森のかけら | 大五木材


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20150108 1書き始めた時から、きっとこの話は長くなるだろうと思っていたものの案の定長篇となりましたが、いよいよ本日で完結の予定です。『網走番外地』は思わぬ大ヒットで、その後『新・網走番外地』まで含めると計18作という息の長いシリーズになりました。私はすべてを観ているわけではありませんが(これから少しずつDVDで増やしていく予定)、作中たびたび健さんたち囚人が森林伐採に行くという場面が登場しますが、北海道の原野の開拓には囚人が労働力として投入されたそうです。

 

20150108 2明治の混乱期に政府に立ち向かった国賊と呼ばれる大量の罪人を収監するために新たな監獄を作る必要があったのと、富国強兵の政策から北海道の開拓が急がれていた時代。囚人を使えば費用を抑えられるという事もあり北海道の各地に刑務所が作られました。道路の開削工事や森林伐採は、険しい地形や熊などとの戦いでもあったともいわれ、映画と同様に逃亡を防ぐために囚人はふたりずつ鉄の鎖に繋がれての重労働で、その過酷さあまり多くの囚人が命を失ったと言われています。

 

DVC00684そのため映画同様に脱獄を企てる囚人もいたようですが、脱獄できたとしても大雪原に行く手を阻まれ『日本一脱出の不可能な刑務所』とも呼ばれました(昭和初期には数名の脱獄があったそうですが)。そういう事もあって、その後「網走」や「番外地」、「極寒の監獄」といった過激なイメージが独り歩きをするようになるのですがそれもこの映画の功罪。実は私もその呼称を、このHP内の『今日のかけら』コーナーで、『番外篇』という事で使わせていただきオマージュを捧げているのです。

 

20150108 4森のかけら240】のリストに含んでもらえなかった恨み節というわけではありませんが、晴れやかな表舞台に立つことは出来なかったものの、そのキラリと輝く個性派そのまま光もあたるところに閉じ込めるなんてモッタイばかり。それで『番外篇』という形で樹の紹介をさせていただいているので、『今日のかけら・番外地』なのです。今やっと明かす命名秘話ですが、だからといって何か問題や凶暴性があるというわけではありませんので念のため・・・。

 

20150108 5ところで映画の中で逃亡計画を図る囚人たちの話し声の中で、確か「丸紅製材の四時の定期便・・・」という言葉が出てきます。原木を運ぶ定期便の事だと思うのですが、明治初期の開拓時代には主に製材マッチ軸木だった木材の用途も、製紙原料として飛躍的に用途が拡がり、その定期便もそれを運ぶ車(機関車)だったのかもしれません。『網走番外地シリーズ』は、この後九州や四国にも舞台を移しながら大暴れすることになります(四国松川刑務所とか坪島ドックの坪島とか)。

 

20150108 5権利や肖像権が曖昧というかおおらかな時代だったのでしょう。高倉健が歌う『網走番外地』の主題歌にも不適切な表現が含まれているとかで長らく放送禁止になっていたり、作中にもきわどい描写がいくつもありますが、そんな事でこの映画を封じ込めてしまうなんて愚か。そんな折に出版されたのがディアゴスティーニの『東映任侠映画DVDコレクション』!なんと任侠映画100連発!お陰で見逃していた『網走シリーズ』も観る事が出来そう・・・なんて、嗚呼すっかり囚われの身!




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