森のかけら | 大五木材


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ヒノキスギなどでも試しましたが音の響きが違います。他の木ではミズナラのような深いみのある音がしません。最初は家内に頼まれて半ば疑心暗鬼で作ったものの、その乾いたような音の響きに魅せられていきました。大きな割れもあったりするので、小さく割り返すにも抵抗も少なく、小さなものまで使えるのでロスもほとんどありません。しかも丈夫で耐久性もあるため、子供の荒っぽい扱いにも耐えられます。硬質なナラならではこういう材の適性をうまく生かした出口が見つかると嬉しいだけでなく安堵感もあります

とはいえ、そこそこ大きなものでコンディションもいいものはさすがに小割せずにそのまま使います。例えば2ⅿ以内で幅が300~400㎜ぐらいであれば愛媛のナラの一枚板で家具を作ることも可能です。ただしまだまだ原料が少なくコンディションのいいものばかりというわけにはいきません。割れや虫穴、青染みなど脛に傷のあるようなものも多くあります。普通の木であれば明らかに「欠点」扱いされるそれらの特徴も、ナラの場合は味わいのある「キャラクターマーク」に昇華できてしまうところもこの木の魅力のひとつだと思います。

それはもののとりようと思われるかもしれませんが、そういう傷や割れ、虫穴すらも表情のひとつ、いやもっと格好良く言えば、それらは『森の履歴書』であるとと言い切っても過言ではないほどに、長生きしたミズナラの表情には深みと味わい、そして厳かなまでの説得力があるのです。さて、ここで前述の旭川産のミズナラに登場していただきましょう。長さは2400㎜、幅は900~1000㎜、厚み48㎜のキングサイズ!北海道から愛媛に移り住まわれて既に15年が経過。一緒に移住した兄弟たちの多くはもういません

残ったのはこの2枚のみ。いずれの体にも大きく深い傷が刻み込まれています。北海道の森でどう生きてきたのでしょうか。まさかその後はるばる愛媛の地にまでやって来ようとは思ってもみなかったかとでしょう。そんな彼らにも日の当たるチャンスがやって来ました。年明けからキングサイズの一枚板のテーブルを作りたいという話が同時期に3,4件舞い込みまして、その都度彼らもオーディションに参加してきましたが、その中のあるご夫婦の目に留まりこのままダイニングテーブルとなることが決まりました。巡って来た15年目の春!




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