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| 昨日ご紹介したブルーステイン入りの個性的なモミジバフウですが、特に節の周辺はスポルテッドの黒筋とも相まって魅惑的な表情を生み出していて、まるで小宇宙のよう!に見えだしたりしたらかなりの病気ですが、木なんてこちらの受け止め方次第ですからね。私的には万人受けする美しい虎斑や縮み杢などの高級銘木なんかよりも、多くの人が見向きもしないような欠品扱いされるような木の中に、現れているへそ曲がり的な主張の方が好きです。もっとも銘木の世界なんて、目利きの集まりで私には場違いな舞台です。 |
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そんなひねくれ者の個性の首長として、こういうものもあります。こちらはビーチ(ブナ)のスポルテッド材。誰かが意思を持って描いたとしか思えないほど芸術的に洗練された絶妙な黒筋。これはうちで造り出したものではなく、東北の兄貴筋から購入させていただいたもの。長さは2mで幅は160~280、厚みは35㎜前後。全部で18枚ありますが、全部が全部これだけアーティティックなスポルチッドになっているわけではありません。1枚1枚木柄を見ながら、私の趣味と偏見で我が子に名をつけるがごとく独自に値付けしました。 |
| スポルテッドって、この辺りではあまり好んで使おうという工務店さんや設計士さんはいません。そもそも、こういうモノをあまり評価する遊び心のある土壌が無くて、銘木的な価値観でモノを見る施主さんが多いので、なかなか提案そのものを受けてれていただけません。そこには私の怠慢もあって、どうせこういう個性の強い木ってなかなか売れないだろうからと倉庫の奥の方にしまってしまい、そういうリクエストがあれば奥から引っ張り出してきて見せたりしてきたので、一般の方がぶらりと来店して見るという機会もなかったのです。 |
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やっぱりこういうものって、実物を見るて触るれて感じる事が大事。それまであまり興味がなくとも、見ていたら魅入られてすっかり虜になるということもあるかもしれません。なのでこのビーチのスポルテッドはなるべく倉庫の中でも目に付くところ置いておいて、魅入られて思考停止になって知らない間に財布の紐が緩んでしまい、気がついたら購入するという作戦でいこうと思っています。ブルーダイヤって見つめていると瞳に魔力が宿るとか言われたりしますが、このスポルテッドにもそういう魔力が備わっているはず!なぜって既に私がその最初の犠牲者なのですから。 |
| 慌てて倉庫の中で眠っていたムイラカチアラの板材も削ってみたのですが、こちらには縞柄がほとんど出ませんでした。120☓30㎜のウッドデッキを見ても、すべての木に縞柄が出るわけではないので、ゼブラウッドみたいにどれでもガッツリ縞が出るわけではないのかもしれません。木取りによっても出る出ないはあると思いますが、縞柄はなくとも表面をロウでコーティングしたような滑るような独特の質感は共通です。そのため加工した直後に重ねて運んだりすると、滑り抜けたりするので注意が必要です。 |
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本来はウッドデッキに使うつもりで仕入れたモノの、その縞柄に魅了され、これをウッドデッキに使って色褪せさせるのはモッタイナイと思い、何かしら別の出口がないかしらと思案。滑らかさも生かそうと、丸く削って『円い森』にしたこともあります。色合いも縞柄も(全部に現れるわけではないですが)個性的なのですが、残念ながら知名度が無いのと覚えにくい名前が災いしてなかなか売れず・・・。他にもいろいろムイラカチアラの出口を探ってみたものの、やはり名前が知られていないというのは厳しい! |
| まあ逆の立場になって考えてみれば、同じモノを買うにしても見たことも聞いたことも無い木よりは、自分が知ってる木や少しでも関わりのある木を買いたいと思うのはひとの心情。私のように、むしろ知らない木だからこそ萌える!っていうひねくれ者でも現れないとなかなか売るのは難しい。普通にウッドデッキで売れば売れるのでしょうが、ひとたび目をつけたからには、何とか自分なりにこの木が生きる(この木でなければならないような)出口を見つけてあげるのが、うちに来てくれたこの木に対するせめてもの礼儀。 |
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そしたら、そんなムイラカチアラに対してネットである問い合わせが!木の大好きな友人がいていろいろな種類の木を収集しているらいしのですが、その彼がムイラカチアラはまだ持っていなくて、是非プレゼントしたいという事。コレクターにプレゼントされるという事で、購入されたの少量でしたが、量など問題ではありません。そういう方に繋がってご縁が生まれた事がありがたい!世の中、思っている以上に変人・奇人・変わり者(失礼)は多いもの。きっとムイラカチアラじゃなければ!っていう人がいるはず。 |
| ★今日のかけら・#222【ムイラカチアラ/ゴンサロアルベス】 Muiracatiara/Goncalo Alves ウルシ科・広葉樹・中南米産 |
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| 地域によって木の名前もさまざまですが、中にはとんでもなく覚えにくかったり言いにくい名前の木もあります。例えば中南米原産のこの『ムイラカチアラ』もそんな木のひとつ。Muiracatiaraを強引に日本語読みしているので、「ムイラカティアラ」とか「ムイラクアテイアラ」など本によって表記もさまざま。あまりに言いにくいので別名とかないのか調べると、別名も『ゴンサロアルベス』Goncalo-Alvezというこれまたなかなか覚えにくいし発音しにくい名前。他にもいくつかの別名があるものの一般的なのはこの2つ。 |
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材木屋の人間でも、そんな木なんて実物どころか名前も聞いたことが無いぞ!って言われる人が多いかもしれませんが、それは日本に入ってくるこの木の用途がほぼウッドデッキに限られているため、硬質のウッドデッキ材を扱われていないと縁の無い木だと思います。最初に私がこの木に出会ったのは今から15年ぐらい前の話。たまたまこの木に出会って、売り先も無いのにとりあえず興味本位で買ったのですが、その時はウッドデッキ材ではなくて厚み25㎜の板材でした。買ったはいいが情報も乏しく売るに売れず。 |
| それから永い間倉庫の奥で埃をかぶることになるのですが、それから数年後にムイラカチアラとの思わぬ出会いがありました。弊社では外部のウッドデッキには硬質の高耐久性木材を提案しているのですが、その供給元は愛知の㈱ランバージャックさん。ランバージャックの社長の渡邊健太君とは、日本木青連時代に出向していた頃からのつき合いですが、中南米産の硬質木材のオーソリティで私が絶大な信頼を寄せるプロフェッショナルの材木人のひとりです。こういうその道の専門家がいると本当に心強いのです。 |
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そこで数年ぶりに出会ったのが、ウッドデッキ材になったムイラカチアラ。出会った時がご縁という信念で、少しだけ仕入れさせていただきました。元々持っていたムイラカチアラの板は、かなり経年変化が進んでいたのと、出番もなかったので削りもしなかったので意識もしてなかったのですが、この木には『タイガーウッド』という別名もあるように、鮮やかな代赭色(たいしゃいろ)の中にかすれたような淡い黒の縞柄が現れます。すべての木に縞が現れるわけではないのですが、倉庫に眠る木がこんな木だったとは!? |
| 四国電力さんの広報誌『ライト&ライフ』から転じて、宮崎の『霧島アカマツ』の話の続きです。若い頃、木材の地域名に対して深く考えたりしていなかったので、言われるがままに記号としてインプットしていたので、その名前の背景や由来に関心もありませんでした。なので宮崎から入ってくるマツは『霧島アカマツ』というのだと漠然と考えていました。後年になってその宮崎の銘木屋さんの所に行くことになって、初めてその名前の由来とかを聞いて、初めてそういう事だったのかと気がつきました。 |
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銘木屋さんが扱っていたため必然と目の込んだ高齢木で木目の面白いモノが多かったため、霧島アカマツって質のいいものがあるなあと思っていたら、その銘木屋さんによると、もともとは霧島連山周辺の山から産出されるアカマツの中でも特に良質で樹齢が200年ぐらい経たようなモノを『霧島アカマツ』と称して銘木扱いしていたものだったそうです。そこまでの品質ではないモノは、『日向松』として分類されていたらしいのですが、商圏が広がるにつれその区別が曖昧になっていったという事のようでした。 |
| まあ木の世界ではよくある話で、もともと口伝で語り継がれる世界なので、遠くに行けば行くほど話に尾ひれ背ひれがついたり、話が盛られたり、混乱するもの。その話自体もどこまでがどうなのかはっきりとは分かりませんが、そういった分類のようです。そう聞いてから在庫の『霧島アカマツ』を見直して見れば、確かに銘木と思わせる雅趣に溢れた杢のモノも多いのですが、中にはとても銘木とは呼べないような目の粗いモノも混ざっていたり。そういえば、銘木屋さんも「霧島の松」と言ってたような(笑) |
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さて、今NHKの大河ドラマ『西郷どん』は佳境を迎えておりますが、その薩摩藩士たちが宝暦治水工事の際に地元から苗を持ってきて、油島締切提(岐阜県)に植えたのが『千本松原の日向松』。徳川家重の時代、力を持っていた島津藩の勢力を削ぐために、大洪水で被害の出た堤防工事を島津藩に普請させます。当時40万両とも言われた巨額の資金をさせられた薩摩藩の藩政は逼迫し、堤に植える松の苗を購入する資金にも事欠き、仕方なく地元から持ってこようと片道25日をかけて薩摩に戻ることとなったのです。 |
| 長い船旅を終えてようやく日向まで戻ってきた一向は、島津藩とは親戚筋に当たる佐土原藩の国家老の屋敷に泊めてもらうことになります。事情を知った佐土原藩家老は事情を知ると家来たちに命じて日向に自生していた苗を採取させて船で届けたのです。届いた日向松の苗を薩摩藩士たちは泣きながら植林しました。その後、日向松は立派に成長し、『千本松原』として美しい景観を作り出しているのです。その一方で治水史上最大ともいわれた宝暦の治水工事は困難を極め、巨額の資金を費やし、多くの犠牲を出したことから、指揮を執った薩摩藩家老・平田靱負は自刃するのです。 |
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平田靱負(ひらたゆきえ)は、次のような辞世の句を残しています。「住みなれし里も今更名残にて立ちぞわづらふ美濃の大牧」。その無念いかばかりであったか・・・。男気溢れる薩摩藩士たちの奮闘と生き様を描いた『薩摩義士伝』(平田広史著)は涙なしには読めません。近年多発する自然災害によりインフラが大きな被害を受けていますが、その陰で全力を尽くして復旧に励んでいただいているのが四国電力さん。『ライト&ライフ』の取材から大きく迂回しましたが、ここにきて奇跡的に話が繋がりました。これぞ『力技と引き寄せのかけらの法則』!(笑) |
| 四国電力さんが毎月発行されている広報誌『ライト&ライフ』に弊社が取り上げていただくことになり、取材していただきました。『ライト&ライフ』とは、「弊社の事業について皆さまにご理解を深めていただくとともに、四国の歴史や文化、伝統産業、さらに地域の新しい取り組みなどをテーマにご紹介するもので、毎月発行しております。」という趣旨で四国の様々なヒトやモノを幅広くフィーチャーされています。という事で、そのふり幅の広さから11月号は『木の魅力、再発見』というテーマで弊社に声をかけていただいたのですが、材木屋としては王道を踏み外しているうちのような会社が果たしてふさわしいのか?! |
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いやいや、王道を踏み外しけもの道を這うような会社だからこそむしろ目立ったともいえるわけで、世の中万事塞翁が馬。広報誌といっても天下の四国電力さんですからその発行部数も半端ではありません。是非この機会に王道ではない邪道スタイルの材木屋も息をしている事を伝えねば~!といつも以上に張り切って取材に臨みました。取材していただいたのはフリーライターの波多野恵理さん。この波多野さんが本当に聞き上手で、最初はしおらしく閉じていた私の『天国の門』がいつの間にか開門されていたのです! |
| 自分は田舎の出身で今でも訛りが抜けませんが(今ではそれを武器ともしてます)、その分他人のイントネーションにも敏感で、そういう方にはどこの出身なのか訊きたくなります。若い頃からいろいろな木を訪ねて全国各地を巡ったお陰で、いろいろな地域のつながりが生まれて、その地域に関わりのある木や建物の話で接点を作る事が出来るようになったのもけもの道に生きる材木屋ならではの特技!波多野さんは宮崎県のご出身という事でしたが、宮崎には縁があるので馴染みのある宮崎弁がとても耳に心地いい。 |
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波多野さんは宮崎県東臼杵郡のご出身という事でしたが、臼杵といえばお隣は日向(ひゅうが)。日向には『日向松』が有名です。恐らく全国的にはこの日向松の名前の方が知名度があると思うのですが、愛媛というか私の周辺では『霧島アカマツ』あるいは『霧島松』の名前で呼ばれていました。宮崎から銘木屋さんが愛媛に持ち込んできた流れから、霧島アカマツの名前が定着したのだと思います。霧島アカマツについては以前にも書きましたが、この機会に改めてもう一度ご紹介させていただきます。明日に続く・・・ |