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昨日に続いて、映画『ポンペイ』の話ですが、本日は土に埋まった木について。当時ポンペイの町を襲った火砕流は時速100キロ以上もあったといわれ、市民は逃げる余裕もなかったと言われています。映画では、ヴェスヴィオ火山の大噴火の後で無数の火山石が降り注ぎ、次に海から巨大な津波が町を飲み込みます。その後、凄まじい熱量の土石流と熱風が町を襲います。 ケルト民族の主人公もヒロインもなす術もなく抱き合ったまま土石流の中に消えてゆくのですが、人だけでなく森や川も同じ運命。
1000年後にポンペイの町が発掘された時、世界の人々を驚かせたのは、ローマ時代の遺品の色褪せぬ美しさでした。それは、うず高く積みあがった火砕流堆積物には、乾燥剤として用いられるシリカゲルに似た成分が含まれていて、その火山灰が隙間なく町中を埋め尽くしたことで腐食の原因となる湿気を吸収し、壁画や美術品などの劣化が最小限に食い止められました。その結果、『ポンペイ・レッド』と呼ばれる鮮やかな色彩が、かつての古代ローマ繁栄の様子を後世に伝えることになったのです。
また多くの木々も土石流に埋没していったことでしょうがその記述、記録はは見つけられませんでした。木が腐るための条件としては、『適当な水分、適当な温度、空気』の3つが必要です。そのどれか1つでも欠けると、木は腐食から免れることになります。発掘される多くの土埋木は、地下水に浸されるものの酸素の供給が遮断されるため腐らず残ったと考えられます。しかし地下でもわずかな酸素があれば繁殖する生物や菌類などもいますので、条件によっては劣化が進行して腐ることになります。
ポンペイの ヴェスヴィオ火山噴火が今からおよそ2000年前ですが、島根県の三瓶小豆原埋没林はおよそ4000年前のもの。以前このブログでも紹介した紀州の有田川で発掘されたクスノキはおよそ2000年前のもの。年代的にはポンペイの噴火とおおよそ同期。またおよそ2500年前に秋田県鳥海山が噴火した時に埋もれた森林の一部といわれる『鳥海山の神代杉』など、歴史の生き証人たちが弊社の倉庫にもいくつかあるわけですが、永い眠りから覚めたものを再び眠らせてしまっては申し訳ないと痛感!
今月、古代文明が舞台となる3本の歴史映画が公開されます。それは『ポンペイ』、『300 帝国の進撃』、『ノア 約束の舟』の3本。太古の歴史好きにはたまらない組み合わせです!その中から本日は3本の中で最初に封切られた『ポンペイ』を観てきました。『ポンペイ(Pompei) 』については今更説明するまでもありませんが、イタリアはナポリに存在した古代都市の名前です。西暦79年に発生したヴェスヴィオ火山の大噴火による火砕流のために、すべてが地中に埋没してしまった悲劇の都市です。
現在その遺跡は世界遺産にも登録され、主要部分は有料で一般公開もされていますが、その悲劇の町が深い眠りから覚めたのは悲劇から実に1000年も後の話。凄まじい勢いで町を飲み込んだ火砕流は、一瞬で5mの高さにもなったと言われていて市民が生き埋めとなりました。発掘後には遺体部分が既に腐敗していて、その空洞の中に石膏を流し込んで遺体の復元が行われました。そこから火砕流の凄まじさが偲ばれるわけですが、その様子はテレビなどでもよく紹介されているのでご存じの方も多いでしょう。
パン屋の窯に並べられた焼きたてのパンや火砕流の熱にもだえ苦しむ市民たち、子供を守ろうとする母親の姿などの生々しい様子が、悠久の時間の中に閉じ込められていて何度見ても火砕流の恐ろしさ、パワーにはゾッとさせられます。映画『ポンペイ』では、快楽と栄華を極めたこの都市で繰り広げられる身分を越えた男女の愛の絆を縦軸に、迫りくる大噴火と津波の悲劇が描かれるのですが、ケルト民族の生き残りとしてそこに至るまでの主人公の葛藤やら円形格闘場での対決や友情など盛り沢山。
いつもながら大風呂敷を広げ過ぎてしまい、収拾のつかなくなる ポール・W・S・アンダーソン監督ですが、今回はどれだけ派手に描いても納得づくの大噴火、火砕流という歴然たる結末があるだけに、ある意味納得して(?!)最後まで観ることが出来ました。何がどうあろうとも最終的は火砕流に飲み込まれてしまうんだろう、という諦観の念がある実話モノの説得力でしょうか。能天気すぎるハッピーエンドも辟易ですが、悲劇の結末が分かっている映画というのはやはり切ないものです・・・明日に続く。
| 昨日のブログで「クスノキ」の事について触れましたが、本日はそのクスノキから採れる樟脳についての話。かつて日本には、三井、三菱、住友といった大財閥を向こうに回し、ひと時とはいえ天下の三井物産をも凌駕した個人商店がありました。それがかの神戸の鈴木商店です。私は生来のひねくれ者、天邪鬼な性格で、こういう小が大に勝つという話は大好物で、学生の頃から「幻のの鈴木商店」には異常なほど興味を持ち、関係する文献や小説などを読み漁っていました。 |
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昨日『WOOD JOB!』の話から『火まつり』に行ったまま返ってこれなかったので、原点に戻って『WOOD JOB!』の話。映画が描かれる緑の研修生制度は実際にもあって、全国の林産地では沢山の方が森で汗を流されていることだと思います。その方々も多かれ少なかれ映画の主人公と似たような経験をし、似たような感想をお持ちになっていることでしょう。人それぞれ応募の動機もまちまちでしょうが、そのまま実際に林業に従事される方がどれぐらいいるのかは分かりません。
映画でも伐採された100年を超える高齢木が高値で競り落とされる場面があり、それを見た青年は「この山全部伐ったらどれだけ儲かるのか~」と驚きますが、やり方によっては林業は儲かる仕事でもあります。しかし、林業をするという事はつまりは山に住むこと。隣の家にでも土足で踏み込みあう田舎での暮らしを受け入れるということでもあります。映画の主人公と同じく都会の人にとって、「仕事としての林業」は受け入れられても、「暮らしとしての林業」受け入れがたい事かもしれません。
田舎で暮らすうえで避けては通れない地元の人との軋轢、よそ者への差別、伝統儀式の不可解なしきたりなどの「通過儀礼」も嫌らしくなない程度に描かれていいるのですが、軟弱で意思の弱い主人公が幸いして陰湿な印象はありません。恐ろしかったワイルドな先輩・ヨキ(伊藤英明、サイコ~!!)との間にも少しずつコミュニケーションが生まれ、次第にその存在が頼もしくなってくるところはとても他人事とは思えず胸が熱くなりました。実際の森ではこういう人が本当に頼りになるのです。
伊藤英明の杣人ぶりは素晴らしくて、こんな格好のいい林業家がいればもっと山に目が向く女子も多くなることでしょうが、それがただの二枚目でなくて、素行が悪くて女にだらしない、山の男であるところがまたいい~!森は、田舎は決して詩人君子の住むところではありません。排他的で保守的で、ねたみやそねみの蔓延する日本民族の原点でもあります。映画でもいろいろと癖のある人物が描かれます。それでも決して根っからの悪人は登場しません。もの静かながら熱く林業を語る中村林業の親方(光石研、名演!話が説教臭くなってないのもいいです〜!)も、何かを振り切った感のあるヨキの嫁(優香、快演!)、どんな格好をしようとも美しさとは内面から溢れ出るモノなんだと実感させられたパンフレットの美女(長澤まさみ、好演!)などなど。
誰もが小さなドラマを背負いながらも、決して白黒とハッキリ決着をつけずに「なあなあ」で均衡を取っている、それがこの神去村のひとびと。大筋のストーリーは別のことながら、神去村のひとびととの口から発せられる言葉で、不覚にも何度か涙をこぼしてしまいました。それは、主人公のようにあまりにも無知で世間知らずで、主意もなく流れるままに身を委ねてこの業界に飛び込んできた自分に言われているようで胸の奥の方に懐かしく響いたから。その涙もサッと笑いに変えてくれる愛すべき村人たち。別れの場面で交わされる「さようなら」はこだまのように響き合い、森に消える列車と共に忘れがたき名場面です。是非、次は子供たちと一緒に観たいと思っています。木を愛し、森を愛する、木に携わる全国の杣人、木材人必見の作品です!自分たちの関わっている仕事がどれだけ尊く、楽しく、意義があって、素晴らしいものであるのかを見つめ直す機会となります。中年も大志を持って大木を抱こう~!!
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