森のかけら | 大五木材


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20101226 愛媛に降る雪、降らない雪①クリスマスを過ぎるととここから一気に年末に向かって加速度が増します。愛媛の天気予報欄にも雪マークがチラチラ登場するようになりました。弊社は28日まで営業をしておりますが、会社の前の道路も朝から大渋滞。慌しさにも拍車が掛かります。今年も今まで大きな事故や怪我もなくきておりますので、最後までこのまま無事にお勤めさせていただきたいと思っております。世の景気は相変わらずですが、恒例のカレンダーを配りをしていると、元気で働ける幸せを噛み締めながらしみじみした気分になります。

20101226 愛媛に降る雪、降らない雪②福島の方では大雪で何十時間も車に閉じ込められたとのニュースもありましたが、四国松山に住んでいると雪は恐いものではなく情緒溢れるものという感じで捉えてしまいがちです。四国から遠い方の中には、「四国でも雪が降るのか?!」と驚かれる方もいらっしゃいますが、地域によっては結構積もったりもします。私は、松山に住んでもう四半世紀が過ぎようとしていますが、今まで一度もチェーンを巻いたりスタッドレスタイヤに履き替えた事もありません。市内ではそこまで積もる事はまずありません。

 

20101226 愛媛に降る雪、降らない雪③せいぜい早朝に凍結注意が呼びかけられるくらいですが、それも年に一度あるかないかです。ですが、市内を離れ久万高原町や生まれ故郷の西予市大野ヶ原など辺りに行くと、冬場は雪国かと見まごうばかり!昨年、わざわざ東京からお越しのトム・ヴィンセント氏を久万高原町にご案内したのが、その年最大の積雪量を記録した翌日!という超タイムリーな巡り会わせで、四国の大雪を体験できたのも僥倖のひとつです。春も近い3月上旬の椿事でしたので、雪に慣れている地元の方ですらも既にタイヤ交換した後だったりして、かなりの騒動になりました。我々も車中で閉じ込められましたが、せいぜい1,2時間程度。十数時間も閉じ込められる恐怖は想像できません。この冬は愛媛の空からも白い粉がたくさん降り注いで来るようです。その雪も天候さえ回復すれば1、2日で消えてしまうはかない空の気まぐれです。

 

20101226 愛媛に降る雪、降らない雪④ただし、森にとっては例えひと晩でも白い恐怖になり得ます。その時も、雪の重みで枝や幹が無残に折れた姿があちこちで晒されていました。普段そこまで雪が降らないために対応出来ずに折れるのか、手入れが行き届かず放置された老木が折れているのかは定かではありませんでしたが、環境に準じていくのはた易い事ではないでしょう。森から逃げることなく、酷暑にも極寒にもじっと耐え、少しずつ少しずつ何世代も何世代もかけて、その地で生き抜いていく適性を身に付けていくのでしょう。我々にとっては想像を絶する長い時間を要して。その適正を有せず、雪折れしたまま腐るまで取り残される谷間の木々を見ると切ない思いにとらわれますが、そんな甘い感傷と、工場で無造作に焼却処分される端材とは皮肉な背中合わせです。生ぬるいのは人間ばかり・・・。




20101225 ピノッキオは何の木から生まれたのか?①年末に近付くといろいろな催しも増えてきますが、先晩に市内で行われた子供向けのお芝居を家族で観に行きました。「NPO法人松山子ども劇場21」主催でこんにゃく座のオペラシアター『ピノッキオ』。イタリアの作家カルロ・コッローディが書いた児童小説で、100年以上読み継がれている誰もが知っている有名な物語です。私は子供の頃は「ピノキオ」で慣れ親しみましたが、今回のタイトルはイタリア語風に「ピノッキオ」と表示されていましたが、何事も最近は言語に近い表現をするようになった気がします。

 

20101225 ピノッキオは何の木から生まれたのか?②英語が生活に浸透したという事もあるでしょうが、私としては、そのニュアンスを日本語に置き換えた翻訳の中に込められた思いも楽しみたいところです。昔の映画には通常の翻訳を超えた超訳タイトルもたくさんありました。「THE SPIRIT OF ST. LOUIS→「翼よ、あれが巴里の灯だ」、「THE LONGEST DAY」→「史上最大の作戦」、「BREATHLESS」→「勝手にしやがれ」、「BONNIE AND CLYDE」→「俺たちに明日はない」、「CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND」→「未知との遭遇」などなど。

20101225 ピノッキオは何の木から生まれたのか?③原題に忠実なのもいいのでしょうが、ただ英語をカタカナ表示しただけでは、その真意が伝わらないものがたくさんあります。「ピノッキオ」から話が逸れましたが、ここでも伝える事の大切さを再認識。さて、お芝居の方ですが、オペラ仕立てのピノッキオでしたが、大人の目でも楽しめる上質なものでした。何十年ぶりかにピノッキオの物語に触れましたが、結構シュールな内容だったんですね。ドラえもんののび太のように努力の嫌いなお調子者で様々なアクシデントに見舞われます。

 

20101225 ピノッキオは何の木から生まれたのか?④子供の頃に読んだ絵本には可愛い挿絵が添えられていて、話の内容よりも、嘘をつくと鼻が伸びるというところばかりが記憶に残っていますが、先入観と挿絵無しに直訳で読んだら、かなり教訓めいた印象を受けそうです。お芝居では、鼻が伸びる場面については舞台では触れられていませんでした。伸びる鼻で気になるのが、ピノッキオは何の木から生まれたのかという事。昔の絵本では確か「樫(カシ」とあったように覚えています。日本のアニメ「樫の木モック」と混同しているでしょうか?

 

20101225 ピノッキオは何の木から生まれたのか?⑤いろいろ調べてみても木の樹種まで特定してあるモノは見当たりませんでしたが、ゼペット爺さんは時計職人という設定ですが、木製時計を作られていたのでしょうか。趣味でクラフト?あの硬い樫で?当時の事ですから、英語に習って「オークを樫」と訳した可能性もあります。楢(オーク)なら何となくイメージも沸いてきます。また、PINOCCHIOPINOが「マツ」の意味なので、松(パイン)から作ったという説もありますが、針葉樹か広葉樹さえも特定できないとなると、難しい・・・。もっと植物学的な見地(?)から、原作者の生まれたイタリアのアペニン地方に生育している木の中から、その樹種を楡(ニレ)梣(トネリコ)であると測された本(筒井迪夫『童話と樹木の世界)もあります。こういう事って、それを特定する事よりもあれこれと考えるプロセスが楽しいところです。人間になれなくたって木の人形だって幸せさ!木の物語も答えが出なくても楽しい!




20101224 鳶口の先に見えてくるモノ①数日前から右の肩と背筋が痛くて仕方がなかったのですが、最近現場でそれほど重たい物を担いだ覚えもないのに、何だろう?と思っていてよくよく考えてみたのですが、思い浮かびません。歳を取ると、翌日よりも2日後、3日後に筋肉疲労の影響が出ると言われていますが、それでも思い当たる節がありません。不思議に思っていたら、先日その理由が解明されました。2月の松山市の消防団出初式で披露する為の竹梯子の練習による筋肉痛でした。2回目の訓練中に、ああこの傷み!と気がつきました。普段使わない筋肉を張り切って使いすぎました。運動不足です・・・。

20101224 鳶口の先に見えてくるモノ②この竹梯子というのは、正式には古典竹梯子演技というものらしく、松山市の消防団が毎年順番に演技を披露しているものです。昨年までは、たいしたものだな~と感心しながらいいお客さんでいましたが、来年我が第一方面隊の潮見分団にもその順番が回ってきたのです。この演技は竹梯子を両側から担いで行うので、背丈のバランスが大切となるため、身長優先(?)で選手のひとりに選んでいただきました。なんにせよ、選出していただけるのはありがたい事です。お声を掛けていただくうちが花とも申しますので。

 

20101224 鳶口の先に見えてくるモノ③夜になると4分団の選手や関係者が、みかんに選果場に集合して、消防署員の方にご指導受けながらの訓練です。このあたりは宮内いよかんをはじめ、みかん栽培の盛んなところなので、各地区にこういう大きな共同選果樹場があります。うず高く積み上げられた黄色いキャリーケース(中は空)を煌煌と照らす水銀灯、夜の選果場に来る事は初めての経験でしたので、普段見ることのない異空間についついシャッターが進みます。初めて教わった時には、これは相当に時間を要する・・・と思ったものですが、こういうものは習うよりも慣れろです。

20101224 鳶口の先に見えてくるモノ④意外にも初日のうちに流れが掴めました。が、そこで少々張り切りすぎたのでしょう・・・。私の位置は先頭で梯子を右手に担ぐ役割なのですが、それを上げ下げするのに背筋を酷使してしまいました。要領が悪いため、頭ではなく体を使って覚える体質なので、この方が体が覚えてくれるのでいいのかもしれません。消防団にはいろいろな職業の方が集まるので面白い情報もたくさん聴く事が出来ます。「森の出口」は案外こういう所に潜んでいるものです。それでも私として気になるのは木の物。私達が手にするのがこの鳶口(とびぐち)です。

 

20101224 鳶口の先に見えてくるモノ⑤こういう強度と安全を求める道具の柄には堅木が使われますが、その代表選手はなんといっても『樫(カシです。ところが、見てみると全てが樫ではありませんでした。直径は一寸程度のものではありますが、素性の良いものでないといけないので、これを樫で全て揃えると考えると結構大変でしょう。調べてみると、ナラカエデなども使われているようです。古くなると柄が折れるよりも先に鳶が緩んで抜けてしまうでしょうから、交換となるのかもしれません。そのサイズや金物によっても様々でしょうが、1本5~6000円ほどするようです。皆さん高い物だとこ口を揃えて仰っていましたが、作る立場になれば、通直ながその値段(金物も含めて)だと、まあなかなか素材が集まらなくなる理由も分かる気がします。「森の出口」はあっても、通り抜けれるぐらいの大きさ(市場性)や、扉の鍵が古くなっていては(時代性)辿り着けません。商売も梯子も掛け声ばかりでは上がりませんな~。




20101223 DPEC、もはや施主ではない!①昨日の続きですが、午前中にドラゴンベッドを組み立てさせていただき、一度会社に戻ったうえで夜改めて、もう一度ドラゴンハウスを訪れさせていただきました。しかもドラゴンマスターのお迎えで!実は、以前から企てていただいていた「ドラゴンハウスでの宴」を遂に実行する事となったのです。本当は、待望のマニルカラ(アマゾンジャラ)のウッドデッキで夏にバーエキューという事でしたが、外でするには相当の覚悟を有する季節を迎えておりました。デッキもすっかり白銀化、いえいえ渋いロマンス・グレーに成長しております。

20101223 DPEC、もはや施主ではない!②竣工直後の色合いがこちらですから、カフカも真っ青の「変身」ぶりです!しかし強度が劣化したわけではありません、紫外線による退色が進行しただけです。とはいえ、外部で雨ざらしという厳しい条件のため、へアークラック(髪の毛のように細い割れ)や反り、歪みなどが発生したり、土や砂埃も付着していますので素足ではなくスリッパをお勧めしております。こちらでは今のところまったくその兆候もありませんでした。丁寧な仕事というのは、時間が証明してくれます。もみじ建築越智棟梁のきめ細かい仕事ぶりが伺えます。

20101223 DPEC、もはや施主ではない!③外部で無垢を使われる場合は、材の選択は当然慎重にならなければなりませんが、住み手側にもそれなりの覚悟とメンテナンスを背負っていただなければなりません。ただ、義務感で嫌々しなければならないぐらいであれば、そもそも「外部に木」はお勧めしません。マニルカラのロマンス・グレーを楽しむように、材の表情の変化を寛容に受け止め、デッキブラシでの掃除やワックス拭きを楽しむゆとりこそが、木のモノを身近に置く肝です。室内に目を移せば、あのテーブルがあの時と変わらぬ美しい姿でそこに在りました。

20101223 DPEC、もはや施主ではない! ④大切に使っていただいている様子が伺えます。よく、このデッキ(あるいは家具)で何年ぐらい持ちますか?という質問をお受けしますが、正直に「施主さん次第です!」とお答えしています。無責任なと思われるかもしれませんが、引渡し以後どういう暮らしぶりをされるかまでは当方には分かりませんので、それが正直な感覚だと思うのです。何年後にいついつに突然壊れたり劣化するわけではなく、大気や冷暖房、調湿との戦いは日々進行しています。それに対して住み手が、どれくらい気持ちを持って向き合えるかどうかだと思います。なので、少しでも興味や関心を長く維持していただけるように、木の物語や由来、因縁などにこだわるのです。ドラゴンファミリーの木への関心は更に高まっているご様子です。夜にはこのテーブルの上にたくさんの料理が並べられました。ドラゴンマスターがその日のためにわざわざビールサーバーまでご用意していただきました。

 

20101223 DPEC、もはや施主ではない!⑤ドラゴンファミリーの女性陣の皆様の力が結集したお料理に囲まれ、いよいよDPECが開幕!当然ながら設計されたイシムラトモコ建築設計石村智子さんもそこに迎え、不肖私めが開幕宣言を謳い上げさせていただきました。お互いが自分を褒め上げるという、傍からみれば何とも不思議で変わり者(!)の集まりのような宴の様子については、「はたらく石」ブログに詳しく綴られています。お互いがブログ用にとカメラを構える姿も、ドラゴンハウスではごく見慣れた日常の光景となっています。被写体もまったく気にしていません、完璧です!わざわざビールサーバーをご用意していただいているにも関わらず、ビールを数杯飲むと、あの乃万酒店で購入してきた「純米吟醸・石鎚」の袋吊りしずく酒に切り替えさせていただきました。こちらの「石鎚」にも不思議なご縁を感じています。あおのイベント以来、ドラゴンマスターも乃万酒店で石鎚を愛飲しているとの事。

 

20101223 DPEC、もはや施主ではない!⑥酒が入ると自然と(?)足が昼間に納品したドラゴンベッドの部屋に向かいます。やがて皆が集合し、互いが自惚れ話を繰り広げるという異様な空間!まだマットレスも購入してないベッドに腰を据えて日本酒での宴会・・・これがやがてある悲劇を生み出すのですが・・・。それにしても今まで関わらせていただいた家の中で、これほど短期間で深い関係になったファミリーは類を見ません。弊社のイベントにもいつも足をお運びいただき、本当に感謝しています。もはや施主などという他人行儀な言い方は封印させていただきます!前世はきっと同じ血族であった事と確信しています。仕事を超えたご縁や運命すら感じております。ドラゴンファミリーと出会ってから、「家」に関わる自分の意識も随分変化してきました。本当にお世話になりました。ここに第1回DPECの閉幕を宣言させていただきます。第二回の開催、意外に早いかも?




20101222 その後のドラゴン・ストーリー①しばらく休んでおりました「ドラゴンハウス・ストーリー」ですが、久し振りにその続編を語らせていただきます。実は、完成後にドラゴンマスターよりベッドの製作のご依頼を受けておりましたが、諸般の事情で完成が伸び伸びとなっておりましたが、先日ようやく納品の陽の目を見る事となりました。工事中も含め、何度この家を訪れさせていただいてことでしょうか。もう家中隅々まで構造が頭に入っていて、とても人様の家とは思えないほどの親近感があります。たくさんの家に携わらせていただきましたが、私にとっても特別な「家」です。

20101222 その後のドラゴン・ストーリー②ドラゴンハウスのテーブルカウンターなどを製作してもらったウッドワークかずとよさんに今回も製作を依頼。フレームには、ダイニングテーブルと同じ引き締まった色合いのブラック・ウォールナット。スノコには、調湿性を考慮してを選びました。2階に設置するために、階段から持ち運びできるようにパーツ化して、室内で組み立てします。当日は、ウッドワークかずとよのスタッフの善家君が取り付けに来てくれました。加工も今回は善家君が担当してくれましたが、最近お父さんになったばかりの彼、ノッています!

20101222 その後のドラゴン・ストーリー③無垢材の家具の場合、全てを大型機械で加工してしまえる訳ではありません。気の癖や特性を見抜き、木取りを考え、質感を生かした仕上げが求められます。私は大量生産家具には興味がありませんし、そういうモノを扱える店でもありません。ひとりひとりのオーダーに合わせて、「木の物語」というペーストをたっぷりと塗った材を選び出し、ひとつずつ丁寧に手造りしていくというのんびりした手法です。しかし自分では作れないので、選んだ素材をうまく調理してくれるシェフが必要になります。

20101222 その後のドラゴン・ストーリー④私にとっての最適のシェフが、「チーム・ウッドワークかずとよ」です。代表の池内一豊君の元には、この善家君と昨年入社した馬越君がいて、ぞれぞれの持ち味を生かし、絶妙のチームワークでいつもフル回転操業中です!この辺りでは、無垢材の家具を製作できる家具屋さんの数もめっきり少なくなりました。特に弊社のような、とんでもない形の材や一般的に流通していないような特殊な材でお願いする場合、無垢を使った経験が少ない家具屋さんだとこちらも不安になります。その点、ウッドワークかずとよさんとは長い付き合いで、さまざまな樹種で製作してもらってきたので、どういう素材を提案しても対応してもらうので、全幅の信頼を寄せています。何より、本人達が「木が好きである」という事が一番大切で、難しい素材や形状にも、楽しもうという姿勢で取り組んでもらえるので、ますます無謀な選択にも拍車が掛かってゆきます!

20101222 その後のドラゴン・ストーリー⑤今回はスタンダードなご注文でしたのでしたが、組み立ての手際の良さに、踏んだ場数が見え隠れします。無垢材の場合、種類の対応としては、とにかく削ってみる、作ってみるしかありません。腕のいい職人になるためには、毛嫌いせずにいろいろな樹種にも手を出して、応用力を身に付けることだと思います。そういう意味では、弊社の取り扱い樹種の無謀(?)な多さも決して無駄ではなかったのではなかろうかと・・・勝手に感慨にふけってみたりするのです。やっぱり、もっとたくさんの樹種に挑まなければと、妙なところでアクセルを踏み込んでしまうのですが!ともあれ、ベッドは完成。施工後、善家君とドラゴンマスターが話をしてみると、偶然にも高校の先輩・後輩の関係でした。しかもお互いバスケットボール部とか。実は私めも中学・高校とバスケットをしておりましたが今は見る影もありませんが。こういうご縁は大切です!




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