森のかけら | 大五木材


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昨日も書きましたが、金沢城を訪れる前(正確には改修された菱櫓を見るまで)までの私の『能登ヒバ』に対する認識は、津軽から『青森ヒバ』の苗木を持ち込んで移植した(現在では、もともと能登に自生していたという説があるようですが)ものなので、「天然」の青森ヒバに比べると、まだまだ若い「養殖」というようなイメージがありました。それは、それまで弊社で取り扱わせてもらっていた能登ヒバがすべて大きな節のあるフローリングやパネリングだったことに依るものです。

鳳至木材さんの会社を訪ねる前、以前にお世話になっていた能登の製材工場では無節の柱や板が挽けるような大きな原木を挽いていなかったので、菱櫓の中に使われていたような立派な板が挽けるとは夢にも思ってもみなかったので、勝手に自分の中で能登ヒバの可能性を小さくしていました。けれど誤解があるかもしれませんが、決して「養殖」が悪いとか、下に見ていたというわけではなくて、それはそれぞれの地域特性というか「個性」という感覚。それは愛媛の木材が置かれた位置に似ているかも。

かつてヒノキの生産量日本一を誇った森林王国・愛媛ですが、全国レベルの供給が可能という森林資源を背景に持ってはいるものの(平成16年は、岡山・高知に次いで第三位)、他地域のようなエッジの効いた特徴があるわけではなく、業界におけるポジションとしては決して高くはないのが実情。だからといって悲観するつもりはなく、従来と同じ土俵で色分けするのではなく、別の特徴やら使い道(出口)で際立てばいいのだと思います。中途半端に中道を行くよりは、とにかく良くも悪くも振り切れることが肝心かと

城のような、ある意味木材にとって王道ともいうべき用途を見れば見るほどにますます、そっちの思いが強くなる天邪鬼的性格。ところで城といえば、愛媛でもおよそ3年をかけて平成16年に大洲城の天守が復元されましたが、使用された木材の総量は450㎥(ちなみに金沢城は1,000㎥)、木材費用は13億円、延べ床面積は140坪。重層を支える梁は110本に及び、丸太の直径は3尺近いモノを使ったそうですが、さすがにそれだけの巨木となると地元だけでは調達できず、木曽ヒノキが使われました。

何度か大洲城には行ったものの、今回金沢城の雄姿を見て、もっと地元のモノにもきちんと接していかねばと思った次第。近すぎるゆえに気が付かないということもありますが、せめて愛媛に来られたお客さなにある程度は説明できるようになっていねばと、地元金沢の事を誇らしく語られる金沢の方々の話を聞いていて強く思ったところ。さて、これにて金沢城のお話しは終了。この後は、金沢城公園に移動してその後、21世紀近代美術館で長かった石川県篇も最後となり、いよいよ場所は隣の福井県へと移っていくことになります。まだまだ続く・・・




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