森のかけら | 大五木材


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20110524 トランジスタで「ストレンジ」は眠らない①昨日に引き続いてトランジスタハウスの内部に潜入。玄関~リビングの天井には、もはやイシムラトモコ建築設計の代名詞(そんな事もないが、敢えてそう呼ばせて欲しい!)とも言えそうな『カランタス』のパネリングが、我々を温かく包み込んでくれております。3度目の登場になりますが、どうでしょう、この堂々たる風格は!私はレギュラーですよ的な顔で収まっておりますが、これってどこかのメーカーの規格商品などではありません。彼女の要請で作り上げたオリジナルのパネリングなのです。以前にもアップしましたが、結構広めの材を割り返して作っています。正直、当初は少し抵抗(材木屋は大きな物は大きく使うという習性、本能がある)もありあしたが、こうして出来上がったものを見ると、いつも自分の器の小ささを思い知らされます。モッタイなくて、なかなか古い上着が捨てきれませんが・・・。

 

20110524 トランジスタで「ストレンジ」は眠らない②同じカランタスを使っても、『ドラゴンハウス』、『住み継ぐ家』とどうしてこうもお部屋の雰囲気が変わるものなんでしょう?よくこういうクロスを探し出されるものですな~。それがまたピタッとはまるのも不思議!そこに輝く照明もこれでなければ、ありえないほどのチョイス。このセンスと選択眼は天性のものでしょうな~。和室の続き間のある家がほとんど無くなり、今ではすっかり出番を失った欄間も、新たな舞台を与えてもらって嬉しそうです。しかし、本当に欄間の新しい用途を考えねばなりませんな。

 

20110524 トランジスタで「ストレンジ」は眠らない③弊社にも、かつてのバブル期の名残として、幾つか欄間が残っていますが、全国の材木屋・銘木屋の倉庫にも相当数の舞台を失った欄間が眠っていることと思います。今後、本来の欄間としての用途での出番はますます減っていくと思われます。ごく一部の高級欄間は、芸術的な価値とともに『遺物』としてそれなりの地に収蔵されていくのかもしれませんが、一般的な多くの欄間はそのまま倉庫で埃をかぶり、永遠の眠りに就いてしまうのでしょう。それではあまりにもモッタイナイ。何とかトランジスタ・ハウスの欄間のように光り輝く舞台に出してやりたいものです。何か別の新たな調味料をふりかける必要があります。それは、建築以外の味でいいと思うのです。何をどこにどう使うか、そのコンセプトと意思さえ明確であれば、どこでも輝きを放つ事は出来るのです。こちらでも、新しい舞台を与えていただいた木が誇らしげな顔で収まっています。

 

20110524 トランジスタで「ストレンジ」は眠らない④和室の地板には、北アメリカ産でクルミ科の『ヒッコリー』。敢えて節のある赤白の材をセレクト。2m材を繋ぐという選択を捨て、3mもので通しました。普通なら和室にあり得ないヒッコリー、普通なら和室にあり得ない赤白の節あり材、そのどれもが見学会で来られた方から、「素敵だ」と声をかけていただきました。畳の色合いやクロスの柄、そしてこの和室の空気感がそうさせるのでしょう。このメリハリの強さから出番の少なかったヒッコリーですが、これからそれを逆手に提案させてただこうと思います。

 

20110524 トランジスタで「ストレンジ」は眠らない⑤そのヒッコリーの上には、イシムラトモコ建築設計さんの大好物『』です。中央に大きな穴が開き、古い海洋地図にようにスポルテッドSpalted/木が外部からダメージを受け、雨水などが染み込み菌やカビなどの影響で内部に出来る黒い筋状の芸術的な模様)があります。この面白さが分かるだけでなく、この材にふさわしい舞台をご用意いただきました。うちの倉庫では、その容貌から少し肩身の狭かったこの木も、ここでは晴れ舞台の重要な役をいただき晴れやかに見えます。世に出てこそ、森の木を伐った意義が出てきます。眠らせまいぞ!




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