森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

枕草子では、古名『あふち』に『逢ふ』をかけて歌にも謳われ、その姿に浪漫を重ねた事でしょうが、中世になってそのイメージはガラリと変わります。それは、かつてこの木が獄門台に使われていたからだとされています。センダンは木目の雰囲気や色合いから『ケヤキ』の代用として使われる事があり、九州地方の一部では『薩摩欅(サツマゲヤキ』とも呼ばれています。しかし見た目とは裏腹にセンダンそのものは、乾燥すれば軽くなり加工性もよく決して重硬な材ではありません。

そんな木がなぜ獄門台に使われたのでしょうか。かの生物学者・南方熊によると、そもそも『ホンモノの栴檀』にあたるビャクダンが、西洋ではその香気と相まって邪鬼を除ける霊力があるとされ霊木として崇められてきました。その後、この木とともに俗信も一緒に伝わり、悪気を祓うという意味で罪人の梟首(きょうしゅ/さらし首)に使われてきた歴史もあるのです。木が密接に生活に結びついてきたという事は、そういう場面でも木材が利用されてきたという事実にも目を背けてはいけません。

だから栴檀が不気味で不吉というのは、我々の身勝手なイメージで、センダンにすればいい迷惑です。本来霊木とされていたものが、どういう解釈で獄門台になるのか、その発想の方が不思議ですが、いずれにしても木に対する『拠り所』の多い時代だったのだと思います。骨までしゃぶって木を使う精神は、センダンにも適用され、その枝葉は毒性があることから殺虫剤に、樹皮は回虫、条虫の駆除薬に、果実は腹痛に、果肉はヒビ割れやアカギレなどにも利用されてきました。

また材は、前述したようにケヤキに似ている事から着色してケヤキの代用として大黒柱などに使われてきました。比較的大きな材が取れることから、弊社でも尺角のセンダンの大黒柱を取り揃えています。ケヤキで同じサイズであればとても持てないほどの重さでしょうが、センダンであればその半分以下の感覚。成長も早く大柄なも木目になりやすいのですが、時に綺麗な玉杢が現れたりします。ちなみに『チカミハウス』で使われた階段の材『カランタス』も、同じセンダン科の仲間というのも不思議なご縁。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年5月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
Scroll Up