森のかけら | 大五木材


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★今日のかけら番外篇・E30ジャカランダJacaranda  ノウセンカズラ科・広葉樹・中南米産

 

昨日、【森のかけら】の新作、というか第二弾に取り組むという決意表明をしましたが(根幹はサグラダファミリアですので、完成の時期はあまり期待なさらずに・・・)、そういう気持ちにさせてくれた木との出会いが幾つかあります。本日はそんな木の中の1つをご紹介します。以前にもこのブログで取り上げましたが、それが私の自宅に生えていた(生えていたと過去形で語らなければならないのが辛い)『熱帯の桜』とも『ブラジルの至宝』とも呼ばれる『ジャカランダ』です(「ハカランダ」とも呼ばれます)。

更に『ブラジリアン・ローズウッド』の別名もあったりすますが、あの「ワシントン条約で絶滅危惧種に指定され輸出入が禁止されている世界的にも希少な銘木」とは別物です。そのジャカランダですが、当初思っていた以上に数年で急速に成長。最初少し斜めに幹が成長したころからきちんと修正しておけばよかったのですが、ドンドン成長して途中からロープ等で引っ張ったもののそれをものともせずに育つ育つ!みるみるカーポートの屋根を超えて、家の屋根に届くほどに成長していたのです。

それで一昨年には見事な花を咲かせてくれて、まさに『熱帯の桜』の艶姿を堪能させていただきました。しかし一方で大きな問題が発覚!そこまで大きく成長するとは想定していなかったため、自宅の横のブロック塀のすぐ傍らに植えたのです。それが成長とともに根が変な方向に膨らみ、たぶん地盤が固かったからだと思うのですが、根元が大きく上に膨れあがり、そこからブロック塀に進撃を開始!ブロック塀と平行に根を伸ばし、片方の大きなほうの根は遂に家の犬走りのコンクリートを破壊!

専門家にも見ていただき、このままにしておけば家の基礎部分にまで影響が出るとの判断から泣く泣く伐採することにしたのです。なので、遂に育てて伐って売るという次のビジネスモデルに突入したのか~!などとは思わないで下さい。そうならばここは家の主たる私が介錯つかまつるのが礼儀というもの。そして2017年の11月の中頃にいよいよジャカランダ伐採の儀が執り行われることと相成ったのであります。根っこは強力でも幹部分は驚くほど脆く、しなやかですが細い枝は手でポキンと簡単に折れます。続きは明日・・・




世界中の木を見てみたい、世界中の木を触ってみたいという好奇心と、端材を捨てるのがモッタイナイというケチ根性の両親から生まれたのが森のかけら】ですが、端材を捨てるのがモッタイナイという事に関しては、既に弊社の倉庫の中にある端材だけではまかなえない樹種がかなり増えてきており、ある意味でそちらの目的はある程度達成できたかと思っています(まだまだ端材そのものはありますので、違う出口も探っているところです)。一方の「世界中の木」の方については当然の事ながらゴールは雲の上。

あえて永遠に辿り着けないところに着地点を置いたのは、永遠に完成されることのないアントニオ・ガウディが設計を担当したサグラダファミリアよろしく、知的好奇心と遊び心をずっと持ち続けたいからというものでした(当のサグラダファミリアはガウディ没後100年の節目となる2026年に完成されると発表されましたが・・・個人的には、無謀と思えることにも妥協せずに挑み続けることへの象徴が無くなってしまうのは寂しいので完成しないほうがいいのですが、それでは関係者たまりませんわな)。

話が逸れましたが、【森のかけら】は解説書などの印刷物をまとめて販売しなければならないので、とりあえず日本120+世界120の合計240種としました。それ以外のレアな樹種に関しては『プレミア』という別枠でまとめました。それ以後、年を重ねるごとに国内外の新しい木(今まで私が出会っていなかった木)との出会いが増えて、もう少しでそれらだけで【新・森のかけら】が作れるほどになりつつあります。ただ、出会えたといっても立木で見ただけでは仕方なく材の確保が重要になります。

端材が少しでもあれば大丈夫だろうなんて高をくくって痛い目にあったような初期の失敗をしないためにも、ある程度のストックをしていかねばなりません。それを考えるとなかなか新作の製作に踏み切れなかったのですが、最近は立木だけでなくその材まで手に入ってくる機会が急増しており、どうやらこれはモッタイナイの神様』からの啓示ではなかろうかと!それでそろそろ新作の準備に取り掛かろうかと思っています。これからリストアップし、材を確保していくので、まだまだ先の話にはなりますが、一応決意表明!




とりあえず挽いてもらった『ポルトガルの木(オリーブ)と誤認されてその名がついたホルトノキ』ですが、幹の大物部分はもう少し先のお楽しみということで、とりあえずは細い部分を製材してもらいました。小口を見た時に、辺材部分が少し赤みがかっていたので中がどうなっているか気になっていましたがやはり腐りの影響はあるようです。まあこれは挽きたての画像なので、乾燥が進むと多少色合いは変わってくるとは思いますが。200年生のホルトノキの製材直後の材面なんて今後も見ることないと貴重です。

材質がどうこういうよりも歴史ロマンを検証するような感覚です。凸凹のある部分を製材したので形も歪(いびつ)ですが、その中に昔学校の理科の授業で習った微生物のような形のものが!何だったろうかと調べてみると、ミジンコでした。こういう形の木を見たときに、何を連想するかでその人のセンスが分かるといいますが、ミジンコはちょっと切ない・・・。ただし製材時の端材、いわゆる挽き落とし部分なので、割れや節もあって乾燥とともに歪みや反りも出て用材としては厳しいですが目的は別ですから。

こういう部分はには生育時の癖が残りやすく、意外に面白い表情と遭遇できるのも楽しみのひとつです。特に枝周辺では、風や雨に負けまいと必死で耐えた証が現れるので、縮み杢や縞杢など味わいのある杢が現れたりします。それでも昔は建築材としてしか木を見れていなかったので、ある程度の大きさがなければスルーしていました。しかし今はストライクゾーンが驚くほど広がっているので、個性さえあればいかようにも料理できます。うまく乾けばオンラインショップでの販売も視野に入ります。

そんな事を考えてしまうから結局小さなものも捨てることもできずに、こういう端材がどんどん溜まっていってしまうのです。以前は、とりあえず材を集めておいて、勝手に乾いた頃から何か出口(用途)を考えればいいかなあと思っていましたが、やはりそれだと間に合わない(溜まりすぎて、倉庫の奥に奥にと詰め込んでしまって陽の目を浴びなくなってしまう)ので、この時点である程度出口を決めてしまわないと大変なことになってしまいます。何しようか、これにしようかと妄想しているうちが花かも・・・。




神社木であったため、推定樹齢200年との説明書きがあったものの、推定ということなので定かではないでしょうがその歴史を振り返ってみます。今から200年前といえば江戸時代寛政~文化時代あたりで、その頃日本では何があったのかと思って調べてみると、1800年(寛政12年) 伊能忠敬が蝦夷地を測量する。1804年(文化元年) ロシア使節ニコライ・レザノフが長崎に来航し通商を要求。1808年(文化5年) 間宮林蔵が樺太を探検・・・そんな時代に生を受けた『江戸ホルトノキ』だったようです。

ところで気になるのはホルトノキというその変わった名前だと思います。その名前の由来についてはかなり有力な説があるようで、植物学者の深津正氏によると、エレキテルの発明家として知られ、日本のダヴィンチとも言われる平賀源内が自書『紀州産物志』の中で記述している文章にその根拠があるようです。和歌山県湯浅に深専寺に大きな珍木があって、源内はその木がポルトガルに多く生えているオリーブだと思い込んでいたようで、そこからその木の果実を採って搾って油を作りました。

本来のホルトノキの実から油は採れません。実はこれはホルトノキではなくて『ズクノキ』だったのです。樹形が似ていたかとからオリーブの木(ポルトガルの木)と誤認してしまったようです。後日、源内がそのズクノキの実を江戸に来ていたオランダ人医師のポルストルマンに見せたところ、本物だと鑑定されたしまったことから、その木(ズクノキ)をポルトガルの木と誤認してしまいました。それが転訛して『ホルトノキ』となったのです。つまりふたつに誤認が重なってこの名前になってしまったというのです

なので、本来はオリーブの木にあてられるはずであった名前が、ズクノキにあてられてホルトノキになってしまったのです。ズクノキというのは和歌山周辺の方言名ですが、一般的に知られている別名は『モガシ』。これも深津氏によれば、「この木には鮮やかな紅色をした老葉が交じっており、これがこの木を遠くから識別できる特徴であり、濃い緑色の葉の中に交じる鮮紅色の葉を紋または模様に見立てて、『紋ガシ』あるいは『模様ガシ』と呼んでいたのが、つまって『モガシ』となったのでなかろうか」との解釈。なるほど。この話、明日にも続く・・・




さて、そのホルトノキなのですが、樹齢200年ということでかなり大きなモノだと聞いていたのですが、実際に見てみると想像以上に大きくてビックリ!今までこんなに大きなホルトノキを見たことがなかったのですが、樹齢200年ということで内部に洞(ウロ)もあって、枝にも腐食があり、そのため根こそぎ倒れてしまったようです。それでも根元に近いところから伐採できて、根本部分で幹回りは2mほどもありました。ただし老木ということもあり、内部の洞や腐りがどこまで入っているか挽いてみないと分かりません。

切断面を見ると、芯がかなり赤黒かったのですが、ホルトノキそのものの断面や材面を見たことがないので、これが普通なのかどうなのかも分かりません。倒れたのは1本でしたが、二股に分かれていたため1~2m程度にカットしてもらい、なるべく無駄にならないように、大きな割れや腐食部分を避けて、できる限り板に挽いてもらうことにしました。神社にあって200年もの間ひとびとを見守ってきた木なのですから、端切れも無駄には出来ません。いつも製材してもらう瀬村製材所の瀬村社長もそんな事は十分承知!

まずは小さめの枝を数本分挽いてもらったのがこちら。形も大きく曲がり、かなり凹凸もありますが、こういう木はお手の物。使い方はいくらでもあります。これから一枚ずつ桟をいれて時間をかけて乾燥させていくわけですが、やはり内部もなかなか個性的な色合いに染まっていました。愛媛の南部や九州の一部では、この木を使って杓子を作るそうですが、それはこの木が黄白色ということで、その色合いを利用していることから、『シラキ』の別名でも呼ばれているということなので、本来の辺材はもっと白いのかしら?

まあこれはこれでホルトノキに間違いはないので、一般的なそれと色目が少々違っても気にしません。とはいえ、この木の削った色合いが見たいので、コブの付近の小さなところを数枚プレーナーで削ってみました。すると、かなり濃い茶赤褐色の心部分と、樹皮の近くに赤い帯のようなものが出たり、表情もさまざま。図鑑には、「辺と心材の境が不明瞭で黄白色」とあるから、かなり異質なのだと思われますが、200年生の木なのですから一般的な常識など通用しなくて当たり前なのです!続く・・・




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