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| 木に貴賤なし!が私の信条ではあるものの、得手不得手はあって、実はマツ全般がちょっと苦手だったのです。厳密に言えば、生材のマツ。フローリングなどの製品となったものは、苦手どころか歓迎するほど好きですが、未乾燥のマツが苦手なその理由は2つあって、その1つがしつこいマツヤニ(松脂)でした。しかしこちらはハンドボールクリーナーによって解決。もう1つの理由もそのヤニに関する事なのですが、加工時の目詰まり。弊社では基本的にオイル塗装なので、仕上げは超仕上げではなくサンダー。 |
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超仕上げとは、加工された材を再度カンナで薄く削って仕上げる技法の事で、より滑らかさや光沢を得ることが出来ます。一方でサンダー仕上げとは、表面をベルトサンダーなどで磨いて仕上げる技法の事で、艶や光沢は無くなるものの、塗料の吸い込みが良くなります。オイル塗装をする場合にはサンダー仕上げの方が適しているとの判断から弊社ではサンダー仕上げを基本としています。マツの場合、見た目には溢れ出るようなヤニが見当たらなくとも、サンダーをかけるとすぐに目詰まりしてしまいます。 |
| それですぐにエンドレスベルトを取り換えなければならなくなってしまうのです。他の樹種であれば何度も使えるベルトが、よく乾燥したマツであればそれほどでもないものの、生材だったり乾燥が甘いと1回の加工で完全に目詰まりしてしまうこともあって、これが続くと結構な出費。そういう理由で生のマツが苦手になり、マツの丸太の仕入れには二の足を踏むようになりました。なので今回も積極的に働きかけたわけではないのですが、木との縁も一期一会ですので、あえて苦手な分野にも飛び込んでみました。 |
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そしたら、マツヤニクリーナーとの出会いがあって、苦手な理由の1つが解消。更にもう1つの苦手理由を解消できる画期的な商品(目詰まりしたベルトサンダーにこすり当てると目詰まりを除去できるベルトクリーナー)にも出会うことが出来ました(まあこちらは現在注文していてまだ使ってはいませんので、実際にどこまで優れものなのか検証していませんが)。これも『かけらの神』のお導きだと思っています。そういう道具を与えるから、マツも毛嫌いせずにきちんと出口まで面倒見ろよとの、無言の圧力! |
| きっとマツを挽かれる製材所などでは、当たり前の話なんだと思うのですが、私はそれまで「ヤニは材木屋の証として耐えるもの」という前時代的なものの考え方だった(ただそういうものを探すのが面倒くさかったとも言う)ので、このモルテンのクリーナーは衝撃でした!最初、どれほどのものかと少し疑っていたものの実際に使ってみたら、ヤニが落ちる落ちる!あれほどしつこかったヤニが掌から浮き上がるように剥がれていくではないですかっ!これは素晴らしい~。今まで知らずに随分損をした気分。 |
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成分は界面活性剤と石油系溶剤とのことですが、クリーナーだけでなくハンドボール専用のマツヤニまで販売されていました。落とした後若干石油臭さは残るものの、どうせすぐに掌は木の匂いで包まれます。あまりに気持ちよくヤニが落ちるので、初めて使った日は何度も何度もそれを繰り返してしまいました。ヤニからの解放がこれほど爽快な気分になるものだったとは!そこから先はマツの整理にも気持ちが入って、作業もスピードアップ。3t車山盛り3台分ぐらいあった板も綺麗に桟積み完了しました。 |
| 誰かにやらせればいいのにと思われるかもしれませんが、こうやって桟積みしてこれからひたすら太陽と風に任せて1,2年は乾かしていくわけですから、それがどういうものであったか自分の目で見て、記憶に焼き付けておかないと、乾燥後にどういう価格設定にするのか、どのサイズの板をどういう用途で使うのかなど戦略も練れません。なによりこれからしばらくは会えなくなるのですから、乾燥して立派に成長する前の姿を見ておかなかったら、とても1,2年も辛抱して待つことなんて出来きるわけがありません。 |
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直径600~800㎜ぐらいの立派なアカマツでしたが、ヤニっ気の多いのと少ないのが混在していて、ヤニの多い方は切った小口から水飴のように溢れ出しています。一方でヤニっ気の少ない方は表面もそれほどねとつきがなく、小口からの滲み出しも見られません。さあこれから長い乾燥期間を経てこれらがどういう風に成長変化していくかが楽しみです。乾燥の経緯を確認するために、数枚は倉庫に立て掛けて様子を見ていくつもりです。これで私の中のマツの苦手意識は少し薄れたものの、実はもう1つ苦手な理由が・・・ |
| ある研究によると、およそ全ての色について女性は男性よりも色を識別する能力に優れており、より細かな色の違いを見分けることが出来るそうなのですが、高校生の娘たちと話しているとそれはよく分かります。男が識別能力に欠けるという事もあるかもしれませんが、それよりも細かく識別する事自体に興味がないということもあると思います。娘たちが話している服の色の微妙な差にどれほどの意味があるのか、それが分からない・・・。これは男性が、というよりも私個人的な見解です。 |
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視力とかいう話ではなくて感受性の問題なのかもしれませんが、服とかだけでなくて仕事である木の色についても言えることで、そもそも持っている語彙が少ないという事もありますが、木の色合いの微妙な違いを言葉で表現するのがとっても苦手。木の場合、伐採直後こそ水分が多くて瑞々しいものの、しっかり乾燥してしまえば全般的に色が淡くなるので、その違いも本当に微妙になるため、違いを伝えること自体容易ではありません。このブログを書いていても的確な表現が出来ず臍を噛むことしきり。 |
| 分かりづらい色の区別の中でも特に黄色が苦手なのですが、『カーキ色』なんて未だにどれがそれ何だかよく識別出来ません。薄くて淡い黄色ぐらいの表現で別に困ることのありませんが、先日加工した木材の利用用途に「カーキ色」の名前が!その木とは、中南米産のクワ科の広葉樹『タタジュバ(Tatayuba)』。国によっては『モラル(Moral)』とも呼ばれる木で、高いものでは40m近くにまで成長する大木ですが、私も出会ったのは数年前の事で、未だにその明快な用途は定まっていません。 |
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とりあえあず仕入れてみたので、これから探り探り適性を見つけていこうと考えているところです。気乾比重0.77で、非常に重硬でシロアリにも強く耐久性も高いため、海外では船材としても有力だそうです。他にも橋や桟橋など水に浸かる重構造物やボート、水槽にも利用されるのですが、材質以上にこの木を有名にさせているのはその色合い。仕入れた時は、表面がすっかり日焼けしていて濃い赤茶に退色していて本来の色合いが分からなかったのですが、削ると鮮やかなオレンジ色が現れました。 |
| 【森のかけら】では国内外の240種を揃え、それ以外にもマニアックな材を扱い、『木に貴賤無し』をモットーとしている弊社ですが、本音を言えば苦手な木もあって、あえて無理してまで集めない木もあります。苦手とは具体的にどういうことかというと、材に癖があって取扱いに特別なノウハウが必要とか、その木のネタが少なくて盛り上げにくいとか、単に出口が少なくて売るのが下手とか理由はさまざま。木としてメジャーでネタも山盛りなのですが、ちょっと苦手としていて申し訳なく思っているのが実は意外にも『マツ』。 |
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| 更にその中でも丸太、耳付き板、製品など形状もさまざまで、フローリングやパネリングなどの最終商品に関しては日頃から大変お世話になっています。ここで私が苦手と言っているのは、耳付き板など丸太を挽いた状態のマツ。飴色に輝くマツの光沢などは大好きなのですが、私に距離感を抱かせる最大の要因はその重さとヤニ。小さな材の場合はそうでもないのですが、ちょっと大きな耳付き板とかになると、乾燥したといってもかなりの重量。私の場合、材を持った時、納品時の事までイメージします。 |
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最終的に自分も納品に関わることになるので、若い頃にはそうでもなかったもののさすがに最近はあまりに重たい材は少し辛くなってきました・・・。まあそれは人数でカバーも出来るのですが、問題はヤニ(脂)。マツにとっての生命線であるのですが、若い頃からどうにもこのヤニが苦手で、ついついマツと距離を置いてしまうことに。昔、長野で初めてマツの脱脂乾燥を見たときは衝撃を受けたものです。私が高校生の頃に建てた実家の床に使ったマツは、今でもヤニが噴出しています。ヤニも木言葉同様に長寿です。 |
| 昨日、アメリカで発生しているホワイトアッシュの虫害の話に触れましたが、リアル生物の苦手な私としては、成虫ならまだしも芋虫の幼虫はお目にかかるのも避けたいところ。弊社でも最近は丸太を扱う機会が増えて、土場には招かざる訪問者がウヨウヨといらっしゃっておりますが、アメリカのそれとなると体形もかなりビッグだと思われ、私の恐怖度も増幅されると思われます。蛇やトカゲなどのヌメヌメ系に比べると、まだどうにか成虫のメタリックなボディは触れるのですが・・・ |
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まあ、それも慣れというもので、さすがに日々カミキリムシの幼虫に出会っていると恐怖感も薄らいできました。しかしこれが大群で発生となると・・・そういうニュースを聞いて私の脳裏に浮かぶのは、映画『神と王』の空をも覆いつくさんばかりのイナゴの大群が町を襲うシーン。勢いよく口にも飛び込み、あらゆるものを食い尽くす!ホワイトアッシュの虫害は、幼虫によるものなので状況は違いますが、ひとたび虫に狙われてしまうともうそれが収まるまでひたすら耐えるしかないのでしょう。 |
| 恐らく現地ではそんな呑気な事を言っている状況ではないと思われますが、アメリカなどの大規模な森林火災などの報道を見ていると、人間の力で抑え込むことには限りがあって、自然に鎮静するまで見守るしかない、手のつけようがないというのが現実だと感じます。2017年にカリフォルニアで起きた森林火災の焼失面積は約9万ヘクタール(ちなみに東京都はおよそ 21万9千ヘクタールなので、東京都のおよそ半分近くが焼失した計算)ということなので、火災にしても虫害にしても日本とは桁違い。 |
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日本の零細弱小材木屋に出来ることは何もなくて、ただその現実を受け入れるしかないのですが、今まで北米産広葉樹の中では価格もリーズナブルで人気のあったホワイトアッシュが、今後手に入りにくくなる可能性があると思うと、倉庫に立てかけるため担ぐ板も何だか重く感じられます。『木は決して人間のためにだけ生まれてきたわけではない』というのは私の信条ですが、それは綺麗ごとではありません。ホワイトアッシュに限らずこの問題は、すべての木が避けては通れない宿命。 |