森のかけら | 大五木材


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昨日のブログで「クスノキ」の事について触れましたが、本日はそのクスノキから採れる樟脳についての話。かつて日本には、三井、三菱、住友といった大財閥を向こうに回し、ひと時とはいえ天下の三井物産をも凌駕した個人商店がありました。それがかの神戸の鈴木商店です。私は生来のひねくれ者、天邪鬼な性格で、こういう小が大に勝つという話は大好物で、学生の頃から「幻のの鈴木商店」には異常なほど興味を持ち、関係する文献や小説などを読み漁っていました。


それは決して経営戦略とかマーケティングというものに興味があったというわけではなく(大学時代の専攻はマーケティングだったにも関わらず・・・)、大なる者にひと泡吹かせた時代の寵児たちの破天荒な生き様、人間そのものに興味があったのです。小鼠のような存在であったはずの彼らが、百獣の王に挑もうとした動意は何だったのか?多くの人間がひとつの時代に同じ目的に向かって突き進んでいく心理やエネルギーという見えざる力になぜだか無性に惹かれていくのです。

さて、その鈴木商店は明治7年頃に先代・鈴木岩次郎によって神戸に設立され、洋糖貿易などによって業績を伸ばしたのですが、明治二十九年に岩次郎が死去。その後、女主人よねと大番頭にして「日本一の煙突男」と呼ばれた金子直吉(上)の体制で出直すことになるのですが、「お家さん」と呼び慕われ、金子直吉との二人三脚での鈴木商店を日本一の年商を誇る巨大商社へと導いた鈴木よねの生涯は、天海祐希主演で先日ドラマ化され放送されました。

個人的には「お家さん」よりも「煙突男」の方に興味があるので、ドラマそのものは物足りなさが残りました。ちなみに「煙突男」というのは、「生産こそ最も尊い経済活動」という信念のもとに工場建設に邁進したことに由来しています。直吉が大正時代に築いた工場は、鉄鋼、造船、石炭、化学、繊維から食品に至るまで80社を超え、超多角工業集団を形成し、日本の近代化を支える礎となったのです。その鈴木商店が飛躍的な発展を遂げる契機となったのが、クスノキなのです。続く・・・

 




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