森のかけら | 大五木材


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今まで床柱やフローリングでしか扱った事のなかった『メルバオ(Merbau』ですが、海外ではどういう用途に使われているのでしょうか。まずその特徴ですが、気乾比重が0.74~0.90と非常に重たく沈木である。その硬さの割りに加工性はよくて、乾燥による歪みやねじれも強くない。耐久性も高くて、シロアリなどの虫に対しても高い防蟻性を持つ反面、防腐剤の注入は困難であるというもの。床柱、フローリング、かけら以外での利用実績が無いので、書いていてもいまひとつ実感が湧かないのですが、典型的な硬質系南洋材の1つです。

こういう木の用途として木材事典などに記されている用途は、主に床材、キャビネット、パネル、家具、楽器、挽物、柄、指物、重構造用材など。つまり、メルバオでなければならないというマストな出口は定まってはいないようです。大きな材加工したから際に、黄色いシュウ酸石灰がどれぐらい刃物に影響を与えるのか分りませんが、いろいろ試してみたもののその事がネックとなって用途が広がりきらなかったのかしれません。折角、この木はメルバオだと断定できるポイント付きなのだから、何かもっと『ならではの用途』があってくれると嬉しいのですが・・・

なんて思っていると、先日思わぬところで違った出口の形に加工されたメルバオに出会いました。それがこちらの太鼓の撥(バチ。まあ、これもいわば先日の『シラガシ(白樫) 』からの引き寄せのようにも感じる撥(ばち)繋がり。これはメルバオが太鼓の撥に向いているから作ったというよりは、たまたまメルバオがあったので、重たくていい音色が出そうなので作ってみたという事でしたが、持ってみればズシリと重く、叩くにもかなりの力が要りそうで、腕っぷしが強い人向き。サイズにもよりますが持った感覚では白樫よりも重く感じました。

増え琴に撥と音色を出す出口繋がりながら、音の良さなどまったく分らない無粋な人間なので、その有効性が見極め出来ませんが、相当力強い音が出るのは容易に想像できます。その太鼓の撥を扱っていらっしゃるのは松山市内で、太鼓や撥、笛、提灯などなど祭りに関する道具を扱っているお祭り道具専門店『まつり屋 田内』さん。店主の田内さんが防災士の資格をお持ちだという事から、昨年店舗を改装されて店の一角では防災用品や非常食、防災無線などの防災用品などの販売も行われています。

このブログでも何度か書いた『ラミンの丸棒』も残った分はすべて田内さんがお買い上げいただき、練習用などの太鼓の撥として販売していただいています。変わった材を売るには、変わった人と変わった出口とのつながりが不可欠!そこで拝見したメルバオは、メルバオならではの出口というわけではないでしょうが、重硬材の用途を考えるヒントになりました。こういう出会いでもないと『今日のかけら』で取り上げにくいのですが、まさかこんな身近なところでメルバオが使われていたとは。常に高い意識で出会いを求め続けることの必要性を痛感しました。メルバオが招いた僥倖。




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