当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。
この時期になると新聞や雑誌などのメディアで、その年に公開された映画の年間ベストテンが発表されます。自分でも8mm映画を撮っていた大学時代、そのベストテンの発表にドキドキしていたものです。今からおよそ四半世紀前の頃といえば、スピルバーグ王国の全盛時代で完全な洋高邦低。圧倒的資本力で作り上げた、スピーディでめまぐるしい展開のど派手なジェットコースター・ムービーが大手を振るって、各種ランキングの上位に名前を連ねておりました。
それが映画批評家なるご職業の方々が選ぶ雑誌になると、途端にランキングは芸術性の香り立ち込める小作、佳作に変わるのです。当時の私は、年間に映画館だけで300本ぐらい映画を観ていてました(2本立て、3本立ても珍しくなかった)が、芸術映画と呼ばれる作品に対する受け止め方が分からず、著名な批評家の文章を読んで分かった風な気分になっていたものでした。それはそれでそういう映画を観る判断基準にはなったもののどこか座りの悪さを感じていました。
その後、仕事に就いてからはさすがにそれほど映画館に通う事も少なくなって、ベストテンの作品にも未見の方が増えてくるように。そうなるとランキングへの興味も次第に薄れ、更に結婚もして子供も出来ると映画館がますます遠い存在になりました。そうなると限られた時間の中で本当に観たいものだけを観ようという気持ちになり、その頃に出会い私の琴線を揺さぶった1冊の雑誌が『映画秘宝』!こんな振り切った雑誌があってもいいんだと感動すら覚えました。
その有無を言わさぬ自己主張。分かり合える者だけで共感できればいいという潔さ。その方向性にすっかり同調。書斎の棚を見渡せば雑誌の特集に登場するタイトルが肩を並べています。これだ〜、もう格好つけてわけの分からない映画を知った風で観るのもやめよう!とりあえず観ておこうなんて思うぐらいなら観るな!これからはただただ己の感性を信じて、正直に、心のおもむくままに映画を観よう!その思った時、あれほど長い間感じていた居心地の悪さが消えました。
その思いはただ映画を観るの視座が大きく変わっただけでなく、仕事の上でも大きな変化をもたらしました。好きでもないもの、自分が惚れてもないものを売ったり勧めたりするのはもういいんじゃないかと。それで仕事が少なくなったりしたって、もういいじゃないか。無理に無理を重ね、我慢して我慢して仕事をするんじゃなくて、自分の好きな事を貫こう、それなら辛くはないし、どこまででもやり抜ける。そうだ、自分が好きな事だけをする偏屈な材木屋になろう!
これを書いていて、そういえばその頃が自分にとって価値観が激しく変わった大きな分水嶺であったなと感じています。その後しばらくしてから、このブログも書き始めるようになるのですが、それまでにほぼ背骨が鋼鉄化していましたので、もはや批判や意見も耳に入らず、ひと時もぶれることなくわが道を突き進んでいくことが出来たのです。そんな私にとっての原点にしてバイブル『映画秘宝』の映画野獣たちが選ぶ2013年度ベスト1は、当然『パシフィック・リム』!
新しい材が入荷した時に梱包がをばらして「木取り」する作業は私のささやかな愉しみ。世界のいろいろな国からやって来た木たちと対面する瞬間の喜びは材木屋でこそ味わえるもの。先日もブラック・ウォールナット(B/W)の木を仕分けしていましたが、こちらの思惑より良くても悪くてもそれなりに愛着を感じるものです。1枚1枚材の表情と木目、節の具合などを見ながら、これはカウンター、これはテーブル、これは造作などと適材適所に仕分けします。
そんな作業の中でたまに面白い木目や美しい杢に出会えた時の喜びは別格です。大体は、板の平面で思わぬ出会いがあるものの、稀にこんな面白いものにも出会えます。先日、ブラック・ウォールナットの小口面にこんなものが!現地での作業時に小口に打った金物の跡か、割れが偶然生み出したものでしょうが、私にはどうしてもある漫画のキャラクターにしか見えないのです。そう思い始めたら、もうそれ以外のものには思えなくなります。そう、これは間違いなくO次郎!
もはや「O次郎」と言っても伝わらない世代の方が多いかもしれませんが、敬愛してやまない藤子・F・不二雄先生の傑作「オバケのQ太郎」に登場するQちゃんの弟です。常に「バケラッタ」という言葉しか発せず、そのシンプルな体型とバケラッタのアレンジだけで喜怒哀楽を表現する「イクラちゃん的」愛すべきキャラクターなのです。子供の頃は、自分も次男だった事もあり、天衣無縫な兄のQ太郎に振り回される健気なO次郎の姿に共感を覚えたものです。
う〜ん、見れば見るほどO次郎!これは、端材を大切にしている材木屋の男に対して天国の藤子・F先生が与えたもうたご褒美なのか?!幸いにも降臨されたのが小口面なので、長さ調整でカットすることになるので、あらかじめカットして保存しておこうかと・・・。独り心の中で相当に盛り上がったものの、恐らくきっと誰にも理解されないだろうと決して動揺を見せず黙々と作業にいそしんだのですが、この小さな喜びでまた今日1日仕事が楽しめました。
※藤子・F・不二雄先生については、詳しくはこちら「藤子・F・不二雄ミュージアム巡礼」。
充実の町内旅行から帰宅した夜、折角の九州の余韻を楽しんでおこうと観たのが『平成版ガメラ』のDVD。なぜガメラ?と思われるかもしれませんが、実は金子修介監督がメガホンを取った平成版ガメラは、アトランティスの古代文明が作った生体兵器という設定で、ガメラと同じ遺伝子を持つとされる怪鳥・ギャオスは長崎県五島列島に突如現れて、姫神島の小さな集落を壊滅させるのです。五島列島は大小合わせて140あまりの島々が連なっていますが姫神島は実在しません。
地図で見ると五島列島には赤島 黒島、黄島、姫島、男女群島、鳥島など面白い名前の島も多く、今回訪れた平戸から数10キロ先の距離でしたが、平戸から眺める海は小さな島々が点在して、瀬戸内海のような親近感溢れる情景でした。そんな穏やかな海の静寂を切り裂く2大怪獣が出現するのです!一方、昭和版ガメラは、北極の氷の中で眠っていた古代の怪獣で、国籍不明の原爆搭載機の墜落によって、氷が割れて南下し日本に上陸するという設定でした。
成長して数も増えたギャオスは福岡に上陸。自衛隊は福岡ドームにギャオスを誘い込んで捕獲するという大胆な作戦に出ます。おおっ、ここでも『ホークス』つながり(鷹島のホークスのモニュメント)!さらに舞台は木曽山脈に移るのですが(木曾は、木曽ヒノキに代表される木の産地)、不思議な合致を感じながら視聴。ガメラはギャオスに対抗する手段として古代人が人工的に作りあげ、戦う事を運命づけられていたという事で、プレデターVSエイリアンの原型とも言える設定。
実はこの旅行の前に家族で行った広島県の鞆の浦では、映画のロケが行われた『ウルバリン』のポスターが貼ってありましたが、最近なぜか映画づいています。強引な結びつけもありますが、身の回りの事象を日頃からどれぐらい意識を持って観察しているかということは大切だと思います。特に木の場合は、かつては我々日本人の暮らしの根幹を支えてきたものですから、どういう使われ方をしてきたのか、常に注意深く観察しておく事は『かけら屋の命題』だと思っているのです。九州旅行の後日談でした。
嗚呼、きっと昔自分が感じたウルトラマンの巨大さは、こういう『細部まで作りこまれた視点』から撮られたショットのインパクトだったのだと思うのです。そういう意味でも『見上げるショット、見下ろすショット』は完璧!涙モノの台詞も沢山散りばめられていて、日本語吹き替え版を観たのですが(アクション映画は吹き替えに尽きる!)、声優人の人選にもデル・トロ監督の本気度に応えて面白いものに仕上げようとする吹き替え担当者の心意気がビンビン伝わります。
敬愛するリドリー・スコットの『プロメテウス』のDVDの日本語吹き替えは、きっと担当者はこの映画を愛してはいないんだろうなあと思わせる悲しいものでした・・・さまざまな制約はあったのでしょう。企業として断れないいろいろなしがらみが障害物競走のようにあったのでしょう。それは理解できます。しかしあれは・・・!だからこそ、その『命の壁』という障害を乗り越えたデル・トロ監督のこの映画が燦然と光り輝くのです!
一切の妥協を許さず、己の怪獣愛をこの域にまで高めたもたひとりの外国人に、そして彼にそこまで情熱を傾けさせた日本の怪獣屋たちの類まれなる想像的かつ独創的仕事ぶりに改めて敬意を表します。それこそが日本のものづくりの真髄! 怪獣の神様がにっこり微笑んだ、(怪獣映画の何たるか、本質をしっかり熟知した人が作るとこういう事が出来るという)怪獣映画の大傑作は、今後末永くマニアたちのの間で無人島に持って行くべき映画として語り継がれる事でしょう!
願わくば、馬鹿な批評家がしたり顔で、筋立てがどうだの、こじつけが過ぎだの、科学的根拠がどうだの、話が飛躍し過ぎだどうだと、アラを探すような愛情のかけらもない、失礼でトンチンカンな解説だけはしないでもらいたい。そんな視点でこの映画をどうか観ないでいただきたい。これは、こういう時代に、ハリウッド産として産み出された事が奇跡にさえ思える、怪獣とロボへの壮大な愛が溢れた大傑作なのです!!考えてはいけない、感じるのだっ!!
この映画にくだらない思想や戦争観、歴史観、国家観、ストーリーのつながり絶対主義を持ち込んではいけません。また、重箱の隅つつき隊、こじつけ否定論者、何でも科学的根拠亡者等々は観るべからず!監督の高い志に失礼になります。断言しましょう、ハリウッドでは今後これ以上の怪獣映画を創る事は出来ません。なぜなら、これは心底怪獣を愛して尊敬するギレルモ・デル・トロ監督に、神が遣わした奇跡の1本だから。真剣なまなざしにのみ神は宿る!
ロボの造形、動き方、ネーミング、必殺技、戦い方、キャラクター設定どれをとってみても百点満点。次々現れる登場人物たちもいちいち胡散くさくて最高~!中でも怪優ロン・パールマンは、怪獣映画にはつきものの怪しげで危ないキャラを生き生きと演じていて、観ていてついついニンマリしてしまいます。あまりにその顔、いや個性が強すぎて、役を制限されてしまうパールマンですが、『エイリアン4』と並ぶ「出るだけで勝負あった!」の怪演にニンマリ!
また、凸凹科学者コンビとか、中国のイエーガー(ドイツ語で狩人を意味するこのネーミングも、分かっていらっしゃる~!)に搭乗するタン3兄弟とか、ロシアのカイダノフスキー夫婦とか、いちいちアクが強くてひとくせもふたくせもありそうで、脇役の配置も完璧です。詳しくは書きませんが、苦境に立った主役のイエーガーが繰り出す必殺技に心がときめかない男(昭和40年代前後の)はいないでしょう!巨大なロボの一挙手一投足に心が震えるのです。
特に街に現れたロボの肩越しに見下ろす俯瞰ショットと、逆に足元からロボを見上げる時の煽りのショットの『巨大観』は涙モノ!そのショットに鳥肌が立ちました。それはきっと、子供の頃にブラウン管の奥で、ミニチュアセットをまたいで立つウルトラセブンの姿に、これが本物だったら頭の位置があの山の上かな~などと、心の中に描いた妄想劇場の感覚に似ています。次第に大きくなっていく怪獣の巨大感も、立ち向かう試練の大きさに比例する王道設定!
Category
- 1. 今日のかけら
- 2. 木のはなし・森のはなし
- 3. 木の仕事
- 4. 草と虫と鳥と獣と人と
- 5. 木と映画と舞台とテレビ
- 6. ひと・人
- 7. イベント・講演会
- 8. 気になるお店
- 9. ちょこっと端材
- WOODENTAG& 日本百樹札
- 「森のかけら」舞台裏
- えひめイズム
- おとなの部活動
- お酒にまつわる話
- かけら世界紀行
- かけら日本紀行
- アート&デザインのかけら
- オフセット・クレジット
- オンラインショップ
- キッズデザイン&ウッドデザイン
- スポーツと木
- ハードウッドとウッドデッキ
- パプアニューギニアL.M.H
- フルーツウッド
- メディアあれこれ
- モクコレ WOOD COLLECTION
- モザイクタイル
- モザイクボード
- 一枚板を見せていこう!
- 円い森・円き箱・木言葉書
- 媛すぎ・媛ひのき
- 愛媛のこと
- 愛媛木青協のこと
- 木と本
- 木のものあれこれ
- 木のものづくり+α
- 木のもの屋・森羅
- 木の家具
- 木の玉プール
- 木育のこと
- 未分類
- 森と生きものたちの記録
- 森のかけら玉
- 森のかけら36・森のかけら100
- 森のこだま/森のたまご
- 森のしるし
- 森のめぐみ
- 森のりんご
- 森の出口
- 森の砂・森の粉・森の羽
- 森の5かけら
- 無垢の家具
- 異業種&産官学
- 端材のこと
- 誕生木・12の樹の物語
- 道後温泉とかけら屋
- 都市林業とビーバー雑木隊
- Loopto in Ehime
Archive
Calendar
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | |
