森のかけら | 大五木材


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20110422 木の声の聴ける人へ①昨日少し触れたビーチ(ブナ)のキャビネットですが、折角なのでもう少し詳しくご紹介させていただきます。このキャビネットを作る以前は、二階のショールームに展示してあるのはすべて座卓かテーブルでした。それらについては、今までに100台以上は作らせていただいたので、その経験から大体の仕組みや材との相性は理解した(つもり)なので、在庫にある材の何をどう木取りしてどれくらいのサイズの物を作っておけば売れやすいかおおよその見当がつきます。新築の場合、座卓かテーブルは必需品ですが、以前使っていた物を持ってくる方よりも、この機会に買い直すという方の方が圧倒的に多いようです。ショールームで内装材の打ち合わせ中に、(否でも目に入るように)展示してある家具が視界に入り、「じゃあついでに・・・」と決心していただく方も多いです。それを期待して展示させていただいているのですが、なかなか・・・。

 

20110422 木の声の聴ける人へ②無垢の家具の場合は実際に触れて、掌がその温もりを感じ取ってはじめて、理解できるものがあると思います。映画「アバター」の中で、彼らが尻尾を使い交信する場面を観た時、大胆な解釈だと思いましたが、我々だって木の良さを語る時に、掌で愛おしく木をさすってその温もりを体感しているのだから、それが更に進化して、木と会話が出来るようになったアレンジだと思えば納得。しかしそれって楽しそうに思える反面、物言わぬ忍耐の塊「木」の声を聴くのは少し怖いような・・・。

 

20110422 木の声の聴ける人へ③またまた話が逸れましたが、サイズもほぼ一定で、新居に求められやすい座卓やテーブルに対して、商品の出来以上に、部屋のどこに置いて何を入れるかというスペースや用途が重視されるキャビネットなどはちょっと手を出しにくいジャンルでもありました。オーダーの場合は何ら問題は無いのですが、在庫で作っておいて奇跡の相性を待ち続けるには少しリスクが高過ぎるかと思い、在庫の製作には二の足を踏んでおりました。しかし、【森のかけら】の売れ行きに伴い、在庫の樹種もドンドン増えていきます。

 

20110422 木の声の聴ける人へ④決して高価な材が増えているわけではないのですが、私にとってはお宝の山!それに比例して【森のかけら】には使えない薄い板(荒材で35㎜以下)もたくさんストックされます。仕様部材がシンプルな座卓やテーブルだけではどうしても使いきれない材がたまってくるようになると、やはりこの『出口』も考えなければなりません。キャビネットの場合、仕様部材が多く、短尺材も有効に活用できます。ならばもはや手を出さずにはおられまいっ!という手前の理屈で作り始めました。あ、何だか昨日のデジャブのような・・・。それで最初に作ろうと思ったのがこのキャビネットです。丁度ヨーロッパビーチの短材がたくさんたまっていたので、乳白色の色合いを生かしてちょっとメルヘンチックなものに挑みました。製作はウッドワークかずとよの池内君。当然総無垢ですから、二階に上げるにもひと苦労しましたが、その出来栄えに自分としては大満足!

 

20110422 木の声の聴ける人へ⑤ビーチは無塗装では本当にホワイトクリームのような乳白色で、胡麻塩を振ったような木柄が特徴なのですが、植物性油を塗ると透して少し黄身がかった色合いに変化します。更に時間が経つとやや薄く赤身も帯びてきたりします。大体色目の淡い白系の木は軽い物ですが、ビーチは例外的に重たい~!私の感覚では国産のブナよりもやや重いと思います。久し振りに階段から降ろしましたが、上げた時より随分軽くなっていたように思うのは『天使の取り分』でしょう。

 

20110422 木の声の聴ける人へ⑥大きさを比較するような物を写してないので分かりにくいかもしれませんが、これで高さが1680、奥行き410、幅760㎜です。もっと大きなサイズになると2階には上げられなくなりますので、この辺りが在庫にするサイズとしては限界です。大家族用には物足りないサイズかもしれませんが、機能性よりもちょっと控えめなぐらいな方が座りがよろしいかと。引き出しの内部に桐を使った以外は、枠も背板も中棚も全てビーチの無垢材を使いました。棚まで無垢なので多少反りもありますが、リバーシブル仕様の可動式にしているので、反ったらひっくり返して使っていただければと。ちなみにこの仕様でお値段は220,000円(税別)。世の中には安価な物は星の数ほどあるのでそこを目指すつもりはありません。木の声まで聴いてやろうという物好きなお方達と和やかに楽しく商売が出来ればありがたいです。このキャビネットもそんな木の愛好家の方の元で終の棲家を見つけられて何よりの幸福でした。

 




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