同じ木をホワイトセラヤともホワイトメランチとも呼ぶなど)と、特徴に大差が無いものが多いことから、図鑑などには嫌われたのかもしれません。通信誌「適材適所」などを書いていると調べ物も多いのですが、南洋材のその地元でしか分からないような呼称であったり、特徴、見分け方、分布、用途などはネットでも調べる事が出来ません。
しかし、プロとしては詳しい事も知っておきたい、実はそのジレンマを解消してくれる貴重な本があるのですが、なにぶん発行が昭和53年と古く、知人からその都度必要ページをコピーして送ってもらっていました。薄い本であれば全ページコピーするのですが、熱帯のマニアックな有用樹種200種を取り上げた666ページにも及ぶ膨大な本なので、全コピーは諦めました。農林省熱帯農業研究センターが編集された、学術的にも大変貴重で素晴らしい本です。知人の「もう販売してない」という言葉と発行年数の古さから購入を諦めていたのですが、なんと平成9年に第2刷が発行されていました!
その本のタイトルは、『熱帯の有用樹種』。財団法人・大日本山林会刊、定価¥6000です。高いと思われるかも知れませんが、その価値から考えると物凄く廉価で、しかも発刊当時そのままの値段です。よくぞここまで緻密にデータを調べ上げ詳しく書かれたものだと驚嘆します。この本が素晴らしいのは、ただ「樹種」としての学術書の域にとどまらず、「材」としての有用性について深く触れていただいているところです。虫や腐食に対する抵抗性や強度、取り扱う上での注意点など、材木屋としての視点があるのが嬉しいです。
木材図鑑を越えた、熱帯材を扱う者にとってのバイブルとも呼べる1冊なのです。今まで何故か編集先の農林省熱帯農業研究センターばかりに目を奪われていましたが、たまたま発行先の大日本山林会さんを検索したら、今でも新品が販売されていました!何という僥倖でしょう!すぐに連絡をして購入しました。それが先日届いたのですが、これは嬉しかったです。今まで膨大なコピーをみたり、南洋材の師匠・瀬村要二郎さんが、大学時代に購入したという年季の入ったモノをお借りしていは勉強していましたが、これでいつでも身近で読むことが出来ます。
これだけの出筆作業の労力を考えるとデータ収集だけでも相当なものだと思います。発刊当時の昭和53年当時、膨大な数と種類の南洋材が日本に輸入され、住宅、合板、家具などに利用され、木材産業が隆盛を極めた時代。南洋材産業に関わる男達の熱気と職業的な必要性に応じて、この本が世に出たものだと思われます。日本において、南洋材産業が風前の灯となりつつある現在において、この本に掲載された200数種類のうち、我々が見ることが出来る樹種はごく限られたものとなっています。
もはや見ることも叶わないだろう樹種の方が多いぐらいです。その一方で、その後新たに活用されるようになった樹種もあり、それらに関しては出来れば改めて取り上げていただき、追加改訂版の発刊を強く願うところです。ネット全盛の折、何でも検索出来ると思ったら大間違い。数十年前に、気概を持って筆を走らせた木の専門家の皆さんの情熱に感服すると共に、紙に書かれた文章のありがたみを実感させていただきました。木材業者に関わらず、広く南洋材の事を学ぼうという方にも絶対お勧めの1冊です。これでまた新たな樹種との邂逅の楽しみが増えました。
昨日、えひめイズムにおいて久々の「Loopto」の会議がありました。世界へ情報発信以後は、メーリングリスト等にて相互の情報交換などしておりますが、やはり膝を交えて話さないと、熱い鼓動は伝わりません。四国に上陸していたトム(ヴィンセント氏)のスケジュールに合わせて皆さん集合。「Loopto」にも続々と新しいメンバーが増えていて、やはりファーストランナーのチーム愛媛としてはもっと奮起せねばなりません。頃合いを見計らっていつも岡田さん、藤田さんが声を掛けていただき本当にありがたいです。
「Loopto」の中身もかなりリニューアルされ、マガジンや画像も加わりました。商品カテゴリーもアイテムもかなり充実してきてます。商品の見せ方の上手いショップが出てこられると、さすがだと感心しますが、同じ土俵を目指しても仕方ありあせんし、またそんな能力もありません。しょぼかろうとセンスが無かろうと、心の奥の方にあるモノを、自分の五体を使って絞り出するしかありません。パッケージばかり綺麗でも仕方ないですから・・・といいつつも、大内さん(パルスデザイン)に【森のかけら】の全商品とロゴをリニューアルしてもらって以来、パッケージやデザインの必要性は嫌というほど身に沁みてはいるのです。あまり予算をかけられない言い訳になっているのですが、そろそろワンステップ上がる時期に来ていることもよく分かっています。
出品させてもらったはいいんですが、じっと釣り糸を垂れて待っているだけでは魚は釣れませんから、撒き餌を巻いたり、竿を変えたり、場所を移動したり工夫もしていかねばなりません。分かっているのに実行しないのは、分かっていないと同じ事ですから、やはり決断せねばなりません。近々、四国の他の地域からも加入されるようです。うかうかしては居られません。こうなったら好評をいただいている【ブタマジロ】の動画を作るしかありません!かつて大学の映画研究部で鍛えたカメラテクニックで、ハリーハウゼンばりのコマ撮りのアナログ動画に挑んでみようかと考えています。『ブタマジロ、世界へ往く』とか『ブタマジロ、危機一髪』とか『ブタマジロVSゴジラ』、これって相当に盛り上がりそうです!わざとに粗いモノクロ画像にするとか・・・ああっ、仕事にならなくなる、いやこれも仕事か!
今回は素晴らしい出会いもありました。私は会に少し遅れて参加したので、挨拶もせずに話に加わったので、話を訊きながら正体を探っていましたが、『娑婆羅・バサラ』という、普通の人では考えないだろうという(失礼、良い意味で!)とんでもない(これも良い意味で)Tシャツを作られている宗野縫製の宗野陽介君。物凄く感度が合ったので(合わせてくれた)、深いお付き合いになりそうです。今治のモノ造りの執念を感じさせるバイタリティ溢れるお方。少し大人しげな「Loopto」のメンバーにあっては、待ってましたというタイプの人です。商品も実に個性的!
さて、昼間の会議の後は当然、お酒を交えての会議(?)です。ところが残念な事に、同時刻にもうひとつの会が重なっていて、2次会からの乱入となりました。トムはもとより、岡田さんとも久し振りの酒席です。本当は1次会で今治に帰る予定の皆さんを半ば強引に引止めて、お付き合いいただきました。やはりここは日本酒を呑んで熱く語り合わねばなりますまいっ!銘酒「飛露喜」にご満悦のトムでしたが、私と岡田さんでしたたか飲んでしまいました。お疲れだったのにゴメンね、トム。『ブタマジロTHE MOVIE』頑張るから、勝手に。
★今日のかけら・#083 【苦木/ニガキ】 ニガキ科ニガキ属・広葉樹・宮崎産
『苦木』、聞き慣れない名前どころか、初めてこの名を訊く方も多いと思います。建築材など主要な木材を取り上げた木材図鑑でも取り上げられる事がないうえ、生育量も多くないので、実物を見かける事もほとんどないと思います。最近も木材市場でこの木が並んだのですが、木のプロの材木屋ですら「これ、何の木?」「何か塗ってるの?」という言葉が交わされたほどマイナーな木です。高さはせいぜい10~15mで、それほど大きな木にはならない雌雄異株の落葉高木です。
この変わった名前は、枝や葉に強い苦味がある事に由来しています。樹皮を乾燥させたものは煎じて、苦味健胃薬にも使われます。生薬名の『苦木・クボク』から、この木の事を「クボク」と呼んだり、葉の形が『栴檀(センダン)』に似てることから、海岸近くに生育する栴檀に対して、『ヤマセンダン』と呼ばれることもあります。私がこの木を初めて知ったのは、愛媛大学の樹木博士講座の時に、試験林で実際に苦木の葉を噛ましてもらい、その苦さを実体験してからです。葉を噛むと本当に苦味がありました。
濃い黄褐色ですが、一切着色もしていません。これだけ濃厚な黄色が出るのは、日本の木では、苦木か黄櫨(ハゼ)のいずれかでしょう。画像では耳の部分が取れていますが、樹皮はコルク質で厚みがあり、材としての苦味はその樹皮と材にあります。この材の用途としては、その黄色味を活かして、染料や木工や木象嵌などの寄木細工などに利用されます。この樹皮を煎じた汁で衣服を洗うとノミやケジラミが付かないという事で、かつてはその除去にも使われました。
またアイヌ語では、ユクライケニ(鹿を殺す木)という別名もあるのですが、この木の皮を剥いで樹液を溜めて、鹿狩りに使う毒を精製したそうです。生薬に使う一方で鹿を殺すのにも使われるということですが、毒と薬は紙一重という事ですから、使い方内には注意しなければなりません。もっぱら宮崎あたりから産出される材を仕入れているのですが、それほど大きな材が出るわけではないので、もっぱら幅剥ぎして家具材やクラフト材などに使っています。
プレーナーで削ると当然その削り屑も材同様に鮮やかな黄色です。この削り屑を見ていると、鹿はこの木の毒性で死んだのではなく、自然界にありえないような鮮烈な色合いに驚きショック死したのではなかろうかと疑いたくなるほどの強烈な原色の真っ黄色です!見れば見るほど、捨てるのが勿体ないので、いずれ何かに有効利用できないかと思ってストックしています。染料として使われるような材は、うまく使えば骨までしゃぶれます。現在在庫にある苦木はいずれも小幅な板物ですが、うまく使えば他の木の色をうまく引き立てるコントラストになります。国産の天然木でこれだけの色合いを持つ木は大変貴重です。しなやかな発想で有効に使わせてもらわなければもったいなさ過ぎるでしょう。大きい木には大きいなりに、小さい木は小さいなりに使い方はいくらでもあります。やらねば!
様々な問題を孕(はら)みながらも、無事にAPECが閉幕しました。世界の首脳が集まる国際会議にこれほど気もそぞろになったのも初めての事でした。それは、日本とロシアや中国との関係や首脳会談がどうこうというよりも、気になったのはただひたすらに【森のかけら】の事でした。恐らく今日本でもっとも世間の注目を集める場所に送り込んだ【森のかけら】は大丈夫だろうか。日本を代表するビッグネームに囲まれて、さぞや肩身の狭い思いをしてはいないだろうか。馬鹿にされてはいないだろうか・・・と。
親馬鹿ならぬ、かけら馬鹿ですが、遠くに娘を嫁がせた親の心境とはこういうものでしょうか。【森のかけら】を展示していただいたのは、「APEC JAPAN 展示 JAPAN EXPERIENCE Ideas into Realty」という展示スペースです。期間中、横浜へ行ったの?などと訊かれましたが、セキュリティが厳格で到底近付く事など出来ません。遠く愛媛の地から、見守るだけです。事務局の方から、経過等の報告がいただけるのですが、展示販売会とは違って「売る」が主旨ではないので、ある意味気楽なはずなのに何故だかドキドキ・・・。
6日に仙谷由人官房長官主催の下、開所式を行われ14日まで各国の首脳やプレスの方々に披露されました。日本の最先端技術の結晶などのハイテク製品の中において、ただ四角く削っただけの木のキューブはさぞかし異質だったでしょうが、そういうモノをよくぞこういう晴れやかな場所に選んでいただいたものだと思います。外務省の懐の深さを感じると共に、自然素材のピュアなモノに対してアドバンテージの風が吹いている事は間違いありません。
展示はしていただいたものの、どういう国の方々が観て頂いたのか、どういう評価をいただいたのか分かりませんが、世界各国の方々の目に触れたという事実も間違いありません。【森のかけら】を作り始めて5年、こういう形で大きく世間にPR出来たのは本当に僥倖です。ただこれで世界の窓口が開いたなどと呑気な事を言う気はありません。それでも、一途にものづくりを続けていれば、どこかで誰かが見ていて、運や縁は生まれるという事は分かりました。
それも、たくさんの人のご縁や運の積み重ねの結果です。初めて【森のかけら】のパイロッ版となるモデルを作った時、それが全国の『木のファン』の方々にお買い上げいただいたり、よもやAPECのステージに並べていただくとは思いもしませんでしたが、愛媛県産業技術研究所の藤田さんや岡田前所長に出会い、佐野さん(エスデザイン)、大内さん(パルスデザイン)によって原石が磨かれ、愛媛銀行感性価値創造室の三宅さんやLOOPTOのトム・ヴィンセント氏によってひとつ上のステージに乗せてもらいました。
そこから先は、意図せぬ追い風によって結構な高台まで舞い上げられたような気分です。縁やら運など目に見えないモノを引き合いに出すと、胡散臭く聞こえるかもしれませんが、この一連の流れはそういうモノでしか説明がつきません。APECに展示していただいたのは大いなる僥倖で、自信にも誇りにもなりましたが、当然ながらここが目的地ではありません。今回の件でお世話になった皆さん、励ましの声を掛けていただいた多くの方に感謝しながらも、そろそろ碇を上げて次なる航海に出ます。だから敢えて言いましょう、「さらばAPEC」と。
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