森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

 ★今日のかけら・171【ゼブラウッド】 Zebrawood  マメ科・広葉樹・アフリカ産

20110114 そろそろゼブラウッド!・・・①

巷では、正義の使徒・タイガーマスクの事が話題となっています。そのせいでしょうか、このブログでも「タイガーマスク」での検索が爆発的に増えています。以前に、大好きっだった2代目タイガーマスクこと三沢光晴さんが亡くなられた時に、プロレス最強を信じて疑わない少年のDNAが騒ぎ出し、弔意を表明したという1回だけのアップだったのですが、そこからよくぞ辿り着いていただいたものだと感謝致します。全国でたくさんのタイガーマスクが増殖中。真のヒーローとはこういう人の事を言うのでしょう。人の情けが身に染みる世情であります。 20110114 そろそろゼブラウッド!・・・②

20110114 そろそろゼブラウッド!・・・③ そのタイガーマスクの虎縞をモノクロにしたような美しい縞を持っているのが『ゼブラウッド』です。地域によっては『ゼブラノ』とか『ゼブラ』あるいは『ジンガナ』とも呼んだりします。名前の由来は、まさしくそのシマウマ模様から来ているわけですが、ここまで白黒のストライプがはっきりしていなくても、縞柄のある木を一般的に「OO ゼブラ」とか俗名で呼ぶ事も稀にありますが、何といってもこれが本命。心材の太めの幅の縞と、辺材付近の極細の縞とが渾然一体となった1枚板の造形の美しさは何度見ても溜息が漏れます。

私が初めてこのゼブラウッドに触れたのは、今から15、16年前の県外の大きな木材市に行った時の事でした。それまで木材図鑑などで、その容貌は知っていたものの実際に無垢の1枚物を見て、触れたのはその時が初めてでした。背後からタイガースープレックスを受けたようなもの凄い衝撃を受けました。それまで県産材のスギヒノキケヤキあたりしか知らなかった井の中の蛙が外の世界を初めて見た瞬間だったかもしれません。その時すぐには購入できませんでしたが、縞馬模様が脳裏から離れなくなりました。 20110114 そろそろゼブラウッド!・・・④

20110114 そろそろゼブラウッド!・・・⑤ もう、「木が私を呼んでいる状態」です。それから寝ても冷めてもゼブラの事が気になって仕方がありません。しかし、美しい薔薇には棘があるという格言通り、美しいゼブラにはリスクがあるものです。当然大きなサイズはかなり高額ですし、持ってみてビックリの重量感!しかも説明を聞くと、乾燥はしにくいうえにねじれやすく反りやすい、表面には大きなクラック(割れ)も走っています。よほど覚悟がなければ大金をドブに捨てる可能性もあるのでは?当時、まだ広葉樹どころか針葉樹の事さえろくに分からず、ましてやこんな木を仕入れたことも売ったこともないど素人にとって、これはアンタチャブルな木であったのです。『買ってはいけない。こんなもの仕入れて誰にどうやって売るつもりだ。絶対に叱られる!止めとけ、まだお前が手を出すものじゃない!』頭の中でもう一人の自分が叫びます。分かっているのです、そんなことは百も承知だ。

その後、そういう格闘がしばらく続きましたが、新たな味覚を知った妄想の暴走は遂に制御不可能となりました。昔は父親(先代の社長)と一緒に市場にも行っていたのですが、そのうち一人で行くようになったのを契機に、欲望が爆発!運もいい事に、ちょうど耳付き板の注文もいただいていたりしていたので、ついでにまとめて交渉してやろうと思い切って手を上げました!さすがにまだあテーブルサイズにはビビッてしまい、框サイズを1本(!)のみ購入。それでも10万近かったですから、当時はそれなりの覚悟でした。 20110114 そろそろゼブラウッド!・・・⑥

20110114 そろそろゼブラウッド!・・・⑦ それを持ち帰って倉庫に展示していたのですが、やはりそれだけ個性のあるものですから、材を探しに来られたお客さんの目に止まります。当時は倉庫には変わった材は少なかったので余計に目立ったんでしょう。「この面白い木、何?」と尋ねられ、ほとんど持ち合わせてない知識を寄せ集めて片言で喋ります。自分の嗜好と感性で仕入れたので、木の良さをうまく表現する言葉を見つけられず、乾くのにすごく時間がかかるとか、割れやすい、重たいとか、デメリットな事ばかりを言っていたように思います。

自分より遥かに経験豊富な大工さん達に、うまく説明できる知識も自信もありませんでしたし、何よりも「売りたくなかった」のです。初めて手に入れたゼブラをもっと手元に置いて眺めていたかったし、もっともっと自分の物にしたかったのかもしれません。そんなですから当然ゼブラはそのままですが、それから何度もゼブラは話のネタになりました。買っていただかなくとも「へぇ~」なんて感心していただければ、素人なりに嬉しいものです。じゃあ、次はもうちょっとうまく喋れるようにと木材図鑑を読んだり(今のようにネットはありませんでしたので)、市場で担当の方からお話を伺ったり、自分なりに少しずつゼブラ物語のエピソードを拾い集めるようになりました。このあたりに、今の私を形成した原点があるように思います。そうだ、ただ商品を売るだけでなく木の話も人に楽しんでもらおう!そしていよいよ調子に乗った若者(馬鹿者)は、禁断のテーブルサイズに手を出すことになるのですが、それは明日の話・・・。 20110114 そろそろゼブラウッド!・・・⑧




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
Scroll Up